2011-08-06

広島大仏がおわす聖徳太子創建の寺『極楽寺』@安堵町

広島大仏がおわす聖徳太子創建の寺『極楽寺』@安堵町

生駒郡安堵町にある、587年に聖徳太子が創建したと伝わる古刹『極楽寺』へお参りしてきました。無住だった期間もあったり、それほど名前の知られたお寺では無いかもしれませんが、数奇な運命を辿った「広島大仏」さんや、御本尊「阿弥陀如来坐像(重文)」など、仏像好きにはたまらないお寺でした。


聖徳太子建立の46ヶ寺の一つです

生駒郡安堵町にある『極楽寺』。安堵町の古い集落の中にあり、すぐ近くに「富本憲吉記念館」がありますので、合わせて訪れるといいでしょう。

極楽寺は、第32代・用命天皇の時代(587年)に、聖徳太子によって建立された46ヶ寺の一つと伝わっています。その当時は「常楽寺」という名前で、牛頭天皇社とともにこの地に祀られました。その後、寺勢は衰えますが、平安時代末期に「恵心僧都(源信)」によって再興され、名前の「紫雲山 極楽寺」と改めました。

戦国の戦乱、明治時代の廃仏毀釈などで堂宇を失い、荒れ果てた無住の寺となっていた時期もありましたが、重要文化財の御本尊「阿弥陀如来坐像」を祀り、現在では「水子供養」のお寺として知られるようになりました。


極楽寺@安堵町-01

安堵町の『極楽寺』周辺。古い集落の中にあるため、道は分かりづらいかもしれませんが、無料で利用できる駐車場があります。『富本憲吉記念館』のすぐ近くなので、それを目印にしてもいいでしょう

極楽寺@安堵町-02
紫雲山 極楽寺の山門。この日は「8月6日」。原爆犠牲者と大震災犠牲者を追悼し、復興を祈願する「平和祈念式典」が催されました

極楽寺@安堵町-03
極楽寺の境内の様子。平和祈念式典のため、業者さんのテントなどもありました。向かって左手の真新しい建物が、近年になって建てなおされた本堂です


原爆慰霊に祀られていた「広島大仏」

本堂に向かって右手に建つ「大仏殿」には、2011年8月、広島の爆心地近くで安置されていて、約50年も所在不明になっていた「広島大仏」さまが祀られています。



 坐像は高さ約4メートル。木製で全身に金箔(きんぱく)が施されている。制作年代や作者は不明。顔などに修理跡があるが、きれいな状態で保たれている。住職の祖父が06年ごろ、亡くなった古物商の家族から譲り受けた。祖父から「広島から来た仏さんや」と聞いていたが、詳しいことは分からなかった。昨年春、大阪の古書店で見つけた写真集が手がかりとなり、奈良国立博物館(奈良市)の専門家らが調べ、広島大仏と特定した。

 広島大仏は1950年、広島県内の別の寺から原爆ドーム近くの広島市の西蓮(さいれん)寺に移された。地元で「広島大仏」と呼ばれ、車に載せパレードが行われるほど信仰を集めたが、55年にさらに別の寺に移された後は所在が確認されていなかった。


戦後、広島市で原爆犠牲者を弔うために祀られていた仏さまが、半世紀も後になって、奈良で所在が判明するというのは本当に珍しいことですね。

像高約4mという大きな坐像で、決してそれほど古い作りではないでしょう。頭部が大きめで、だいぶ修復されたような印象です。広島で原爆慰霊のために祀られた方が、縁あって安堵町の極楽寺へいらっしゃったんですから、この土地で末永くお祀りされるといいですね。

(※仏さまの写真撮影の許可はいただいています。普段から特に禁止はなさっていないようでしたが、参拝の際に一言確認してみてください)


極楽寺@安堵町-04

本堂に向かって右手に建つ「大仏殿」。パッと見は分かりづらいですが、木造建築なのだそうです。こちらに、広島の爆心地近くで安置されていて、数奇な運命をたどってこの土地へやって来た「広島大仏」さまがいらっしゃいます

極楽寺@安堵町-05
大仏殿の様子。広島大仏さん専用のお堂で、大きなお体ですが窮屈そうな印象はありません。奈良の土地で、いつまでもお祀りしたいですね

極楽寺@安堵町-06

極楽寺@安堵町-07

極楽寺@安堵町-08


新しい本堂には美しい仏さまがズラリ!

