2012-04-27

仏像ファン必携!『飛鳥園』さんのガイドブック各種

仏像ファン必携!『飛鳥園』さんのガイドブック各種

奈良博の真向かいにある、仏像写真でお馴染みの『仏像写真ギャラリー 飛鳥園』さん。こちらでは仏像のポストカードやグッズとともに、オリジナルの出版物を発行しており、最新作は「大和地蔵十福霊場」を紹介するガイドブック「大和地蔵十福」です。このシリーズは全て分かりやすくて面白く読めますので、まとめてご紹介しておきます。


奈良の仏像写真で有名な『飛鳥園』さん

長年、奈良で仏像や文化財の撮影などを続けてきた『飛鳥園』さん。仏像好きなら知らぬものはいないほどの有名企業ですし、奈良の文化財を世に知らしめてくれている影の立役者だとも言えるでしょう。



1922年(大正11年)小川晴暘が創業。晴暘は1894年(明治27年)兵庫県姫路市生まれ。有馬温泉の日野写真館で写真術の基礎を身につけたのち、画家を志して上京。丸木利陽に入門して彼の写真館で働き、写真技術を学んだ。晴暘の号は師利陽からもらった「陽」の1字を「暘」に改めたもの。1918年(大正7年)文展に《雪解けの頃》で初入選するも、大阪朝日新聞社に写真部員として入社し、奈良に下宿。奈良で撮っていた石仏の写真が、會津八一の目に止まり、八一の勧めを受けて新聞社を退社し、飛鳥園を創業した。

晴暘のあとは晴暘の三男小川光三が継いでいる。後に奈良国立博物館写真室の矢沢邑一、五味義臣、京都国立博物館の金井杜道ら文化財写真家が輩出し、現在も若松保広が所属している。1968年(昭和43年)株式会社飛鳥園を設立。晴暘は八一のほか、志賀直哉・武者小路実篤らとも親交があり、現在でも飛鳥園撮影の写真は多くの書籍・写真集・図録等に掲載されている。2001年(平成13年)には飛鳥園の写真を一般公開するため仏像写真ギャラリーがオープンした。

飛鳥園さんの歴史については、公式ホームページの「飛鳥園のあゆみ」をご覧ください。

大正時代、小川晴暘氏が仏像などの文化財の撮影に取り組んだのが、今の飛鳥園さんの前身です。すでに現存していない貴重な仏さまを撮影したものなど、今では見られない写真も多数所蔵しており、今でも、出版物に奈良の仏像の写真が掲載される際には、片隅に「画像提供 飛鳥園」とクレジットされているものがほとんどです。私のような仏像好きな人間にとっては、ある種の憧れの企業でもあります。

その作品を展示・販売する「飛鳥園仏像写真ギャラリー」は、奈良駅から東大寺方面へ向かう途中(氷室神社の近く。奈良国立博物館の真向かい)にあります。だいぶ以前のものになりますが、こちらの記事でご紹介しています。

ポストカードや大判の仏像写真やグッズなどが販売されていますので、ぜひ観光途中に立ち寄ってみてください。


飛鳥園の出版物各種-02

長年、奈良で仏像の撮影などを続けてきた『飛鳥園』さん。独自の出版物なども制作していて、そのどれもがとても便利で面白いんです。飛鳥園さんの仏像写真ギャラリーでも購入できますし、掲載されている寺院に置いてあるケースもあります


オリジナルの出版物がどれも面白いんです

また、飛鳥園さんでは、オリジナルの出版物も作成なさっていますが、これがとても参考になるので、見つけるたびに購入しています。画像が多めで美しいのはもちろん、長年仏像や奈良を見守ってきた企業だけに、切り取り方が適度にニッチなのがいいんですよね。

現在、手元に5冊ありますが、最初に発行されたと思われる、その名もズバリの「飛鳥」に始まって、「斑鳩の古寺」「南山城の古寺」「柳生みち」と続きます。それぞれ40ページ前後で、お値段は500円ほど。テーマが絞ってあるだけにコンパクトで読みやすく、お寺巡りの際のガイドブックにもなりますし、読み物としても十分に楽しめます。その地域の性格や各寺院・仏さまの説明などがまとまっていて、観光の予習にはもちろん、復習としても役立ちます。

飛鳥園さんのギャラリー店頭で購入できるのはもちろん、それぞれ掲載されたお寺さんでも販売されていることが多いですので、お土産として購入するのもいいですね。

個人的に気に入っているのは、「南山城の古寺」と「柳生みち」です。

この地域の情報だけを読みやすく、そして情報の漏れもなく、分かりやすくまとめてある書籍は数が少なく、その分だけ貴重でしょう。ちなみに、南山城はエリア的には京都府になりますが、奈良から距離が近いだけではなく、仏像などの文化の面でも奈良との結びつきが深い地域です。観音寺・蟹満寺・海住山寺などの素晴らしいお寺がありますので、ぜひこの本で予習してから、または現地のお寺さんにお参りしたお土産として買い求めてください。


飛鳥園の出版物各種-08

個人的にオススメの2冊「南山城の古寺」と「柳生みち」。ニッチなエリアの情報が読みやすくまとまっていて、お出かけの必携書だと思います。ちなみに、南山城の表紙の仏さまは、京田辺市の観音寺(大御堂)の国宝・十一面観音立像です。奈良の仏教文化との結びつきが伝わってくる素敵な仏さまですよ!

