2010-12-10

大和三門跡寺院の一つが特別公開『円照寺』@奈良市郊外

大和三門跡寺院の一つが特別公開『円照寺』@奈良市郊外

通常は非公開の大和三門跡寺院の一つ『円照寺(圓照寺)』。平城遷都1300年祭の一環として特別公開が行われ、私たちも見事に応募で当選したため、拝観させていただけました。お参りしてみたい憧れのお寺でしたので、ただただ感動でした!


三島由紀夫『豊饒の海』月修寺のモデルです

奈良市郊外にある『圓照寺(円照寺・えんしょうじ)』は、法華寺中宮寺と並ぶ大和三門跡寺院のひとつに数えられています。

山号を「普門山(ふもんざん)」、別名を「山村御殿」といい、華道「山村御流」の家元としても知られています。また、三島由紀夫の小説『豊饒の海』に登場する「月修寺」のモデルになった寺院だとも言われています。

通常は非公開で、拝観を認められていませんが、平城遷都1300年祭の一環として特別公開されました。普段は拝見できない境内が見られるということで人気を呼び、特別公開は平日の5日間のみ、往復はがきで事前予約が必要と参加へのハードルは高めでしたが、応募が殺到。千名の予定に対して競争率は約3.5倍にも達したのだそうです(参考記事)。実際に私たちの両親も落選しましたし、Twitter上でもたくさんの落選報告を拝見しましたから、私たちは本当にラッキーでした。

なお、普段は円照寺の境内には立ち入ることが出来ませんが、山門まででしたらどなたでも行くことができます(駐車場はありませんのでご注意を)。参道をそれると、崇道天皇陵や、開山の文智内親王や歴代門跡の宮墓、舎人親王の墓と伝わる方形墳、飛鳥時代の山村廃寺跡などがあります。


円照寺(特別拝観)@奈良市-01

平城遷都1300年祭の一環として「圓照寺庭園特別拝観」が実現。参加者は奈良県庁舎・県民ホール前に集合してからバスに乗って移動しました。特別公開は平日5日間のみ、しかも往復はがきで事前予約が必要と、かなりハードルが高めでしたが、たくさんの方が参加していました

円照寺(特別拝観)@奈良市-02
参加者はチャーターしたバスに乗り(行きが300円。帰りは路線バスに乗りました)円照寺へ到着。ここが参道の入り口になります。バス停は「円照寺前」ですが、通常は拝観を受け付けていないため目立つ看板もなく、知らずに素通りしてしまいそうな簡素さでした

円照寺(特別拝観)@奈良市-03
歩いて参道を進みます。山門前までであれば誰もが行くことができます。参道の途中には「崇道天皇陵」への分岐や、万葉集から「あしひきの山に行きけむ山人の心も知らず山人や誰」という舎人親王の歌碑などがありました

円照寺(特別拝観)@奈良市-04
円照寺の山門。ここから先は通常は拝観できませんので、お気をつけください。門からは、玉砂利がきれいに掃き清められ、神聖さが伝わってくる境内が見られます

円照寺(特別拝観)@奈良市-05
今回の特別拝観に当たっては、各自にこのような「拝観整理票」が配られ、首から下げておくようになっていました。参加者は時間をずらして一日に4組、さらにAとBに分けて受け入れていたようです。報道によると、抽選で千名が選ばれ、競争率は約3.5倍だったとか!

円照寺(特別拝観)@奈良市-06
まずは参加者が集められて、今回の特別拝観に関する注意事項を伺います


本堂は茅葺き屋根!お庭も清楚です

円照寺の清々しい境内の奥手には、茅葺き屋根の本堂「円通殿(えんつうでん)」が見えてきます。江戸時代の建築ですが、柱も細くてとても繊細な印象を受けました。ご本尊は、木造の「如意輪観音立像」。内陣には上がれなかったため、遠目にしか拝見できませんでしたが、とても穏やかな表情の仏さまでした。

また、本堂・円通殿の前に広がる「本堂庭園」も美しいものでした。こちらは、木津の如範(にょはん)の作で、本堂前に広く白砂を敷き、その奥に池を配する「池泉観賞式広庭」というスタイルです。池の手前に二十五の石を配し、二十五菩薩の持つ楽器を表しているのだとか。


円照寺(特別拝観)@奈良市-07

円照寺の山門から見える景色。掃き清められた玉砂利と、美しく並ぶ踏み石。凛とした、尼寺らしい清々しさを感じます

円照寺(特別拝観)@奈良市-26
山門の正面に見える建物(表玄関?)に近づいてみたところ。なかなか見られない光景ですね。この向かって右手に本堂が建っています

円照寺(特別拝観)@奈良市-08
初めて見た円照寺の本堂は、何と茅葺き屋根でした!本堂前の庭園と合わせて、素晴らしい雰囲気でした

円照寺(特別拝観)@奈良市-09
円照寺の本堂「円通殿(えんつうでん)」。1661年に大和の八島の地に建てられたものが、1669年にここへ移築されたもの。奈良県指定文化財となっています。入母屋茅葺で柱も仏堂とは思えないほど細くて繊細です。ご本尊は、木造の「如意輪観音立像」で、脇侍は地蔵菩薩立像と不動明王立像

