明日香村の石造物見学ツアーでは行く時間が無かったため、日を改めて「吉備姫王墓」内にある『猿石（さるいし）』を見てきました。

ここは観光ルートからはやや離れているため、これまで一度も来たことがなかったのですが、なかなかユニークな面白い石像でしたよ！

猿石は「吉備姫王墓」にあります

この『猿石』は、「欽明天皇陵」のすぐ隣にある「吉備姫王墓（きびひめのみこのはか）」の敷地内に置かれています。

この吉備姫王とは、すぐとなりに陵墓のある欽明天皇のお孫さんであり、孝徳天皇と皇極（斉明）天皇の生母というお方です。さすがに天皇陵クラスのものとくらべると、陵墓もやや小さめですが、この時代の女性が後世までちゃんと名前を残していること自体がすごいですね。

明日香村の奇石『猿石』の、かなりイージーな看板。猿石は「吉備姫王墓」の敷地内の置かれていて、正面には「欽明天皇陵」があります

吉備姫王墓。欽明天皇の孫であり、孝徳天皇と皇極（斉明）天皇の生母に当たる方のお墓なんですが、さすがにお隣のおじいさん（＝欽明天皇）のお墓とくらべると、かなり小さめ。大きな木が数本、こんもりと茂っています

墓名は「檜隈墓」。第30代の敏達天皇の皇子のお妃さまだったことが書かれています。もちろん、皇族関係のお墓ですから、ここも宮内庁の管轄になります

「吉備姫王墓」の説明看板。猿石についても少しだけ触れられていますが、すぐお隣の欽明天皇陵の南側の田んぼから掘り出されたものだと書かれています

表情がユニーク！ちょと癒されます

そして、お目当ての『猿石』です。

1702年に、すぐ近くの欽明天皇陵の南側の田んぼから発掘された人面像で、ここには計4体が祀られています（もう1体は、高取城跡への登山道の途中に置かれているのだとか）。

向かって左手から、「女」「山王権現」「僧（法師）」「男」と呼ばれていて、どれもかなり愛嬌のある表情をしているんですよね！特に「山王権現」は、ちょっと小太りないたずらっこのような表情で、どことなく大阪のシンボル「ビリケンさん」に似ています。

「僧（法師）」以外の3体は、二面石となっていて、背中部分にも顔が彫られているそうですが、残念ながらそれは見ることができません。

しかし、『飛鳥資料館』の庭には、このレプリカが置いてあって、背中側の様子などもじっくりと観察できるようになっているそうです。私も一度見ているはずなんですが、あまり記憶に無くて･･･。今回、改めてその魅力に気づかされましたので、またレプリカも見に行ってみたいと思います！

この猿石は、飛鳥のガイドマップには必ず掲載されているものなんですが、まだ見たことが無い方も多いのではないでしょうか？ゆるい表情に癒されますので、ぜひ実際にご覧になってみてください！

よーく見ると、鳥居の向こう側に、ちょっと風変わりな石造物があることが分かります。計4体あるのですが、彼らの総称が『猿石』です。それぞれちゃんと名前が付けられています！

向かって左手にいらっしゃる2体。手前側が「山王権現」で、奥側が「女」。猿石なんて呼ばれていますが、決して猿をかたどった石造ではないのです！

この「山王権現」さん、かなり味のある石造なんですよね！ひょうきんな表情・出っ張ったお腹、そしてしっかりと男性のシンボルまで作られていて、愛嬌があります。彼のフィギュアがあったら欲しいです！

夕方のため、影がかかって申し訳ないですが･･･、こちらが「女」さん。女というには、あまりにも爬虫類的な表情に見えますが･･･、何かブラックな隠喩でも込められているんでしょうか？

向かって右手にいらっしゃる2体は、手前から「僧（法師）」と「男」。うーん、なかなか悪い顔をしてますね（笑）

猿石たちは、こんな風に無造作に置かれています。近くから発見された石像だというのは分かりますが、何でまたここに祀られるようになったんでしょうね？

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■猿石（吉備姫王墓）

ＨＰ:　参考サイト（Wikipedia）
住所:　奈良県高市郡明日香村平田
電話:　0744-54-5600（明日香村 文化財課）
駐車場:　数台分あり