2019年の當麻寺『練供養会式』は小雨バージョン @葛城市
中将姫のご命日に営まれる、葛城市・當麻寺の『聖衆来迎練供養会式』。二十五菩薩が中将姫を極楽浄土へお迎えする様子を表した宗教儀式です。2019年から本来どおりの「4月14日」開催へと変更になりましたが、生憎の雨模様のため、例年とは少し違った内容で執り行われました。貴重な場面を拝見できました!
千年以上も続く美しい宗教儀式です
葛城市・當麻寺で、千年以上にわたって続けられている『聖衆来迎練供養会式(しょうじゅ らいごう ねりくようえしき)』(通称:お練り、練供養会式)。當麻寺の御本尊である「當麻曼荼羅」を一夜にして織り上げた「中将姫(ちゅうじょうひめ)」(Wikipedia)の命日に行われる荘厳な宗教儀式です。
※毎年5月14日に開催されていましたが、2019年以降は「4月14日」へと変更になりました。
当日は、観音菩薩、勢至菩薩ら二十五菩薩のお迎えをうけて、中将姫が阿弥陀さまの待つ極楽へと向かい極楽往生を遂げるシーンを再現したものです。
當麻寺・練供養会式は、今年から中将姫の本来の御命日に近い「4月14日」へと変更になりました。変更後、初の開催でしたが、あいにくの雨模様です。たくさんの参拝客が集まりましたが、直前まで傘が手放せないくらいの雨が続きました
雨が降った場合には、本堂の周りを練り歩く形で行われます(2015年にその形で行われた様子)。しかし、次第に雨は小降りとなり、来迎橋上もモップで水が拭き取られ……
通常どおり、来迎橋を渡る形で執り行われました。ただし、本来は16時から始まりますが、雨の影響もあってやや早め(15時半くらいから)お練りがスタートしました
小雨の中ですが、凛とした雰囲気で法要が進められます。足元が滑りやすいため、皆さんかなり大変な御様子でした
二十五菩薩が続きます。この日だけは本堂は「極楽堂」と呼ばれ、来迎橋の先にある「娑婆堂」におわす中将姫をお迎えにあがります
小雨のため例年と違う形となりました
雨模様だったため、今年の練供養会式は通常とは大きく違った点がありました(※画像は2017年のもの)。往路では本来、何も乗っていない蓮弁を手にした「観音菩薩(すくい仏)」が、その後を両手で拝みながら歩む「勢至菩薩(おがみ仏)」が続きます
(※同じく2017年の画像)復路(帰り道)には、観音菩薩の蓮弁の上には、仏さまとなった中将姫が乗っています。中将姫を娑婆世界から極楽浄土へととお連れする様子を表しています
しかし、今年は雨の影響で、観音菩薩は蓮弁を手にしていません。勢至菩薩と同様に合掌して伸び上がる「おがみ仏」の形で進みました
娑婆堂から極楽堂へ戻る復路も同様で、“ダブルおがみ仏”の体制でした。中将姫をお迎えしないという、本来とはかなり違った姿ですが、私個人的には「珍しい場面に立ち会えた」と喜んでいます(笑)
ちなみに、列の最後を飾る「普賢菩薩」は、通常は中将姫に差しかける天蓋(てんがい)を手に歩きますが、今年は合掌していらっしゃいました
2019年の練供養会式で撮影した写真たち
【駐車場もあります】練供養会式の当日は、當麻寺奥院の北側のグラウンド「當麻健民運動場」が臨時駐車場として開放されます(無料)。比較的広いですが台数に限りがありますので、お車の方は早めに来場しましょう
■當麻寺(当麻寺)
HP: 中之坊- http://www.taimadera.org/ 、奥院- http://www.taimadera.or.jp/など
住所: 奈良県葛城市當麻1263
電話: 中之坊 0745-48-2001、奥院 0745-48-2008 など
宗派: 高野山真言宗・浄土宗
本尊: 当麻曼荼羅
創建: 7世紀前半ごろ
拝観料: 境内は無料(伽藍:500円、中之坊:500円、西南院:300円、奥院:300円、護念院:300円)
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 当日は「當麻健民グランド」などが臨時駐車場として開放されます(台数に限りあり)
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約20分
※當麻寺『聖衆来迎練供養会式』は、毎年5月14日に開催されていましたが、2019年以降は「4月14日」へと変更になりました。
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