2011-06-27

芸能の神を祀る『天河神社(天河大弁財天社)』@天川村

芸能の神を祀る『天河神社(天河大弁財天社)』@天川村

パワースポットとして有名な、天川村の『天河神社(天河大弁財天社)』へお詣りしてきました。日本三大弁財天の一つと称し、芸能の神様を祀っているため、芸能関係者の方から信仰されることでも有名です。夕暮れ近い静かな時間に、神さびた空気を体験できました。


芸能人がこぞって参詣する古社です

奈良県天川村にある『天河神社(天河大弁財天社)』は、飛鳥時代に創建されたとされる古社です。

主祭神は「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」。アマテラスとスサノオの誓約(うけい)の際に生まれた水の女神で、神仏習合により「弁財天」として信仰されてきました。諸説はあるものの、厳島・竹生島とともに「日本三大弁財天」の一つと称されているそうです。

天河神社は「芸能の神(水の神=水商売の神)」として崇められ、現在も芸能関係の参拝者が多いことで知られています。著名人からの寄進があったり、行事の際にはアーティストの演奏奏上なども行われています。

中でも、今もっとも有名なのは、奈良県出身のアーティストである「KinKi Kids」の堂本剛さんでしょう。2011年4月に発売されたソロ名義の『縁を結いて』(えにをゆいて)という曲では、天河神社に滞在中に歌詞の原型を書き、ミュージックビデオもここで撮影したのだそうです(詳しくはこの記事をご覧ください)。

堂本剛さんは奈良県奈良市の出身ですが、お父さんが吉野出身(野迫川村?)ということもあり、幼い頃からこの辺りにはよく来ていたのだとか。

この他にも、私の知る限りでは、「ガラスの仮面」などで有名な漫画家・美内すずえさん、作家・田口ランディさん、角川書店の角川春樹さんなどがこの場所に魅了され、その模様を文章にしたり、寄進を行ったりしています。田口ランディさんの著書『水の巡礼』を拝読しましたが、聖地の魅力に気付かされた場所として、数あるパワースポットの中で真っ先に紹介されていました。

また、天河神社にまつわるエピソードとして、「しかるべき時・しかるべき状態でないとお詣りできない」と噂されているのだとか。参拝できないパターンの時には、体調万全で臨んでも急に天候が崩れて辿りつけなくなってしまったり、途中で体調が優れなくなり、参拝を諦めた途端にケロッと治ったりするそうです。これは「時期尚早」の合図なんでしょうね。

私にはパワースポットやスピリチャルなことは分かりませんが、背後に神聖な修行の場とされてきた「大峰山」が控える宗教的聖地であり、古くから人々が大切に守り続けてきた大切な場所であることは間違いありません。実際にその場に立ってみて、その空気感を体験してみてください。


神さびた凛とした空気が感じられます

天河神社へのルートは、国道309号線をずっと南下し、天川村役場方面の53号線へ入って数kmです。一応の最寄り駅である、近鉄吉野線「下市口駅」からは約30km、車でも1時間~1時間半はかかるでしょう。途中にはかなり細めの道も多いため、運転には十分に注意が必要です。

この日の私たちは、夕方近くに到着したため他の参拝客の姿も見えず、本当に静かでした。ひっそりと神さびた雰囲気が感じられます。

立派な拝殿には、能楽を奉納できる舞台もありました。能楽の発祥の時から深く関わってきたとされる、天河神社らしい造りですね(詳しくは「天河社と能」を参照してください)。


天河大弁財天社@天川村-01

『天河神社(天河大弁財天社)』の鳥居。古くから芸能の神様として祀られてきた古社です。この日はもう夕方近くにお参りしたため、他の参拝客の方はいらっしゃらず、ますます神さびた雰囲気でした

天河大弁財天社@天川村-02
やや離れて境内を見渡したところ。高い位置に拝殿などが建っています。また、逆側には宝物館がありました。駐車場に隣接(ほぼ同じ敷地)して「ペンションミルキーウェイ」という宿泊施設があったりします

天河大弁財天社@天川村-03
拝殿へ続く石段。凛とした雰囲気を感じます

天河大弁財天社@天川村-05
拝殿の建物はかなり大きめ。玉石が敷き詰められた場所も、ちゃんと屋根に覆われています。拝殿の鈴(お参りの時に鳴らすガラガラです)は、三つの球形の鈴が組み合わさった「五十鈴」という特徴的なもの。これがさらに2つ重なっていて、かなりの重さでした

天河大弁財天社@天川村-06
拝殿の奥には、かすかに本殿が見えます。薄暗い拝殿に光が差し込む様子は、とても神々しいものでした

天河大弁財天社@天川村-04
拝殿内、本殿の正面には立派な「能舞台」が設けられています。天河神社は、能楽の発祥の頃より深く関わっており、現在も素晴らしい能面などを多数所蔵しているとか。また、この舞台ではアーティストの演奏奉納なども行われるようです

天河大弁財天社@天川村-07
拝殿の一角

天河大弁財天社@天川村-08
参道の石段脇に鎮座する五つの社殿。手前から、龍の化身「龍神大社」、森本神社御祭神「大将軍大神」、天照大御神の別名「大日孁貴神」、菅原道真公の「天神大神」、琵琶山の地主守神「大地主大神」と祀られています

天河大弁財天社@天川村-09
「天石」という聖なる石の一つ。「大峯弥山を源流とする清流は天の川にそそがれ坪内(壷中天)で蛇行し、その形は龍をしのばせる。鎮守の森、琵琶山の磐座に辨財天が鎮まり、古より多くの歴史を有す。この地は『四石三水八ツの社』と言われ、『四つの天から降った石、三つの湧き出る清水、八つの社』に囲まれし処とされ、神域をあらわす。その内三つの天石を境内に祀る。」という説明がありました

天河大弁財天社@天川村-10
天河神社の手水舎

天河大弁財天社@天川村-11
手水鉢には、龍の口から清らかな清水がとうとうと流れ出ていました


独特な節分や夏の例大祭にお詣りを

この日は、ほんのわずかな時間しか滞在できませんでしたが、天河神社では、ちょっと変わった行事などもあり、またその時に参拝したいと思います。

●天河社社家は、役行者のお供「前鬼・後鬼」の子孫と伝えられているため、節分は鬼を迎え入れる儀式となります。2月2日には「鬼の宿」、3日には「節分祭」が行われます。

●7月17日には、天河神社の最大の行事「例大祭」が行われます。修験道や神仏習合の伝統にのっとった法要で、この日だけは本殿がご開帳され、能楽の奉納も行われます。


天河大弁財天社-ご朱印

天河大辨財天社の御朱印です。夕方の遅い時間に、御朱印帳ではなく別紙でいただいたため、日付だけ後から入れてありますね(笑)



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■天河神社(天河大弁財天社)

HP: http://www.tenkawa-jinja.or.jp/
住所: 奈良県吉野郡天川村大字坪内
電話: 0747-63-0558
主祭神: 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
創建: 飛鳥時代
拝観料: 境内自由
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「下市口駅」から、奈良交通バス中庵住行き「天河大弁財天社」下車(約70分)すぐ

※この日は、天川村の魅力に傾倒している「奈良旅手帖」の作者・生駒あさみさんと同行させていただきました。詳しいお話を伺えて参考になりました。ありがとうございました!


■参考にさせていただきました!

天河大弁財天社 - Wikipedia
天河神社 tenkawa
イチキシマヒメ - Wikipedia


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