2017-06-17

上村松園から三代の日本画を展示『松柏美術館』@奈良市

上村松園から三代の日本画を展示『松柏美術館』@奈良市

奈良市登美ヶ丘の『松柏美術館』は、上村松園・松篁・淳之の、母子三代の作品を展示する美術館です。作品が素晴らしいのはもちろん、近鉄名誉会長だった故佐伯勇さんの邸宅跡に設けられており、大渕池の眺めも美しい松が植えられたお庭も見事!感動しました!


大渕池のほとりに立つ美しい美術館

奈良市登美ヶ丘の閑静な住宅街の中に建つ『松柏美術館(しょうはくびじゅつかん)』(Wikipedia)。

奈良と縁の深い上村松園(うえむらしょうえん)・松篁(しょうこう)・淳之(あつし)、母子三代にわたる作品や草稿、写生などの寄贈を受け、近畿日本鉄道株式会社の基金をもとに、1994年3月に開館した美術館です。

松柏美術館は、近鉄名誉会長だった故佐伯勇さんの邸宅跡に設けられています。美しい「大渕池」のほとりに建ち、お庭には美しい松が植えられているなど、本当に素晴らしいロケーションで、入館する前から感動しました!


松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-01

奈良市登美ヶ丘にある『松柏美術館』。上村松園・松篁・淳之の三代の日本画家母子の作品を収蔵しています。この日は快晴の土曜日、さらに特別展の会期末ということもあって、開館直後からたくさんの入館者が訪れていました

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-02
松柏美術館は、秋篠川の源流でもある「大渕池」のほとりにあります。大きな邸宅が立ち並ぶ高級住宅街の中でも、最高のロケーションの一等地ですね

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-03
美術館の建物の周囲は庭園となっていて、美しく松が植わっています

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-04
松の並木を抜けた水辺からは、大きな大渕池が広がり、その中央にとおる橋も見えます。松の木・大きな池・橋とそろうと、(語弊のある言い方ですが)どこか奈良っぽくない景色ですね。滋賀や京都のような雰囲気もあって気持ちよかったです!

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-05
『松柏美術館』の建物。緑ゆたかな土地の中で、急に近代的な入口が現れてちょっと驚きますが、中に入ると明るい光が差し込む素敵な空間でした。それほど規模は大きくありませんが、見ごたえあります!


日本画家一家、上村松園・松篁・淳之

ごく簡単に説明すると、上村松園・松篁・淳之のお三方は、それぞれこんな特徴を持ちます。


●上村松園(しょうえん)1875-1949(Wikipedia
京都の商家に生まれ、生涯を通じて気品ある女性像を描き続け、近代美人画を確立させた女流画家

●上村松篁(しょうこう)1902-2001(Wikipedia
松園の息子であり、日本画壇の革新を続けた画家。奈良のアトリエに設けた大規模な鳥小屋の鳥を観察し、画題とした

●上村淳之(あつし)1933- (Wikipedia
松篁の息子であり、花鳥画を得意とする日本画家。奈良市在住で、松伯美術館の館長も務める。父と同様に鳥を描いた作品で知られている


もっとも有名なのは、女性として初めて文化勲章を受章した松園さんでしょう。江戸末期から明治時代にかけての、凛とした強さとともに、はかなげな雰囲気が漂う女性像を描き続けた方で、今でもたくさんのファンがいらっしゃいます。

その息子さんの松篁さんは、作風を少しずつ変化させながらも、一貫して花鳥画を描き続けた方。淳之さんは鳥の絵で有名な方で、平城宮跡に復元された第一次大極殿に「四神」や「十二支」の壁画を描いたことでも知られています。


百年の流れを見る『上村松園・松篁・淳之展』

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-06

この日、拝見したのは『上村松園・松篁・淳之展 ~三代に見る日本画百年の流れ~』(2017年3月22日~6月25日)でした。お三方の作品が制作年代順に展示され、大まかな作風の移り変わりなどがみられました。

松園さんの作品では、代表作のひとつでもある「花がたみ」が見られたのが嬉しかったです。狂女を美しく描いた作品ですが、静けさの中に普通ではない風情があり、思わず後ずさりしてしまうような迫力がありました。また、松園さんの作品の制作過程がわかる下絵が多数展示されていたのも興味深かったです。

また、松篁さんの戦後に書かれた作品群「青柿」「樹蔭」なども良かったです。時代ごとに作風は少しずつ変わっていきますので、その変遷が見られて面白かったですね。

展示してあった作品点数は30数点ですが、さらに下絵・素描なども多数あり、とても見ごたえがありました!


村野藤吾さん設計の「旧佐伯邸」も

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-07
松柏美術館の敷地は、近鉄名誉会長だった故佐伯勇さんの邸宅跡です。旧佐伯邸もそのまま遺されていて、こんな説明がありました。「この建物は、昭和四十年に佐伯勇氏の自宅として、設計 村野藤吾氏、施工 大林組により建てられた。庭は小島佐一氏の作庭である。平成元年に佐伯勇氏が逝去し、平成六年三月の美術館開館後も建物は閉鎖していたが、平成十年四月から土・日・祝日に限り、内庭を一般公開し、抹茶を楽しめるようにした、それと平行して「伯泉亭」の利用も可能とした。」

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-08
門をくぐってお庭を少しだけ拝見したところ。お庭を眺めながら「お抹茶」(500円)などがいただけます(開館日の土日祝のみ。11時~15時)。建物の内部には入れないようですが、村野藤吾さんが設計した名建築ですから、いつか機会があれば拝見したいですね!

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-09
旧佐伯邸の周りはぐるりと歩けるようになっていて、大渕池側のお庭から眺めたりできます

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-10
さらに、敷地内の小高い丘にはこんな竹林があって、その間を散策できるようになっていたり……

松柏美術館 @奈良市登美ヶ丘-11
旧佐伯邸を見下ろしたりもできます。「こんなところに住んでみたい!」と憧れるような素敵なお宅でした!



■松柏美術館

HP: http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/shohaku/
住所: 奈良市登美ヶ丘2丁目1番4号
電話: 0742-41-6666
定休日: 月曜日(祝日の場合は次の平日)、年末年始、展示替期間
営業時間: 10:00 - 17:00
入館料: 大人 820円、小中学生410円(※特別展は 大人1,030円、小中学生510円)
駐車場: あり(11台分。無料)
アクセス: 近鉄奈良線「学園前駅」から、5・6番のりばよりバスに乗車(約5分)、「大渕橋(松伯美術館前)」を下車すぐ

※駐車場の台数に限りがあります。公共交通機関の利用が推奨されています。


■参考にさせていただきました

松伯美術館 - Wikipedia


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