2009-10-28

琵琶湖一望!巨石が残る『長命寺』@滋賀県近江八幡市

琵琶湖一望!巨石が残る『長命寺』@滋賀県近江八幡市

西国三十三所の秘仏ご開帳巡りのため、三十二番札所「観音正寺」に続いて、三十一番札所『長命寺』へお邪魔してきました。

61年ぶり(!)となる秘仏御本尊の御開帳だけではなく、長い石段、重厚な本堂と三重塔、いたるところに見える巨石、琵琶湖を望む絶景と、色々と見どころの多いお寺でした!


聖徳太子ゆかりの「健康長寿のお寺」

西国三十三所の第三十一番札所『長命寺』(ちょうめいじ)は、標高333mの奥島山に建つお寺です。かつては琵琶湖に浮かぶ島だったため、参道の目の前まで舟で乗り付けることができたのだそうです。参道は、琵琶湖畔から続く808段の険しい石段ですが、現在は途中に駐車場が出来ているため、100段ほどで済ませることができます。

長命寺は、三十二番札所の「観音正寺」と同様に、聖徳太子が開基となるお寺です。

その創建は、古事記・日本書紀などに登場する「武内宿禰」の逸話に始まります。彼が奥島山に来て柳の巨木に「寿命長遠諸願成就」の言葉を刻んで祈ったところ、何と300年の長寿を得て、6代ものの天皇に仕えたのだそうです。

その後、619年にこの地を訪れた聖徳太子は、武内宿禰が文字を刻んだ柳から、千手十一面聖観音の三尊一体となった仏像を彫り、お堂を建てて安置しました。そして、武内宿禰の言葉から「長命寺」と名付けたのが長命寺の開基とされています。

万葉歌人の「額田王」が、狩りに訪れた大海人皇子(後の天智天皇)に向けて「あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る」という歌を詠んだのもこの地とされ、市内には歌碑も残されています。

1516年の兵火で全ての建物が焼失しており、現在の「本堂(重文)」は1522年、「三重塔(重文)」は1597年の再建です。境内からは琵琶湖が一望できるとともに、いくつもの珍しい巨石が残されています。


琵琶湖畔から808段の石段が続きます

滋賀県近江八幡市の琵琶湖畔に建つ『長命寺』。標高333mの奥島山にあるお寺ですので、ここにももちろん長い石段上りが待っています。しかし、今では途中までは車で上がれるようになっていて、100段ほど上れば済みますので、それほど大変なこともありません。石段も等間隔で上りやすくなっていますので、体力の無い方も比較的安心でしょう。


長命寺@滋賀県近江八幡市-01

西国三十三所の三十一番札所『長命寺』。山道を上った先にある駐車場は数台分のみと、それほど広くありませんが、何故か亀に乗った石碑がありました

長命寺@滋賀県近江八幡市-02
駐車場から、長命寺の石段を見下ろしたところ。琵琶湖畔から続く808段の石段で、徒歩で上ろうと思ったら大変な労力でしょう。駐車場からであれば100段ほどで済みますのでご安心ください

長命寺@滋賀県近江八幡市-04
石段を進むと見えてくる長命寺の山門。徒歩巡礼の方は、この門にたどり着いた時に、きっとホッとされるんでしょうね

長命寺@滋賀県近江八幡市-05
山門をくぐったところにある手水舎。水の出口はやや大きめのドラゴン型でした


檜皮葺の重厚な「本堂(重文)」

石段を上りきった先には、長命寺の「本堂(重文)」が見えてきます。

この本堂は、1516年に焼失した後、1522年から1524年の間に再建されたもの。昭和初期に大規模な解体修理が行われているとのこと。入母屋造り・檜皮葺の重厚な建築物で、この日も多数の巡礼の方で賑わっていました。


長命寺@滋賀県近江八幡市-07

高台から長命寺の境内を見渡したところ。手前から護法権現社、三仏堂、本堂、三重塔と続きます。本堂の裏側にある巨石が折り重なった「六処権現影向石」も注目!長命寺では、いくつかの巨石が見られます

長命寺@滋賀県近江八幡市-08
長命寺の本堂を石段側から見たところ。秘仏の三体の観音さまが、何と「61年ぶり」の御開帳となっていましたので、参拝の方も多く、とても賑やかでした

長命寺@滋賀県近江八幡市-09
本堂前の石碑には「八千年や 柳に長き 命寺運ぶ歩みの かざしなるらん」という、長命寺のご詠歌が刻まれていました。長命寺は、その名前のとおり「健康長寿の観音さま」を祀るお寺として信仰を集めています


61年ぶりの御開帳!秘仏の三観音!

