北陸の大仏さま探訪『ハニベ巌窟院』@石川県小松市
白馬大仏・高岡大仏と続いた北陸の大仏さま巡りの最後に、石川県小松市の『ハニベ巌窟院』へ行ってきました。B級スポット・珍スポットとして知られ、「究極の地獄めぐり」が体験できるという施設です。さすがにそのカオスぶりに圧倒されました!
駐車場からも15mの大仏仏頭が見えます
石川県小松市にある『ハニベ巌窟院』。宗教施設というよりは、「B級スポット」として有名になっています。北陸道の小松ICから車で15分もかかるため、誰でもが立ち寄れる場所ではありませんが、帰省先から自宅へ戻る途中に大仏さまを拝んできました。
こちらでは、駐車場からも大仏(正式にはハニベ釈迦牟尼大仏と言います)の巨大な仏頭が見えます!その大きさは15m。計画は停滞していますが、ここに胴体部分を足して高さ33mの大仏を建立するのが悲願なのだとか。このご時世ですから資金面で厳しいとは思いますが、いつか完成した姿を見てみたいものですね。
石川県小松市にある『ハニベ巌窟院』。駐車場からこんな大仏さまのバストショットが拝めます!想像はしていましたが、ものすごい迫力でした
この大仏さまの正式名称は「ハニベ釈迦牟尼大仏」。1983年に建立された仏頭で、これだけで15mあります。ここに胴体部分を足して高さ33mの大仏を建立するのが悲願・・・とのことですが、資金面から頓挫しているようです。完成したとしても、体と胴体のバランスが悪すぎですよね(笑)
ハニベ釈迦牟尼大仏を間近でみると、西郷どんのような風貌に見えますね。台座下には、水子供養の小さなお供えがずらりと並んでいます
ハニベ巌窟院の高台から仏頭を見下ろしたところ。像高がこの倍近い33mになったら・・・と考えると、迫力がありますね
仏頭近くにある小さめの大仏さま。これが大仏の完成形とのことですが、頭部だけで15mもあると、このプロポーションで完成したら何メートルになるんでしょうか?
駐車場脇にある売店では、こんな大仏グッズも販売されていました!ハニベ大仏の「日本手拭(@630円)」「Tシャツ(@2,100円)」。時間が無かったので購入しませんでしたが、後から激しく後悔しました・・・
カーナビを頼りにハニベ巌窟院へ向かうと、誤った場所へ誘導されます(私たちもそうでした)。田中土建さんの角を左折せず、55号線をそのまま東へ進むと大きな仏頭が見えてきます。ご注意ください
B級スポットらしい無秩序さが楽しい
このハニベ巌窟院は、彫刻家である初代院主「都賀田勇馬」さんという方が1951年に開洞。戦後間もない時期に、世界平和を願いながら仏像を造り続け、この土地に祀ったのだとか。その後、二代目が跡を継ぎました。
お二方ともハニベ焼という焼き物で像を作っていましたが、この二代目が変わった方で、ノーパンシャブシャブ像、某テロリスト組織の方、セクハラ知事などなど、時事ネタの仏像を作りまくっていたことでも有名でした。しかし、2004年にこの方自身が不祥事を起こしてしまい(わいせつ行為だったとか)、その作品はほぼ撤去されてしまったようです。
しかし、順路を進んでいくだけでも、何を表現したのかすら分からないような、奇妙な作品が多数見られます。宗教的なモチーフで作られているようですが、とにかく混沌としていて、驚きの連続でした。スペースの都合でその手の写真はほとんど掲載できませんが、B級スポット好きな方はぜひ実際に足を運んでみてください。
ハニベ巌窟院は大仏だけではありません。順路に従って進むと、次々にアイテムが見えてきます。これは石段途中にある「ハニベ水子地蔵堂」
突如として現れる「自然陰石」。裂け目がある巨大な岩で、地元の方々が妊娠安産を祈ってきたのだとか。この陰石に対応する陽石は山中温泉の山中にあるそうです
こんなクラシックな民家も登場します。ハニベ焼きの工房のような使われ方をしているようです
しばらく坂道を上ると、こんな象と獅子に守られた一角にたどり着きます。なお、画像を割愛していますが、至るところに奇妙な石像が並べられていて、濃厚なB級スポット感が漂ってきています
この先には「阿弥陀堂」が。石切場だった洞窟をお堂に見立てています。足を踏み入れるのがためらわれるほど、異空間の怪しさが感じられます
ハニベ巌窟院の阿弥陀堂の内部。洞窟の中には、聖観音・阿弥陀如来・日蓮聖人・親鸞聖人・蓮如上人・弘法大師といった石像が祀られています
洞窟内には、ハニベ焼でできた皿が販売されています(1組2枚で100円)。そこに願い事を書いて、この正面にある「聖函」へ投げ入れるシステムです。函までの距離は近めで、かわらけ投げの簡易版のような感じでしょうか
阿弥陀堂の前に建つのが、立派な「隆明殿」です。初代院主の「都賀田勇馬」さんの作品などが展示してあります
大きな観音象や義経像、小さな動物の像など、大小さまざまなハニベ焼の作品が展示してありました
「究極の地獄めぐり」はカオスです!
こんなあれこれを見ながら進むと、いよいよ地獄巡りの洞窟の入り口にたどり着きます。パンフレットに書いてある、ハニベ巌窟院のキャッチフレーズが「究極の地獄めぐり」ですから、これがメインとなるようです。
洞窟の全長は150mとのことですが、内部は入り組んでいて、天井も低く、怪しげな雰囲気がプンプンと感じられました。順路に沿って進むと、釈迦の一生や招き猫、インド風彫刻などが無秩序に現れて、とんでもないカオスになっています!
肝心の地獄めぐりは、B級スポットの真髄ともいうべき内容で楽しめました。世界観がすごいです(笑)
なお、この洞窟の先から「ハニベ山頂自然公園」へ出られ、そこに横たわっている全長6mの「釈迦涅槃像」が見られるのですが、残念ながら冬の間は公園へ行けないようになっています。他の季節に出かけてください。
隆明殿の建物を抜けると、いよいよ地獄巡りの洞窟の入り口が見えてきます。地獄の入り口のはずですが、何故か阿吽の仁王像が護っています。ハニベ巌窟院全体がかなり混沌とした宗教観で成り立っていますので、あまり深く考えないほうがいいようです(笑)
やや頭を低くして進みたくなる洞窟が続きます。古い採石場だったことが分かります
天上天下唯我独尊!当然現れる「釈迦の一生」コーナー。招き猫がいたり、大黒天がいたり、無秩序で混沌とした世界観が展開されています
ようやく地獄門が。ここから地獄巡りが始まりますが・・・、和洋折衷もはなはだしいですね(笑)
■ハニベ巌窟院
HP: http://www.hanibe.com
住所: 石川県小松市立明寺町イ1番地
電話: 0761-47-3188
拝観料: 大人 800円、小人 500円
営業時間: 9:00-17:00 (10月~3月は16:00まで)
駐車場: 無料
アクセス: 小松ICから車で15分
■参考にさせていただきました!
@nifty:デイリーポータルZ:親子で作った洞窟と地獄~ハニベ巌窟院
ニッポンの歩き方:ハニベ巌窟院
ハニベ巌窟院
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