前方後円墳を体感できる『史跡ナガレ山古墳』@河合町
馬見丘陵公園内にある『史跡ナガレ山古墳』。普通の古墳は立入禁止となっているものですが、ここは発掘調査と整備工事が行われ、巨大な墳丘が復活。周囲をズラリと円筒形埴輪が取り囲むように並んでいます。
古墳の荘厳な雰囲気は失われてしまっていますが、全長105mの前方後円墳の巨大さを体感できる、ちょっと楽しいスポットになっていました!
全長105mの巨大な前方後円墳です
河合町と広陵町にまたがって広がる「馬見丘陵公園」。園内には馬見古墳群に属する古墳がいくつもあり、その中の一つが「史跡ナガレ山古墳」です。被葬者は不明ですが、5世紀前半に作られたものとされています。
全長105mの巨大な前方後円墳ですが、1975年からの土砂採取によって一部が破壊されたため、1976年に国指定の史跡となり、発掘調査と整備工事が行われました。
1600年前の築造当初の姿が復元していますが、東側にはズラリと埴輪を並べ、西側は芝生を張った状態になっているため、航空写真で見ると東西で全く違った表情になっていて面白いですね。
馬見丘陵公園内にある「史跡ナガレ山古墳」。1976年に国指定の史跡となりました。全長105mの巨大な古墳で、1600年前の築造当初の姿が復元されています
ナガレ山古墳の説明図。発掘調査を終え、1996年に整備を終えましたp>
墳丘内通路についての説明。2列の埴輪が並んで通路を作っていたのだそうです(忠実に再現されてました)。滑石で作られたお祭りの道具も多数出土しています
周りを取り囲む「円筒埴輪」が迫力!
復元されたナガレ山古墳は、全長105mという巨大な前方後円墳です。より詳しくサイズを書いておくと、後円部直系64m、高さ8.5m、前方部幅70m、高さ6.2mとのこと。少し高い位置にあるため、馬見丘陵公園の園内の遠めの位置からも、古墳の頂上部分が見えて、ちょっと面白い眺めになっています。
発掘調査の結果、様々な埴輪類や鉄製品が出土したそうですが、その中でも「円筒埴輪」の数は約1,800本にも及んだそうです。現在は、強化プラスチック製のものと河合町町民の方の手作りの埴輪が、計675本並べられています(朝顔型埴輪を含む)。
復元されたものとはいえ、前方後円墳の周囲を埴輪が取り囲む姿は壮観ですね。それ以外には特に見どころがない・・・とも言えますが、古墳の大きさを体感できる貴重な施設だと思います。
ナガレ山古墳の周りは、円筒埴輪がズラリ!ほとんどが強化プラスチック(FRP)製ですが、一部は河合町町民の方の手作りのものが混ざっているそうです。675本並べられていますが、実際には約1,800本が埋葬されていたのだとか
見渡す限りの埴輪の列。墳丘の全長が105mですから、端から端まで結構な距離があります
前方後円墳の「後円」の頂上部分から見下ろしたところ。迫力ですね。石で固められていて公園の遊具みたいに見えますが、発掘調査で確認されたとおり、二上山麓の安山岩や花崗岩を使用しているそうです
後円から前方側を見たところ。頂上部分は何もありません。また、古墳の裏側はそのまま土と草の斜面になっています
後円の頂上部分からは、奈良の山々を一望できます。この日は曇り空で、しかも夕方の閉園間際だったため、全く見えませんでしたが・・・
ナガレ山古墳の復元された埴輪たち。一番手前の上が広がっているものは「朝顔形埴輪」というのだとか。この形にどんな意味があるんでしょうね?
模型の展示などもお見逃し無く!
なお、馬見丘陵公園の「馬見丘陵公園館」には、ナガレ山古墳の模型がありますので、事前にそちらを見ておくとより楽しめるでしょう。また、園内には「乙女山古墳」など、馬見古墳群の古墳もありますので、お好きな方は合わせてどうぞ!
史跡ナガレ山古墳の模型。スイッチ一つで半分が持ち上がり、断面図が見られるようになっています
馬見丘陵公園内には、帆立貝の貝殻の形に似た帆立貝式古墳「乙女山古墳」もあります。こんもりとした森にしか見えませんが、合わせてどうぞ
■史跡ナガレ山古墳
HP: 参考サイト(じゃらん)
住所: 奈良県北葛城郡河合町佐味田
電話: 0745-56-3851
休館日: 公園は無休
駐車場: 無料(580台分あり)
アクセス: 近鉄「池部駅」よりバスで5分