今回は、秘仏の御本尊さまの「61年ぶり」という特別開扉期間だったため、じっくりと拝見することができました!

長命寺のご本尊は「千手十一面聖観音」と表記されていますが、これは三体の仏像を一つに見立てた「三尊一体」によるものです。実際には、以下の三体(全て重要文化財)がご本尊となります。

・千手観音立像 像高91.8cm 平安時代作(中央)
・十一面観音立像 像高53.8cm 平安時代作(向かって右手)
・聖観音立像 像高67.4cm 鎌倉時代作(向かって左手)

お堂の中は薄暗く、細部までは見づらかったのですが、三体の観音さまが一つのお厨子の中に入っている姿は、どことなく微笑ましく感じられました。秘仏ということで、しっかりと金箔も残っているのですが、薄っすらと地の赤色が見えたり、お線香のススに覆われていたりと、大事に祀られていることが伝わってくるようでした。

三観音の周囲には、お前立ちの千手観音像や、厳しい表情をした不動明王像などが取り囲みます。内陣の外側に沿っては、地蔵尊立像が2体、全身が真っ赤な八臂の荒神像や、カラフルに彩色された役行者像など、本当に楽しく拝見させていただきました。

また、檀家の方たちが特別御開帳のお手伝いをされていて、受付業務やご案内などをしてくださったのも嬉しかったですね。ありがとうございました!


長命寺@滋賀県近江八幡市-11

長命寺の本堂の様子。内陣から伸びる紐は秘仏の御本尊「千手十一面聖観音(三尊一体)」と繋がっています。堂々とした建物で、内陣はかなり薄暗いんですが、とてもいい雰囲気でした!

長命寺@滋賀県近江八幡市-10
長命寺の本堂内部。西国三十三所巡礼者で賑わっています。内陣の特別拝観の料金は「@1,000円」。それなりの金額でしたが、貴重な仏さまを拝見できて大満足です!

長命寺@滋賀県近江八幡市-31
本堂の特別拝観の際に、お守りと絵葉書をいただきました。古い境内図を印刷した絵葉書ですが、多数のお堂が立ち並ぶ様子が描かれていました


古い信仰が感じられる不思議な巨石たち!

長命寺の本堂裏手には、「六処権現影向石(ろくしょごんげんようこうせき)」という、二つの巨石が重なって今にも崩れ落ちそうな姿をしたものもあります。さらに、鐘楼の裏手には、武内宿禰のご神体「修多羅岩(すたらいわ)」などもあり、こうした巨石たちを眺めてみるだけでも楽しかったです。

古い巨石信仰の名残だと思いますが、確かにすごい迫力で、ご神体として崇められてきたのも納得できるような存在感が感じられました。


長命寺@滋賀県近江八幡市-12

本堂の裏手にある、天地四方を照す岩「六処権現影向石(ろくしょごんげんようこうせき)」。今にも落ちてきそうでした!長命寺の寺伝に登場する「武内宿禰」がここに祈りを捧げて、三百歳の長寿を全うした言い伝えが残されているそうです

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鐘楼の裏手にある「修多羅岩(すたらいわ)」。仏教用語で「天地開闢 天下大平 子孫繁栄」の意味だとか。開山の長寿大臣「武内宿禰」の御神体とされているそうです

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境内の一番奥まった位置にある「太郎坊権現社」。この祠の両脇にも巨石がゴロゴロしています


重文の「三重塔」「鐘楼」も見事!

本堂の周囲には、重要文化財の「三重塔」を初めとして、「護摩堂」「三仏堂」「護法権現社」や、小高い位置には「如法行堂」「鐘楼(重文)」などが建っています。

特に面白かったのは「鐘楼」で、重要文化財でありながら、中に入ることもできました。もう夕方近い時間帯だったため、朱色の建物の中に夕陽が差し込み、本当に美しい光景が見られたのです!立派な釣鐘を真下から見るチャンスもなかなか無いと思いますので、ぜひ忘れずに入ってみてください。


長命寺@滋賀県近江八幡市-13

本堂前に並ぶ、手前が「三仏堂」、奥が「護法権現社拝殿」。朱塗りが鮮やかな建物です。左手上に建つのは「鐘楼(重文)」です

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三仏堂にいらっしゃった仏さまたちをガラス越しに。名前のとおり三体の仏さまが並んでおり、向かって左から「釈迦・弥陀・薬師」とのこと。三仏堂自体は、1516年に焼失したものがその後に建て替えられたのだそうです