極楽寺の本堂は、鉄筋コンクリートで作られた新しいものですので、それほど古い仏さまはいらっしゃらないような印象を受けますが、とんでもありません。さすがは奈良の古刹だけあって、御本尊は国指定の重要文化財「阿弥陀如来坐像」ですし、その周囲にもずらりと仏さまがいらっしゃいます。

失礼な言い方になりますが、奈良の仏像好きの間でもそれほど名の知れたお寺ではありませんが、想像を上回る宝庫となっていました。

藤原時代の御本尊は、とても穏やかで、しかし平板な印象を受けない温かみのあるお姿でした。ここは観光寺ではありませんが、この仏さまにお会いするためだけにでも足を運ぶ価値はありますね。


極楽寺@安堵町-10

本堂内の様子。中央には御本尊「阿弥陀如来坐像(重文)」、脇侍には観音像2体、四天王のうちの二天も。さらに、その周囲にも何体もの仏さまがいらっしゃいました

極楽寺@安堵町-11
阿弥陀如来坐像(重文)。像高139cmで、藤原時代の作。とても穏やかで整った表情をなさっています。光背の頭上部分には一体の大日如来が見えます。これは、極楽寺が以前は浄土系寺院で、後に真言宗に転じたため、光背を作りなおした時に配したのだそうです

極楽寺@安堵町-12
像高85.5cmの聖観音菩薩立像。平安中期の作で、以前は別のお堂で御本尊として祀られていたものを、脇侍としているそうです。三尊像として作られたものではありませんので、御本尊とは表情が違いますが、雰囲気がよく似ていらっしゃいますね

極楽寺@安堵町-14
四天王像の足元には、新旧の「大般若経」が。古い「大般若経全六〇〇巻(重文)」は、968年に書写され、牛頭天皇社(飽波神社)に奉納されたもの。当初は巻紙だったものを、後の修復の際に折本にしたそうです。貴重な文化財だけにもう転読することは無く、新しいものを使っているとのことでした

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極楽寺@安堵町-17

極楽寺@安堵町-18


ぜひお詣りして欲しいお寺でした

極楽寺の境内はそれほど広くはありませんが、味のある石仏の弁天さまなどもいらっしゃいますので、ぜひ手を合わせておいてください。

なお、この日は法要が催されていたため、すぐにお詣りさせていただけました。普段から本堂の拝観は可能なようですが、観光寺ではありませんので、事前に電話連絡を入れておいた方が安全でしょう。参拝料なども特に定められていないとのことでしたので、気持ちはお賽銭として納めておきましょう。


極楽寺@安堵町-19

境内の一角には、石像が並ぶコーナーが。仏頭が2体並んでいるのも、ちょっと珍しいですね

極楽寺@安堵町-20
石像の弁天さま。よーく見ると顔の凹凸が分かります。とても愛らしいお姿でした

極楽寺@安堵町-21
極楽寺は、現在は水子供養のお寺として信仰されています。境内にもお地蔵さまとのぼりが目立っていました



大きな地図で見る


■極楽寺

HP: http://www.gokurakuji.org/
住所: 奈良県生駒郡安堵町東安堵1453
電話: 0743-57-2231
宗派: 真言宗国分寺派
本尊: 阿弥陀如来(重要文化財)
創建: 587年(伝)
開基: 聖徳太子(伝)
拝観料: 無料
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR「法隆寺駅」より、奈良交通バス「かしのき台」行きバスで8分、「東安堵」下車、徒歩3分


■参考にさせていただきました!

広島大仏:消えた「大仏」奈良に 50年ぶり所在判明--極楽寺 - 毎日jp(毎日新聞)
広島大仏(極楽寺)について | 安堵町役場










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