2021-07-26

写真撮影可!特別展『奈良博三昧』が楽しい!@奈良国立博物館

写真撮影可!特別展『奈良博三昧』が楽しい!@奈良国立博物館

奈良国立博物館の特別展「奈良博三昧 -至高の仏教美術コレクション-」(2021年7月17日~9月12日)。奈良博コレクションの中から合計246件(うち国宝13件・重文100件)が展示されるという豪華さで、しかもすべての展示作品は撮影可能です!作品の細部を撮影して後から見直せるようにしたり、通常の企画展とはまた違った楽しみ方ができました!


日本仏教美術1400年の歴史をたどります

奈良国立博物館」(Twitter)で、特別展「奈良博三昧 -至高の仏教美術コレクション-」が開催中です(2021年7月17日~9月12日)。

奈良博の約2,000件にのぼる館蔵品は、仏像・仏画・写経・仏教工芸などの優れた作品が多く、“仏教美術の殿堂”と呼ぶにふさわしいラインナップです。

今回の特別展では、奈良博コレクションの中から合計246件(うち国宝13件、重文100件)を展示し、日本仏教美術1400年の歴史をたどるという、豪華な内容となっています。

また、今回はすべての展示作品や解説パネルなどが撮影可能ということも話題になっています。私たちもカメラを片手に楽しんできました!


【余談】なら仏像館も一時は撮影可でした

じつは2010年、奈良国立博物館の本館が「なら仏像館」へとリニューアルされた際、一時的に展示品の写真撮影が可能だった時期がありあました。


しかし、2011年12月末から再び写真撮影は不可となりました。撮影者が一般の観覧者の邪魔となってしまったことが原因と思われます。

東京国立博物館などでは、館蔵品は基本的に撮影可能となっていますから、これに準じて欲しい思いもありますが、なら仏像館は東博ほど通路が広くないこともあり、それも難しかったのでしょう。

そんな経緯もあり、今回の特別展を写真撮影可能として企画していただいたことは、個人的にはとても喜んでいます。撮影した写真はいい記念になりますし、嬉しい限りです!


三脚の使用、動画撮影などは禁止

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-01
特別展「奈良博三昧(ならはくざんまい)」のメインビジュアル。館蔵品の仏教美術を全面に押し出しながら、現代美術展のようなポップなデザインが目を引きます。チャレンジングな企画ですね!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-02
「奈良博三昧」の撮影についての注意書き(詳しくはこちら)。フラッシュや三脚の使用、動画の撮影などは禁止されていますが、撮影した写真のSNSなどへの投稿も認められています。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-03
特別展「奈良博三昧」の会場の様子。この日は会期が始まって最初の平日でしたが、混雑もなくのんびりとしていました。スマホのシャッター音が耳障りなほどではなく、カメラで撮影の方も展示品の正面をずっと占領することもなく、とても快適でした。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-04
展示は全10章。日本仏教の黎明期から、密教や浄土教、神仏習合など、幅広い内容です。こちらは第1章「ブッダの造形」の展示品「出山釈迦如来立像」(14世紀)。激しい修行で痩せこけた姿が目を引きます。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-05
こちらは国宝「刺繍釈迦如来説法図」(7~8世紀)です。絵画やこういった作品は、どうしてもガラスケースに光が反射して映り込むため、きれいに撮影しようと思ってもなかなか難しいです。
ちなみに、カメラやスマホのレンズをガラス面に接触させての撮影は禁止されていますので、お気をつけください。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-06
こちらはミラーレスカメラで一部を拡大して撮影したもの。飛鳥時代ごろに制作された大きな刺繍で、これだけ見事な状態で現存していることが見て取れます。
「撮影に夢中になってしまって作品観賞が疎かになる」という懸念もありますが、自分の気になったところを、こうして後からでも見直せるのは嬉しいですね。写真撮影ができない展示とは、また違った楽しみ方ができました。