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三仏堂の隣にある「護法権現社」の本殿。長命寺の護法神として、開山の祖「武内宿禰」を祀っています

長命寺@滋賀県近江八幡市-28
長命寺の「三重塔(重文)」。1597年に建てられたもので、形といい色合いといい、とてもいい雰囲気ですね。周りに高い木が生い茂っていますが、それが無ければ山の下からも見えて最高のランドマークになるのに・・・などと思ってしまいました

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本堂より少しだけ高い位置にあるのが、「如法行堂」という小さなお堂と、「鐘楼(重文)」です。小さいながら、どちらもなかなか面白いんです!

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長命寺の「如法行堂」の中には、向かって右手から、知恵文殊菩薩・勝運将軍地蔵尊・福徳庚申尊と並びます。小さな窓から覗けるだけですので、細かいところまでは見えませんが、かなり変わったラインナップですね

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長命寺の鐘楼は、中に入ることができるタイプ。滋賀県に多く見られますが、重要文化財の中に入るなんて嬉しいですね。ちょうど夕陽が差し込んできて、とにかく美しい光景が見られました!この一枚はお気に入りのショットです!

長命寺@滋賀県近江八幡市-20
鐘楼の内部には、よく見かける「大山のぶ代」さんの千手札が。その上にかすかに写っている「マリティス(ハート)K」のラフな千手札も、滋賀県のお寺の定番ですね(笑)


琵琶湖の眺望も見事でした!

また、長命寺の境内の隅の方からは、眼下に琵琶湖を一望できる展望台のようなスペースも設けられています。日照時間が短い時期にお邪魔していたため、ここから琵琶湖に落ちる夕陽を眺められそうなほどで、本当に美しい風景を拝見させていただきました。

(その後で、慌てて琵琶湖畔まで下りて、しっかりと琵琶湖に落ちる夕陽を拝んできました!)


長命寺@滋賀県近江八幡市-23

「太郎坊権現社」の下には、琵琶湖を眼下に望める展望台のようなスペースもあります。お見逃し無く!

長命寺@滋賀県近江八幡市-30
日が短い時期だったため、拝観時間内(17時まで)に琵琶湖に夕陽が落ちかけていました!絶景ですね!

長命寺-ご朱印
長命寺でいただいたご朱印です。日付が「10月5日」ですが、この日に伺った際には内陣の特別拝観の時間に間に合わなかったのですが、ご朱印だけはいただいておいたためです



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■姨綺耶山 長命寺

HP: http://www.saikoku33.gr.jp/31/
住所: 滋賀県近江八幡市長命寺町157
電話: 0748-33-0031
宗派: 天台宗(単立)
本尊: 千手十一面聖観音(3体。いずれも重要文化財)
創建: 619年(伝)
開基: 聖徳太子
拝観料: 境内自由
拝観時間: 8:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR琵琶湖線「近江八幡駅」より、近江鉄道バス 長命寺・宮ヶ浜行き「長命寺」下車、徒歩20分

※西国三十三所の第31番札所






 【琵琶湖一望!巨石が残る『長命寺』@滋賀県近江八幡市】へのコメント
はるにわ  09-11-06 18:31

はじめまして。いつも拝見しています。
今から23年前、ちょうど今の季節に私も長命寺へ行ったのを思い出し、思わずコメントしております。あの頃は若かったので、東京を23時過ぎに出発する鈍行の夜行列車に乗り、朝早く近江八幡駅に着き、そこから長命寺まで歩いて行きました。境内から見える琵琶湖の湖面がきらきらと眩しかったのを憶えています。
落ち着いたいいお寺さんですよね。
久しぶりにまた行ってみたいなぁ。

失礼しました。
またお邪魔させていただきます。

naka  09-11-06 22:37

>はるにわさん

長命寺さんは、本当にいいお寺でした!

今から23年前というと、多分、まだその頃とあまり変わらない姿が見られるのではないでしょうか?ただ、私たち見る側が年とともに変わってしまっているので、また目に映る風景は違って見えるのかもしれませんね。私も若い頃にそんな無茶な旅をしておけば良かった・・・と、今になって後悔してます(笑)

コメントありがとうございました!またよろしくお願いします!





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