円照寺(特別拝観)@奈良市-11
円通殿の額。向かって右手は、第六世門主の伏見宮文秀女王の御筆で「みほとけの深き誓いの池水に心の月の影ぞ浮かべる」とあるそうです

円照寺(特別拝観)@奈良市-12
円照寺の庭園に建つ「阿弥陀堂」。1746年に建てられたもので、ご本尊に阿弥陀如来坐像を、脇侍に勢至・観音菩薩を祀っているそうです。開扉されておらずお会いできませんでした

円照寺(特別拝観)@奈良市-13
本堂近くには鳥居もありました

円照寺(特別拝観)@奈良市-15
円照寺の本堂庭園の石の配置図。この庭園は木津の如範(にょはん)の作。本堂前に広く白砂を敷き、その奥に池を配する「池泉観賞式広庭」というものだとか。池の手前には、阿弥陀堂に向かって二十五の石があり、これは二十五菩薩の持つ楽器などをかたどったものなのだそうです

円照寺(特別拝観)@奈良市-16
東西にのびる池。昔は蓮池だったそうです

円照寺(特別拝観)@奈良市-17
池の奥手から本堂・円通殿をみたところ。中ほどにある紅葉した木の足元に置かれた石たちが二十五菩薩の楽器を模したもの。それぞれ笛や太鼓にあたるそうです

円照寺(特別拝観)@奈良市-14
庭の奥手から阿弥陀堂をみたところ。十三重の石塔も美しいですね


奥御殿には枯山水の庭園も広がります

本堂の裏手には、「奥御殿」と「葉帰庵」という2つの建物が並び、その手前に枯山水の「奥御殿庭園」が広がっていました。

円照寺は江戸時代の創建と、奈良のお寺にしては比較的新しいため、建物もお庭も、他のお寺とは違ったどこか洗練された雰囲気が感じられます。書院の奥御殿もお庭も、近代に近付いているのが分かります。

普段はまず立ち入ることが出来ない場所ですから、本当に貴重な体験をさせていただきました。本当にありがとうございました!


円照寺(特別拝観)@奈良市-18

円照寺の本堂の奥には、「奥御殿(奥御殿庭園)」と「葉帰庵」が並んでいます。本堂もこちらも建物の中には入れませんが、外から拝見させていただきました

円照寺(特別拝観)@奈良市-19
枯山水の石越しに見た「奥御殿(書院)」。奥御殿は、1849年~1851年の建築で、8畳6間、6畳2間、さらに3室があります。すぐ手前の部屋の3室は、第六世伏見宮文秀女王の時に、参殿に来た高官などと対面した間で、重厚な雰囲気でした

円照寺(特別拝観)@奈良市-20
奥御殿に造りつけられた茶室。内部は見えませんが、壁の色合いも穏やかなアクセントカラーになっていました

円照寺(特別拝観)@奈良市-21
奥御殿と並び建つ「葉帰庵」。開山の文智内親王の庵室が1854年の安政の大地震で倒壊したため、1904年に現在の地に新築されたもの。このため、普通の客殿に見えますが、本尊「如意輪観音菩薩坐像」をお祀りする仏殿となっていました。仏さまのお姿は距離があってよく見えませんでしたが、古くて大きな家の仏間のような雰囲気でした

円照寺(特別拝観)@奈良市-23
円照寺の奥御殿庭園。本堂庭園と同じく、木津の如範が作庭したものです。向かいの山を背景にした枯山水の回遊式庭園で、春は桜・椿・藤・さつき、夏はさるすべり、秋は紅葉、冬は山茶花が咲くそうです

円照寺(特別拝観)@奈良市-24
奥御殿庭園。江戸時代の庭ということもあり、奈良県内に少ない枯山水になっているのが新鮮でいいですね。京都のお寺のように広大ではありませんが、静かで落ち着いた雰囲気でした

円照寺(特別拝観)@奈良市-22
門から奥御殿へ続く部分も、四角い踏み石が敷かれていて、その周囲は掃き清められていました。見事な光景ですね

円照寺(特別拝観)@奈良市-25
境内にある新しい建物では、円照寺が家元となっている華道「山村御流」の作品が展示してありました

円照寺-御朱印
円照寺でいただいたご朱印です。普段は拝観できないお寺ですから、御朱印も貴重ですね



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■円照寺(圓照寺)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県奈良市山町1312
電話: 非公開
宗派: 臨済宗妙心寺派
本尊: 如意輪観音
創建: 17世紀
開基: 大通文智(文智内親王。後水尾天皇の第1皇女)
拝観: 通常は非公開
アクセス: JR・近鉄奈良駅から奈良交通バス「山村町行」で20分、「円照寺前」下車、徒歩5分

※円照寺は立ち入りできるのは参道まで、山門よりも先は非公開になっています
※実際にお参りしたのは「2010年11月15日」の特別公開の初日でした
※奈良交通さんの「定期観光バス」の限定コースに入っているため、拝観希望の方はこれを利用してください(現在のところ、2月・3月合わせて4回のみの運行だそうです)






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