「奈良博三昧」で撮影した仏像画像

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-07
以下、この日撮影してきた写真の一部をご紹介します。こちらは、重文「十一面観音菩薩立像」(8~9世紀)。細かい説明は省きますが、撮影しながらの観賞は本当に楽しかったです!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-08
重文「如意輪観音菩薩坐像」(9~10世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-09
「五大明王像」(10~11世紀)

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国宝「薬師如来坐像」(9世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-11
上と同じお薬師さまです。明治時代初頭まで、京都東山の若王子社に伝わったお像。まさに美仏!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-12
「伽藍神立像」(13世紀)。かつては「走り大黒」と呼ばれていました。禅宗寺院に祀られるお像で、修行を怠るものがあれば駆けつけて釘を差して懲らしめるのだとか!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-13
重文「愛染明王坐像」(1256年)。快成作で興福寺伝来。東大寺大仏殿の再建に関連する木材を用いているとか。鮮やかに赤が残っていて、本当に美しいです。スマホのホーム画面に設定してお側にいてほしくなりますね!


経典や工芸品などの画像たち

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-14
国宝「蓮唐草蒔絵経箱」(12世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-15
国宝「金光明最勝王経巻第一(国分寺経)」(8世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-16
国宝「尺牘(久隔帖)」(813年)。伝教大師・最澄さん直筆!空海のもとで修行している弟子・泰範に宛てたもので、漫画「阿吽」ファンとしては大感激です!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-18
国宝「牛皮華鬘」(11世紀)。堂内を飾った牛皮製の荘厳具。迦陵頻伽(かりょうびんが)の部分をアップで撮っても、これだけの美しさ!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-19
重文「大般若経厨子 附大般若経」(12世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-20
転法輪筒(12世紀)

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-21
国宝「地獄草紙」(12世紀)。さまざまな地獄の様子を描いた絵巻の名品。展示は前期のみ。後期からは、これもすざましい国宝「辟邪絵(へきじゃえ)」に切り替わります(しかも、全5場面が同時公開!)。前期後期どちらも見たい!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-22
国宝「日本書紀 巻第十(残巻)」(9世紀)。720年に完成した日本書紀の、現存最古の写本で、「応神天皇記」の本文を伝えるもの。裏面が空海の詩文集「性霊集」の写本(※少しだけ見えるように展示してあります)というすごい品!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-23
奈良県五條市の五條猫塚古墳で出土した「蒙古鉢形眉庇付冑」(5世紀)など、古代の品々も展示されています。こちらは以前も拝見していますが、よくこの状態で残っているなと驚きますね。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-24
ミュージアムショップの前には、記念撮影スポットもあります。ぜひ!


なら仏像館も一部は写真撮影可能です

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-25
また現在、なら仏像館で特別公開中の「金峯山寺仁王門 金剛力士立像」は、写真撮影が可能です(詳しくはこちら)。

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-26
間近からこんなアングルで撮影したり。カメラ好きな方はこちらもお見逃しなく!

特別展『奈良博三昧』@奈良国立博物館-27
さらに、なら仏像館に併設されている「青銅器館」は、すべての作品が撮影可能です(紹介記事)。ここの展示品たちは造形美がすごくて、個人的に大好きです。写真の「鳳凰文ユウ」は、なんと紀元前11~10世紀ごろのもの!古代中国には宇宙人でも飛来していたのか……と思ってしまうほどのすごいデザインです。こちらもぜひ!



■奈良国立博物館

HP: http://www.narahaku.go.jp
Twitter: @narahaku_PR

住所: 奈良県奈良市登大路町50番地
電話: 050-5542-8600(ハローダイヤル)
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から、市内循環バス外回り(2番)「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ(近鉄奈良駅から徒歩約15分)


●特別展「奈良博三昧 -至高の仏教美術コレクション-」

HP: https://narahaku-zanmai2021.jp/
会期: 2021年7月17日(土)~9月12日(日)
※展示替えあり(前期 7/17~8/15、後期 8/17~9/12)
休館日: 毎週月曜日(※8月9日(月・祝)は開館)
開館時間: 9:30~18:00(※土は19:00まで)
観覧料: 大人 1,500円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 500円(※前売券は各200円引き)

※実際に拝観したのは「2021年7月20日」でした。


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