下部は前方後方墳、上部は前方後円墳！『西山古墳』＠天理市
天理大学の敷地内にある『国史跡 西山古墳』は、全国最大の「前方後方墳」（全長183m）です。しかし、上部は丸くなっており、「前方後方墳の上に前方後円墳が乗っている」ような、かなり特異な形状となっています。墳丘の上から見てみると、そのユニークさが実感できます！
これが全国最大の「前方後方墳」です！
天理市杣之内町にある『国史跡 西山古墳』（Wikipedia）は、全長183m、高さ13mという規模を誇る、全国で最大の「前方後方墳」です。
しかも珍しいことに墳丘は丸く、その姿はまるで「前方後方墳の上に前方後円墳が乗っている」かのよう！墳丘に木が生えていないため、航空写真からでもその様子がわかります。
なお、西山古墳は「天理大学」の敷地内となります。外からの見学は自由ですが、墳丘に上る際には必ず一声かけましょう（『月刊大和地ならら』2015年8月号「ああ、いとしの古墳時代 天理・桜井編」を参照）。
こちらは天理大学が運営する博物館「天理参考館」の建物。この中に天理大学の事務室があったので、一応そこに一声かけてから西山古墳に上りました（正式な窓口があるのかなどは不明）
天理参考館から500mほど南に『西山古墳』があります。もうこの位置からでも下部が角ばっていて、上部が丸くなっているのがわかります
「史跡 西山古墳」の標柱と説明書きなど
「史跡 西山古墳
杣之内古墳群の内にあって盟主墓的な前方後方墳である。古墳時代前期に築造されたと推定できる。全長約183m、前方部幅約72m、後方部幅約94mの規模があり、全国の前方後方墳の中では最大規模を誇る。
古墳は後方部を東に向け、主軸を東西方向に置く。墳丘は第一段目が前方後方形であるが、第二段目は前方後円形となる特異な形態を呈している。
外部施設は葺石と埴輪が見られる。内部施設は竪穴式石室があったと思われ、鏡・鉄剣・勾玉・管玉の出土を伝えている。また古墳の周囲は濠がめぐっていたと思われる。
本古墳は布留川が平野部へ流れ出た南岸に築造され、要害の地を占めているものと推定される。」
周囲は天理大学馬術部の練習場です
墳丘に上がってみると、下段の前方後方墳」と「上段の前方後円墳」の切り替わりらしき部分も見られます。
西山古墳のすぐ脇の広い砂場は「天理大学 馬術部」の皆さんの練習場なのだとか！練習場の形も、どことなく「前方後円墳」っぽいですね（笑）
西山古墳の東側にももう1箇所の練習スペースがあります。不思議な感じがしますね
“前方後円墳 on 前方後方墳”のユニークさ
全長183mの西山古墳は、ほぼ東西方面に伸びています。墳丘の頂上から西側を見たところ。築造は4世紀中ごろで、かつては周囲に濠をめぐらせていたとか。かつての姿が想像できますね
墳丘の真ん中くらいに立ってみました。この規模の古墳にしては珍しく、墳丘に木などが植わっていないため、その広さが実感できます。なお、毎年2月に草刈りが行われ、この日はその直後でした。夏などは草に覆われますので、冬が一番の見頃です！
西側の前方部から、東側の後方部（上側は円形ですが）を見たところ。背景には大和の青垣が見えて絶景です！
墳丘を降りてみると、複雑な二段以上であることがわかります。とてもユニークな巨大古墳ですので、ぜひ現地で体感してみてください！
すぐお隣の『塚穴山古墳』も必見です！
西山古墳のすぐお隣（こちらは天理高校の敷地です）には、これまたユニークな『塚穴山古墳』があります。こちらもあわせて訪れてみてください。
■西山古墳
HP: http://www.city.tenri.nara.jp/kakuka/kyouikuiinkai/bunkazaika/kohun/1391474115524.html
住所: 奈良県天理市杣之内町
形状: 前方後方墳
規模: 全長183m、高さ13m
築造時代： 4世紀中ごろ
埋葬施設: 竪穴式石室
アクセス: 天理駅から徒歩約30分（天理大学の事務室からは徒歩10分ほど）。
※西山古墳は、天理大学の敷地になります。外からの見学は自由ですが、墳丘に上る際には必ず一声かけましょう。
※実際に現地へ行ったのは「2018年2月18日」でした。
■参考にさせていただきました
西山古墳 - Wikipedia
西山古墳 （にしやま） 国史跡 大和の古墳探索/ウェブリブログ
西山古墳 奈良県天理市杣之内町 - 墳丘からの眺め
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