2020-11-18

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)

田原本町の『唐古・鍵考古学ミュージアム』で開催中の企画展「よみがえる弥生の祭場」(10/24~12/6)。主に唐古・鍵遺跡と清水風遺跡から出土した、素朴な絵が描かれた「絵画土器」が大量に展示されています。両手を広げた乳房のあるシャーマンらしき人物だったり、貴重な食料だった鹿だったり。知識なしでも楽しめる、渋くて楽しい展示内容でした!


大量の「絵画土器」を展示中

田原本町の図書館やホールなどの複合施設「田原本町生涯学習センター」その2階に『唐古・鍵考古学ミュージアム』があります。

この日は、開催中の企画展「よみがえる弥生の祭場 ─唐古・鍵遺跡と清水風遺跡─」(2020年10月24日~12月6日)。

展示の中心となるのは、素朴な絵が描かれた「絵画土器」たち。唐古・鍵遺跡と清水風遺跡は、絵画土器の出土数が全国1位と2位を占める弥生時代の遺跡とのことで、乳房のあるシャーマンの絵画土器など、貴重な出土品が見られました!


企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-01

近代的な「田原本町生涯学習センター」の建物。この2階にある『唐古・鍵考古学ミュージアム』では、田原本町にある日本を代表する弥生時代の環濠集落「唐古・鍵遺跡」(ミュージアムからは車で5分ほど)から出土した考古資料を中心に展示しています

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-00

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 共同企画展

唐古・鍵遺跡と、その北部に隣接する清水風遺跡は、絵画土器の出土数が全国1位と2位を占める弥生時代の遺跡です。昨年度に田原本町が実施した清水風遺跡の発掘調査では、乳房表現のあるシャーマンの絵画土器が出土しています。

今回の企画展では、唐古・鍵考古学ミュージアムと奈良県立橿原考古学研究所附属博物館が連携し、これまでの発掘調査で出土した清水風遺跡の絵画土器や、県内の各遺跡から出土した絵画土器等を一堂に集め、弥生時代の「マツリ」の実像にせまります。

公式ページより

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-02
企画展はミュージアム向かいの特別展示室で開催されています。入口では両手を広げたシャーマンの像がお出迎えしてくれます。

ちなみに今回の主役「清水風遺跡」は、一般的な集落とは違って「石器や木製品などの出土数と比較して、出土した土器の量が膨大」という特徴があります。このため、巨大集落だった唐古・鍵遺跡の人々がここへ祭具を持ち込み、マツリを行った祭場と考えられるのだそうです

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-03
こちらは、清水風遺跡から出土した絵画土器で、鹿や建物が描かれています。
私たちなどは素人ですから、その詳しい特徴や価値などはわかりませんが、土器に描かれるような素朴な絵が大好きで注目していました。絵としては稚拙なんですが、そこに祈りや精神性が込められているようで、見ているだけで楽しいです!

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-04
両手を挙げた人物が描かれた絵画土器。胸の部分には鹿が描かれており、両袖が広がったような衣装を着ているようです。入口で出迎えてくれたシャーマン像の原型になったのでしょう

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-05
こちらも両手を広げた人物が描かれていますが、こちらは乳房らしき表現があります。女性を表現しているものでしょう。袖部分の線が細かく書き込まれているのも面白いですね

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-06
また、今回は「奈良県立橿原考古学研究所附属博物館」との共同企画展ということで、橿考研などが所蔵している芝遺跡や坪井遺跡などの絵画土器も多数展示されています

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-07
唐古・鍵遺跡の発掘にも深く関わり、アマチュア考古学者ながら日本の考古学の発展に多大な貢献があった「森本六爾(もりもとろくじ)」さん(Wikipedia)が採集した絵画土器なども展示されています。複雑な文様はとても美しいものですので、ぜひ会場でご覧ください!


常設展も見やすく楽しめる内容です

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-09
また、唐古・鍵 考古学ミュージアムは常設展も見どころが多いです。調べてみたところ、私たちは以前に拝観にきたのが2012年のことでした(過去記事)。その後、大々的にリニューアルが行われていて、より見やすく楽しい展示内容になっていました!

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-10
入ってすぐ、唐古・鍵遺跡のジオラマがあったり、

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-11
展示室の中央には、宝石でも陳列しているかのようなガラスケースがあり、

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-12
(ピンボケでごめんなさい)その中には、くるっと丸まったパーツが印象的な建物が描かれた絵画土器などが展示されています

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-08
この絵画土器をもとに、唐古・鍵遺跡には「復元楼閣」が建てられています(※写真は以前に撮影したもの)。田原本町のシンブルにもなっています

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-13
さらに、常設展にもさまざまな絵画土器の展示があったり、

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-14
さまざまな形の土器や木製品の展示があったり。

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-15
石を割って石器を作るお母さんとそれを見守る子どものフィギュアがあったり。至るところに分かりやすく伝える工夫が見られます。個人的にとても楽しめました!

企画展「よみがえる弥生の祭場」@唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本町)-16
埴輪コーナーもありますよ!


■企画展「よみがえる弥生の祭場」

会場: 田原本青垣生涯学習センター 2階会議室(特別展示室)
会期: 2020年10月24日(土曜日)~12月6日(日曜日)
拝観料: 企画展のみ 200円、常設テントの共通券 300円


■唐古・鍵考古学ミュージアム

HP: http://www.town.tawaramoto.nara.jp/karako_kagi/museum/
住所: 奈良県磯城郡田原本町阪手233-1(田原本町生涯学習センター2階)
電話: 0744-34-7100
休館日: 月曜日
開館時間: 9:00~17:00
駐車場: 多数あり(無料)
アクセス: 近鉄「田原本駅」「西田原本駅」から徒歩約20分


■関連する記事






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