飛鳥園の出版物各種-09
こちらは、「斑鳩の古寺」と「飛鳥」。自宅から近いお馴染みのエリアのため、我が家での活躍の機会は少なめですが、どちらも読み物としても面白いですね。ページ数は40ほどですから、散策の際に持ち歩いて、移動や休憩の時間にサッと読んでおくのにちょうどいいと思います

飛鳥園の出版物各種-04
「斑鳩の古寺」の融念寺のページ。一般的にはそれほど有名なお寺さんとは言えないかもしれませんが、僧形像に近いお姿の「地蔵菩薩立像(重文)」がいらっしゃいます(※拝観の際には事前予約が必要です)。この他にも、法隆寺などはもちろん、吉田寺・額安寺・東明寺などの情報もしっかりと掲載されています


最新作は「大和地蔵十福霊場」のガイドブック

そんな飛鳥園さんの出版物の最新作が、平成23年6月に発足した「大和地蔵十福霊場」を紹介するガイドブック「大和地蔵十福」です(紹介記事-毎日jp。写真集と書いてありますが、テキストも豊富です)

大和地蔵十福霊場とは、奈良県内で「地蔵菩薩」をお祀りしている10の寺院を札所として巡る巡礼です。参加寺院は、伝香寺・元興寺・十輪院・福智院・帯解寺・霊山寺・矢田寺(金剛山寺)・聖林寺・大野寺・室生寺の10ヶ寺です。

地蔵十福とは、お地蔵様にお詣りすることによって得られる10の功徳のこと。ご朱印代や台紙のもらい方など、詳しくは以下の参加寺院さまのサイトをご覧ください。

●参考サイト
おしらせ|「大和地蔵十福霊場」が発足|南都 十輪院 webサイト
大和地蔵十福霊場|元興寺公式サイト

お地蔵さまはある程度は形が決まっているため、やや造形的な面白みに欠けると思われがちですが、仏像ファン的に言うと、これはとんでもない誤解だと思います。この本で画像を見比べてみるだけでも、大きさやお姿はもちろん、制作年代も素材も表情も、何から何まで違う、バラエティーに富んだお地蔵さまばかりです。さらに、この札所寺院の8体の地蔵菩薩像が国の重要文化財に指定されているんですから、とても貴重ですね。

飛鳥園さん発行のガイドブック「大和地蔵十福」では、写真が素晴らしいのはもちろん、各寺院のご職が文章を寄稿しており、内容も興味深いですね。それと同時に、難しくなり過ぎないように全体のレベルを合わせてありますから、とても読みやすかったです。

全44ページで、お値段は「500円」。各参加寺院や飛鳥園さんの仏像写真ギャラリーで手に入りますので、ぜひ手にとってみてください!


飛鳥園の出版物各種-03

飛鳥園さんの最新作「大和地蔵十福」。平成23年6月に発足した「大和地蔵十福霊場」を紹介するガイドブックです

飛鳥園の出版物各種-05
大和地蔵十福霊場の趣旨と各寺院の地図に続いて、まずは奈良市小川町の伝香寺の「春日地蔵(別名:はだか地蔵)」が紹介されています(1ヶ寺ごとに4ページ使用)。私は以前にお詣りしている仏さまですが、下部に掲載してあるようなたくさんの胎内納入品があったとは全く知りませんでした!解説文もとても読みやすくて参考になります

飛鳥園の出版物各種-06
こちらはならまちの世界遺産・元興寺の「印相地蔵」の紹介ページ。室町時代に満米上人によって刻まれたと伝わる、お地蔵さまに付き物の錫杖も宝珠も持たないタイプの仏さまです。毎年8月23日・24日に盛大に催される「地蔵会万灯供養」も行われ、お地蔵さまとのつながりの深いいお寺さんですね

飛鳥園の出版物各種-07
宇陀市室生の大野寺の「身代り焼け地蔵(重文)」。鎌倉時代の作で、無実の娘の身代わりとなり半身が焼けてしまったため、このように呼ばれているのだとか。10ヶ寺のそれぞれのお地蔵さまについて読み比べていくと、地蔵巡礼に出たくなります!



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■仏像写真ギャラリー 飛鳥園

HP: http://www.askaengallery.jp/
住 所:奈良市登大路町59
電話番号:0742-22-5883
定休日:月曜日(祝日は営業)
営業時間:10:00~18:00(11月~3月は17:00まで)
駐車場:無し(近隣の有料駐車場を利用のこと)
アクセス: 近鉄奈良駅より徒歩10分ほど

※ここでご紹介した飛鳥園さんの出版物は、一般書店では販売されていません。奈良市の「仏像写真ギャラリー 飛鳥園」か、掲載寺院にお詣りした際にお買い求めください


■参考にさせていただきました!

おしらせ|「大和地蔵十福霊場」が発足|南都 十輪院 webサイト
大和地蔵十福霊場|元興寺公式サイト
大和地蔵十福霊場:県内10寺を巡る 写真集を出版 /奈良- 毎日jp(毎日新聞)


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