樹齢1200年「乳銀杏」の紅葉『一言主神社』@御所市
今年も、御所市にある『葛城一言主神社』で、樹齢1200年「乳銀杏」の紅葉を見てきました。曇り空で生憎のお天気でしたが、つい数日前にテレビ中継があったとのことで、たくさんの参拝客の方の姿が見えました。黄色く色づいた巨大なご神木は、神々しいばかり!見事な眺めでした!
「願い事を一言だけ叶えてくれる神様」です
奈良県御所市にある『葛城一言主神社』は、別名「いちごんさん」と呼ばれています。
祭神の一言主大神は「良いことも悪いことも、全て一言で言い放つ神様」とされ、このことから<願い事を一言だけ叶えてくれる神様>として信仰を集めています。この一言というものが、どのくらいの長さなのかは分かりませんが、日本古来の神秘的なパワースポットですね。
しかし、この一言主大神には、こんなエピソードも残されています。
雄略天皇が葛城山で狩をしている時、この神は天皇と同じ姿で現れ、天皇が「お前は何者だ」と問いかけたところ、「私は善事も悪事も一言で言い放つ神である」と申されました。天皇はひれ伏し、その後、共に狩を楽しみ、神は久米川(現曽我川)まで天皇を送って行ったという事です。しかし、続日本書紀によれば雄略天皇と狩の事でいさかいを起こし、四国の土佐に流されたという事です。土佐風土記によれば、その後許されて葛城の高宮付近に祀られたと記されています。また、今昔物語に登場する一言主神は顔が醜くかったと伝えられ、葛城の怪人と言われた役行者は、修行のため、葛城山と吉野の金峯山の間に岩橋を架けるため、諸神を集めて、架橋工事をさせますが、一言主神は顔が醜かったため、昼は働かず夜しか働かなかったので、石橋は完成しませんでした。役行者は怒って、近くの小川のそばの大木に一言主大神を縛り付けてしまったという事が記されています。
ものすごく人間くさくて、親近感が湧く逸話ですね。雄略天皇ともめたり、役行者に叱られたり、偉い神様も色々と大変なんです!
いつもは静かな境内も賑やかでした
一言主神社はそれほど規模は大きくありませんし(拝観料なども不要です)、紅葉の時期以外はひっそりとしています。しかし、この日は樹齢1200年のご神木「乳銀杏」の紅葉のピーク。さらに、直前にどこかのテレビ番組の中継があったようで、たくさんの参拝客の方の姿が見えました。
境内のモミジなども真っ赤に色づいていて、とても風情がありました。静かな時に立ち寄って、一言さんに短い願い事をお願いしてみるのもいいですね。
真っ黄色に紅葉した「乳銀杏」は見事!
そして、やはり一番の見どころは、一言主神社のご神木で、樹齢1200年の古木「乳銀杏」です。
樹の幹が、お乳のように(鍾乳石のようです)垂れ下がっているため「乳銀杏」「宿り木」と呼ばれ、健康な子供を授かりお乳の出がよくなるという願いを込めてお参りされているのだそうです。古い銀杏の木が全てこのようなお乳型になるものなのかどうかは分かりませんが、一言主神社のご神木として、凛々しく立っています。
やはり見頃は紅葉シーズンですので、出来れば11月末ごろに見に行くのがいいでしょう。巨大なご神木全体が黄色に染まり、すぐ近くを走る山麓線(県道30号線)からも美しい姿が見られます。
また、テレビ中継では、黄色く紅葉した葉っぱが境内一面に敷き詰められて、「黄色い絨毯」のようになっていた様子が映っていたようですが、毎朝神社の方がキレイに掃除なさっているため、普通の時間帯に行ったのではその光景は見られません。一言主神社の方が起きる前に到着してください!
ただし、これだけの老木ですので、年々樹勢は衰えてきているそうです。今の美しい姿が見られるのも、そう長い時間ではないのかもしれませんので、ぜひお早めに行ってみてください。
■葛城一言主神社
HP: 参考サイト(御所市HP)
住所: 奈良県御所市森脇432
電話: 0745-66-0178
主祭神: 一言主大神、幼武尊
創建: 9世紀ごろ
開門時間: 不明
拝観料: 境内無料
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「御所駅」から、奈良交通バス・五条バスセンター行「宮戸橋」下車