2009-07-19

滝行もあり!役行者さん縁の山寺『龍泉寺』@天川村

龍泉寺@吉野郡天川村

天川村では、洞川温泉近くにある『龍泉寺』さんへ参拝してきました。

役行者さん縁のお寺で、修験者の山岳修行の出発点となっていたところです。本堂を守る迫力満点の「前鬼・後鬼像」や、水行を行うための滝があったりと、山寺の魅力あふれるいいお寺でした!


清めの水が湧き出る、修験道の根本道場

天川村の龍泉寺さんの情報は、ネット上にはそれほど多くありませんが、吉野を中心に活躍(?)したスーパーマン「役行者(えんのぎょうじゃ)」さんが、あえて厳しい自然の中に開いた山寺です。


今から千三百年の昔、大峯の山々を行場として修行された役行者が、山麓の洞川に憩われたとき、こんこんと湧き出る泉を発見しました。龍の口を名付けて、そのほとりに小堂を建て、八大龍王をお祀りされたと伝えられます。それが龍泉寺の始まりです。それから200年後、龍泉寺の1キロ上流の蟷螂の岩屋に雌雄の大蛇が住みつき、修験者たちに危害を加えました。そのため、一時大峯修行を志す人が絶えて、龍泉寺も荒廃してしまいました。修験道中興の祖、聖宝・理源大師が、真言の秘法によって岩屋の大蛇を退治し、龍泉寺を再興したと伝えられています。

龍の口から湧き出る清水は、役行者以来、今も絶えることなく清冽な流れを境内にたたえ、修験者の清めの水として大峯山中第一の水行場となっています。

龍泉寺は真言宗醍醐派の大本山として多くの信者を集めておりますが、洞川から登る修験者は、宗派を問わず、龍泉寺に詣で、水行の後、八大龍王尊に道中安全を祈ってから、山上ヶ岳に向かうしきたりとなっています。修験道の根本道場として信者、登山者の必ず訪れる霊場です。境内、竜の口より湧き出る清水をたたえた大峯山中第一の水行場があり、本尊弥勒菩薩、八大龍王、役の行者尊は、全国信者の尊崇を集めています。また、近畿三十六不動尊第三十一番の礼所でもあります。

「天川村役場」HPより


その境内は、とにかく水場が豊富で、山寺らしい厳かな雰囲気があるいいお寺でした。事前に何の情報も調べずにお邪魔したのですが、見どころ満載です!


龍泉寺@天川村-01

天川村の洞川温泉街近くにある『龍泉寺』さん。この地にこんこんと湧き出る泉を発見した役行者さんは、その泉を「龍の口」と名付け、八大龍王尊を祀る小さなお堂を建てたのが始まりと伝えられています。今でも山伏の修行の場として、滝行も行われているそうです

龍泉寺@天川村-02
「経門」をくぐってすぐ右手には、「大峯山第一水行場」が。修験者さんたちはここで身を清めてから、さらに山上の修行場へと向かいます。奥に見える銅像は、お不動さんと役行者さんです

龍泉寺@天川村-03
きれいな水が湧き出る土地に建てられたお寺だけに、境内にはそこかしこに水場があります。今の季節は気持ち良さそうに見えますが、冬場の修行は大変でしょうね


本堂前の「前鬼・後鬼」像がスゴイ!

龍泉寺さんの「本堂」は、1960年に再建されたもの。ご本尊は弥勒菩薩像で、そのお隣にいらっしゃる不動明王像は「近畿三十六不動尊」の札所になっています。

しかし、それよりも目を惹いたのは、本堂前を守る前鬼・後鬼の像でした!

彼らは、役行者さんに従っている鬼の夫婦(!)です。役行者像の脇に小さく作られているものはよく見かけますが、ここまで大きく、そして禍々しいほど力強い像は初めて見ました。お似合いの「強面夫婦」ですね(笑)


龍泉寺@天川村-04

龍泉寺の「本堂」前。1946年の大火で焼失したのですが、1960年に再建されたのだそうです

龍泉寺@天川村-06
龍泉寺の本堂を守るのは、役行者さんにお仕えしていた前鬼・後鬼のお二方。ちなみに、この二人はご夫婦(!)で、こちらは旦那さんの前鬼さんです。陰陽の陽を表し、手にする鉄斧で道を切り開く役割なのだとか。凛々しいですね!

龍泉寺@天川村-05
こちらは、陰陽の陰を表す、前鬼さんの奥さま「後鬼」さん。霊力のある水が入った水瓶を持っていて、実際には青鬼なんだそうです。とにかく迫力のある奥さまでした!

