2009-07-18

明日香村の3箇所の「天皇陵」を巡ってきました

飛鳥古墳ツアー「欽明天皇陵」

昨年、『天理・桜井「巨大古墳群見学ツアー」!』と銘打って、箸墓古墳などを周ったことがありました。

今回はその明日香村バージョンとして、『天武・持統天皇陵』『文武天皇陵』『欽明天皇陵』と、3箇所の天皇陵を見て周りました。どれもとっても地味なんですが、ネットでデータを調べてから歩くとなかなか面白いんですよ!


ご夫婦の合葬『天武・持統天皇陵』

「天武天皇(第40代。673年即位。大海人皇子)」と、天智天皇(第38代)の娘で、その后「持統天皇(第41代。690年即位)」が合葬されているのが『天武・持統天皇陵』です。日本古代史の最大の内乱とも言われている「壬申の乱」の際には、天智天皇の太子「大友皇子」を攻め滅ぼし、これ以降、天武天皇の系統が主流派となっていきました。

その陵墓は50m前後の円墳状(もとは八角墳)で、1235年に盗掘にあってしまったため、石室内部の様子が記録として残り、陵墓と被葬者がほぼ間違いなく合致している、数少ない例なのだそうです。また、持統天皇の亡骸は火葬されていますが、これは天皇として初めての火葬だったのだとか。

天武・持統天皇陵は、周囲をグルリと一周できるようになっていますので(何もありませんが)、ぜひ古代史の中心人物のことを思いながら、散策してみてください。


天武・持統天皇陵@明日香村-01

明日香村にある『天武・持統天皇陵』。ご夫婦揃って合葬されています。東西58m、南北45m、高さ9mの円墳状で、1235年に盗掘の被害に合ったことが記録されているのだとか

天武・持統天皇陵@明日香村-02
天武・持統天皇陵の前の拝所。当たり前のことですが、いつ来ても静かなところです

天武・持統天皇陵@明日香村-03
陵は「檜隈大内陵」といいます。天皇陵といえども、確実に埋葬地が確定していないものも多いのですが、「間違いなくここに埋葬されている」と断定されている数少ない例なのだそうです

天武・持統天皇陵@明日香村-04
天武・持統天皇陵は、すぐ脇にこんな小道があり、周りを一周できるようになっています。この時代のものは、まだ周囲にお濠をめぐらすということをしていなかったのでしょうか?時代が近い「文武天皇陵」も周りを歩くことができました

天武・持統天皇陵@明日香村-05
天武・持統天皇陵の裏側は、こんな道になっています。危険な獣がいたりするようなところではありませんが、薄暗くて迫力がありますした

天武・持統天皇陵@明日香村-06
もちろん陵内は立入禁止です。宮内庁の看板ですが、妙に質素ですね(笑)

天武・持統天皇陵@明日香村-07
天武・持統天皇陵の西側はやや開けています。すぐ脇に大きな民家が見えますが、こんな天皇陵の隣に住むというのは、どんな気持ちになるんでしょうね?



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■天武・持統天皇陵(檜隈大内陵)

HP: 参考サイト(Wikipedia:野口王墓)
住所: 奈良県高市郡明日香村大字野口
駐車場: 数台分あり


やや地味な印象の『文武天皇陵』

第42代天皇の『文武天皇陵』は、高松塚古墳から程近い場所にあります。

この「文武天皇(もんむてんのう。697年即位)」という方は、天武天皇と持統天皇の孫にあたり、母親は後に第43代天皇に即位する「元明天皇」です。在位中に「大宝律令」が発布されたりしたのですが、持統天皇を後見役としてわずか15歳で立位、24歳で夭折してしまったり、藤原家の娘と初めて娶ったりと、あまりいいエピソードが残されていない方です。

他の著名な皇族の方々は、パソコンで入力しても一発で変換されるのですが、この文武天皇は変換候補に出てきません(IMEを使用)。

さらに、現在の陵墓として指定されている「栗原塚穴古墳」ですが、実はこれは間違いで、八角墳の明日香村平田にある八角墳「中尾山古墳」が本物なんじゃないか・・・という説まであるそうですから、ある意味では「悲運の天皇」なのかもしれませんね(笑)


文武天皇陵@明日香村-01

第42代天皇の『文武天皇陵』の案内看板。高松塚古墳からほど近い位置にあります。失礼ながら、あまり華やかな活躍の記録が残っていない方のため、説明文も短めですね

文武天皇陵@明日香村-02
文武天皇陵の陵の名前は「檜隈安古岡上陵(ひのくまのあこのうえのみささぎ)」。周りを田んぼに囲まれた、とってものどかな場所にあります

文武天皇陵@明日香村-03
文武天皇陵の拝所。とにかく静かで、(背後は田んぼですが)厳かな雰囲気でした

文武天皇陵@明日香村-05
文武天皇陵の拝所を横から眺めたところ。ここも周囲をグルリと一周できるため、こんな珍しい角度から見ることができます

文武天皇陵@明日香村-07
文武天皇陵を少し離れてみたところ。古墳の形についての記述が見当たらないのですが、この直線的な感じからすると「方墳」なんでしょうか?



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■文武天皇陵(檜隈安古岡上陵)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県高市郡明日香村栗原
駐車場: 飛鳥歴史公園の駐車場を利用


明日香村唯一の前方後円墳『欽明天皇陵』

第29代天皇の「欽明天皇(きんめいてんのう。539年即位)」の陵墓とされているのが、明日香村平田にある『欽明天皇陵』(梅山古墳)です。

在位中に百済から仏教が伝来し、任那が滅亡した・・・という、かなり時代を遡った方ですね。推古天皇や用明天皇・敏達天皇・崇峻天皇の父にあたり、聖徳太子さんのお祖父さんとなります。仏教伝来によって、廃仏派の物部氏と崇仏派の蘇我氏の間で対立が起こるなど、動乱の時代に生きた方ですね。

すぐお隣にある「吉備姫王墓」には、近くから掘り起こされた奇石『猿石』もありますので、ぜひ飛鳥観光の際に立ち寄ってみてください。


欽明天皇陵@明日香村-01

『欽明天皇陵』の案内看板。奇石「猿石」からほど近い位置にあります。全長140mの、明日香村内では唯一の前方後円墳なのだそうです

欽明天皇陵@明日香村-02
欽明天皇陵の拝所。周囲も鬱蒼とした森になっています。こちらは濠が巡らせてあるため、周囲を歩いたりすることはできません

欽明天皇陵@明日香村-04
欽明天皇陵は、すぐ前に丘を登る石段があるため、天皇陵を高い位置から見下ろせるという、ちょっと珍しいスポットになっています。どことなく畏れ多いような気もしますが・・・

欽明天皇陵@明日香村-05
欽明天皇陵は、見事な前方後円墳。お濠に囲まれている様子といい、まさに一般的な天皇陵のイメージに近いものかもしれません



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■欽明天皇陵(檜隈坂合陵)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県高市郡明日香村平田
駐車場: 数台分あり






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