2010-05-03

つつじ・しゃくなげが見事な花の寺『船宿寺』@御所市

つつじ・しゃくなげの関西花の寺『船宿寺』@御所市

御所市にある『船宿寺』に行ってきました。それほど規模の大きなお寺ではありませんが、関西花の寺二十五ヵ所の札所になっているだけあって、様々なお花が咲き乱れる様子は本当に見事でした!


行基菩薩が創建した葛城の古刹です

奈良県御所市にある『船宿寺』は、725年、行基菩薩が創建した古刹です。寺伝では、行基が葛城の地を訪れた際、夢枕に老人が現れ、「東の山中の船形岩の上に薬師如来像を祀るように」と告げられ、それに従って薬師瑠璃光如来を安置し、庵を建てたのが始まりとされています。

また、「関西花の寺二十五ヵ所」の第二十二番札所となっており、境内の池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)を中心に、四季折々の花々が咲き誇る花のお寺でもあります。

冬にはさざんか・寒椿・梅など。春にはあせび・芝ざくら・つつじ・牡丹・しゃくなげ・さつきが見事な姿を見せてくれます。つつじは、4月下旬から霧島系が、5月は平戸・ヤマツツジ・サツキなどが咲き、全て合わせると1,000株以上になるのだとか。

この日は、年に一度の「花まつり法要・紫燈護摩供養」が催されており、連休中ということもあって、たくさんの参拝客の姿が見られました。また、満開にはまだ少し早いようでしたが、境内のいたるところにつつじ・牡丹・しゃくなげ・さつきが咲いていました。


船宿寺@御所市-01

御所市にある『船宿寺』さん。関西花の寺二十五ヵ所の札所です。臨時駐車場から境内へ向かう道すがらもお花が咲き乱れていました。白い花は「大手毬(おおでまり)」だそうです

船宿寺@御所市-02
この日(5月3日)は、花まつり法要・紫燈護摩供養が催されていました。駐車場には売店が出ていて、お巡りさんも警備にあたっているという、とても賑やかな雰囲気でした

船宿寺@御所市-03
船宿寺さんの山門。ツツジの花が満開の寸前くらいです。郵便局の出張所まで登場するのですから、地元の大きなイベントなんでしょう

船宿寺@御所市-04
船宿寺の説明。「当寺は、奈良時代の神亀年間、行基菩薩が山中の船形岩の上に薬師瑠璃光如来をまつる庵を建て、船宿寺と名づけたのがはじまりです。寺内には遠州流の池泉回遊式庭園があって、季節にさまざまな花が咲きます」

船宿寺@御所市-05
山門をくぐったところ。つつじの生垣が続き、つつじ越しに本堂が見えます

船宿寺@御所市-06
鐘楼前の石段の脇には、色とりどりの花々が。丹精込めて、という言葉が似合います

船宿寺@御所市-07
おおでまりの花と青い空と吹流し


御本尊の年に一度の御開帳日でした

船宿寺の「花まつり法要」では、普段はお参りできない御本尊の「薬師如来像」が、年に一度だけ一般公開されます。

もちろん初めてお会いしましたが、豪華なお厨子の中にいらっしゃって、表情はとても穏やか。それほど大きくはありませんが、存在感のあるお姿でした。脇侍は、まだ比較的新しいと思われる日光・月光菩薩像でした。

また、その両脇には一対の掛け軸がありました(これもこの日だけの公開です)。一方は薬師如来が、もう一方は、お花を手にした金剛華菩薩が描かれている面白いものでした。こんなところも花のお寺らしいですね。

少しだけご住職のお話も伺えました。「牡丹やシャクヤクは薬草だから栽培するのはもちろん、お花を植えて育てること自体、曼荼羅を作るような意味もある」とのことでした。ただ単にきれいな花を育てて人々を楽しませるだけではなく、曼荼羅的な心も込められているんですね。面白いお話でした。


船宿寺@御所市-08

船宿寺の本堂。いつの時代のものかは不明ですが、それほど古くは無さそうです。境内は広めですが、お堂はここ一つのようでした。向かって右手には、修行中の弘法大師像が建っています

船宿寺@御所市-09
この日は、お釈迦様の生誕祝と花の供養を兼ねた、年に一度の「花まつり法要」が催されていました。誕生仏もいらっしゃって、甘茶をおかけしてきました。御本尊の薬師如来像は、この日だけ一般の参拝が許されます

船宿寺@御所市-10
船宿寺にいらっしゃった誕生仏。甘茶をおかけしてお祝いします


しゃくなげ・つつじなど和の花が見事!

船宿寺の本堂の裏手には「しゃくなげの森」というしゃくなげが植わった一角があります。それほど広くはありませんが、山の斜面に沿ってしゃくなげが咲き誇る姿は、とても迫力がありました。

また、本堂の西側には、花々の間を歩ける庭園がしつらえてあります。美しく手入れされたつつじや牡丹、しゃくなげなどが咲いている光景は本当に見事なものでした。西洋的な庭園のような華やかさには欠ける印象もありますが、いかにも日本庭園らしいしっとりとした雰囲気がありました。


船宿寺@御所市-13

本堂脇の「しゃくなげの森」の途中にはお不動さまと観音さまが。行基さんが最初に薬師如来像を祀った岩場には「岩舟明神(または巖舟権現)」がいらっしゃるそうですが、残念ながら気づきませんでした

船宿寺@御所市-14
船宿寺のしゃくなげの森への道。それほど距離はありませんが、とても静かで落ち着いた雰囲気の小道でした

船宿寺@御所市-15
しゃくなげの森に咲いていたシャクナゲたち。まだ満開にはやや早かったようですが、色とりどりで見事ですね

船宿寺@御所市-16
船宿寺の整備された庭園。庭園内をお花を見ながら散策することができます。日本庭園らしい心落ち着く光景でした

船宿寺@御所市-17
このお庭はかなり広く、奥の方までずっと花々が続いています

船宿寺-ご朱印
船宿寺でいただいた御朱印です


この日だけで色んなお花が見られました

この日、船宿寺で撮影したお花たちの画像を掲載しておきます。種類が多すぎて、私などでは名前も分からないお花も多かったですね。お花好きの方は、ぜひ実物を見に行ってみてください!


船宿寺(花)-01

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■船宿寺(医王山)

HP: 参考サイト(関西花の寺二十五ヵ所)
住所: 奈良県御所市五百家484
電話: 0745-66-0036
宗派: 高野山真言宗
本尊: 薬師如来(秘仏)
創建: 725年
開基: 行基
拝観料: 境内自由(4月~6月の間のみ拝観料300円)
拝観時間: 8:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄御所線「近鉄御所駅」から、奈良交通バス「五條バスセンター」行きで船路下車(13分)、徒歩10分

※「関西花の寺二十五ヵ所」の第二十二番札所です






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