龍泉寺@天川村-07
龍泉寺の本堂前。連休中ということもあり、こんな山奥のお寺にもかかわらず、境内にはたくさんの参拝客の姿がありました

龍泉寺@天川村-08
本堂に祀られていた「不動明王像」。「近畿三十六不動尊」の31番札所になっています。お隣にはご本尊の「弥勒菩薩像」もいらっしゃいました


「山伏修行一日入門」もやってます

また、本堂には「大峯山山伏修行一日入門日程表」が貼ってあったり、荒々しい石仏が並んでいたりと、山寺らしい雰囲気は随所に感じられます。

私もぜひ「山伏体験(参加費:10,500円)」をしてみたいんですが(半分本気です)、腰痛持ちなので自信がなくて・・・。修行を体験したい方はぜひどうぞ!


龍泉寺@天川村-09

本堂に貼ってあった「大峯山山伏修行一日入門日程表」。初日の夕方、龍泉寺さんでの水行に始まり、二日目は朝2時起床!暗いうちから登山がスタートし、4時間以上かけて山頂の本堂へ向かう・・・という、何とも厳しい修行のようです!

龍泉寺@天川村-10
龍泉寺さんの手水舎。新しいようですが、かなりシンプル。水場で身を清められない方は、ここでどうぞ

龍泉寺@天川村-11
本堂脇にあった、火の行を行うスペース。たくさんの石仏が目を惹きますが、大きな剣に姿を変えたお不動さんの像もいい味を出しています!

龍泉寺@天川村-12
自然の巨岩の前に並んだ石仏たち。山寺らしい厳かな雰囲気が感じられます

龍泉寺@天川村-13
その隣にある「竜の口洗浄水」。ここは神聖な水が湧き出る泉であり、水行を行う場所ではありません

龍泉寺@天川村-14
龍泉寺さんの「八大龍王堂」。ぜひご本尊を見ておきたいところですが、厨子は閉まってました。山伏姿の方たちが集まって、お祈りをしていましたが、山頂の「大峯山寺」へ参拝に行ってきた帰りだったのかもしれませんね

龍泉寺@天川村-15
「八大龍王堂」の裏手には、こんな広々とした「心字池」がありました。龍が住んでいたと言われているだけあって、とにかく水場が豊富です

龍泉寺@天川村-16
何の説明も無かったので、いわれはサッパリ分かりませんが、ヘビーな鉄下駄と巨大な錫杖(しゃくじょう)がありました。京都・清水寺にも同じようなものがありますね。鉄下駄は、とにかく指が千切れそうなほど重いです!


「滝行」の瀧なんて初めて見ました!

また、龍泉寺さんの「八大龍王堂」から少し山側には、「滝行」の場がありました。滝行なんて、テレビなどではたまに見かける光景でしたが、実際にその場所を目にしたのは初めてでした。

気候条件などにもよるのかもしれませんが、それほど大きな滝ではありませんでしたので、ここなら一般人でも滝に打たれることもできるかもしれませんね(誰でもどうぞ・・・というものでは無いと思いますが)。これもいつかは挑戦してみたいと思います!


龍泉寺@天川村-17

山側へと続く短い石段。この奥に広がる「龍泉寺の自然林」は奈良県の天然記念物に指定されているそうです。また、この奥から吊り橋「かりがね橋」へと続く自然歩道がありますので、高いところがお好きな方はぜひ!

龍泉寺@天川村-20
簡素な木の柵で目隠しされるようにあった「滝行」の場。よくテレビなどで滝に打たれるシーンは見かけますが、実際にその場所を見るのは初めてかもしれません

龍泉寺@天川村-18
「瀧場脱衣所」の文字と、男性用・女性用の扉。ここで行衣に着替えて「滝行」に挑むのです!

龍泉寺@天川村-19
滝行スポット。水量はそれほど多くは無く、夏なら気持ちいいくらいかもしれません。しかし、他の季節になると・・・、想像するだけで身震いしそうですね


洞川温泉に入った足で参拝できます

初めてお邪魔した龍泉寺さんは、とても静かでいいお寺でした。洞川温泉街もとてもいい雰囲気ですし、かなり交通の便は悪いですが、機会があったらぜひ立ち寄ってみてください。温泉に入った足でお寺巡り・・・なんて、なかなか他では出来ませんよ!


龍泉寺@天川村-21

龍泉寺さんは、どこを見ても静かな雰囲気で、とても落ち着くお寺です。寺務所などの建物も簡素でいいですね

龍泉寺@天川村-22
赤い葉っぱの木が多いため、真夏なのに紅葉シーズンのような雰囲気です

龍泉寺@天川村-23
境内の隅のちょっとした水の流れもいい雰囲気ですね!

龍泉寺-ご朱印
龍泉寺さんでいただいたご朱印です。しっかりとした字体ですが、どこか筆ペンぽい感じかも?



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■龍泉寺(大峯山)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県吉野郡天川村洞川494
電話: 07476-4-0001
宗派: 真言宗醍醐派(大本山)
本尊: 弥勒菩薩像
創建: 8世紀ごろ(伝)
開基: 役行者
拝観料: 境内は無料
拝観時間: 不明
駐車場: 無料駐車場あり

※「近畿三十六不動尊」の31番札所


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