2012-12-22

特別展『當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール』@葛城市

特別展『當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール』@葛城市

「葛城市歴史博物館」で開催中の、當麻曼荼羅完成1250年を記念した特別展『當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール』を観てきました。鎌倉時代に作られた菩薩面など、28面がずらりと並ぶ圧巻の展示です。いずれも表情が微妙に違っていて、それぞれの違いがはっきりと感じられるシンプルで楽しい内容でした。


渋い展示内容の『葛城市歴史博物館』

葛城市の近鉄忍海駅近くにある『葛城市歴史博物館』。もとは旧・新庄町の「新庄町民俗資料館」という名称でしたが、市町村合併により現在の名称になりました。博物館は1階部分のみで、2階は200席を備えた「あかねホール」というホールになっています。

入口にいきなり石棺があったりする、いかにも奈良県の資料館らしい作りですね。この地方の古代豪族・葛城市、中世に栄えた布施氏・万歳氏、今はもう無くなった山岳寺院、幻の布施城など、古代からのこの地方の歴史を、遺跡や古墳からの出土品やジオラマ模型などを用いて展示しています。

展示してある考古資料は、竹内遺跡や寺口忍海古墳群のものがメインで、太田遺跡・二塚古墳などのものもありました。

なお、館所蔵のものは撮影可能でしたが(フラッシュなどは禁止)、残念ながら目的は個人利用に限るとのこと。ブログなどで公開するのも憚られるようでしたので、館内の様子は詳しくお伝えできませんが(常設展示の模様はこちら)、なかなか渋い内容でした。


當麻寺菩薩面@葛城市歴史博物館-01

忍海駅から徒歩2分ほどの距離にある『葛城市歴史博物館』。2000年オープンのとても立派な建物です

當麻寺菩薩面@葛城市歴史博物館-02
ロビーには石棺が置いてあります。これは、島ノ山1号墳出土の家形石棺だとか。ここまで間近に見られる機会はなかなかありませんね

當麻寺菩薩面@葛城市歴史博物館-03
館内では、葛城市の古代から中世までの歴史・民俗資料が展示されています。手前が常設展、奥に特別展示室があります


當麻曼荼羅完成1250年を記念した特別陳列です

葛城市歴史博物館の特別展示室では、當麻曼荼羅完成1250年を記念した特別展「當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール」が開催されています(2012年12月22日~2013年1月20日まで)。

葛城市の二上山の麓に位置する古刹『當麻寺(たいまでら)』では、御本尊「當麻曼陀羅(国宝)」を織り上げた中将姫(ちゅうじょうひめ)の命日である5月14日に、『聖衆来迎練供養会式(練供養会式、お練り)』が行われます。


今回の特別展では、練供養会式で使用されていた菩薩のお面28面が一挙に展示され、とても迫力がありました。


寺伝によれば、天平宝字7年(763)6月、中将姫によって約4m四方の「綴織當麻曼荼羅図」が蓮糸で織り上げられたと言われ、その時から数えて、来たる平成25年(2013)は、當麻曼荼羅完成1250年の記念の年になります。

このことから、当館では當麻寺練供養会式で平成16年まで使用されていた、「菩薩面」(鎌倉~江戸時代)28面すべてと、昭和33年の當麻寺本堂解体修理時に発見された「墨書男性人物落書き板」(平安初期)、そして、「當麻曼荼羅」(鎌倉期)を中心に関連資料を一堂に集め、特別陳列を行います。

特に、古い菩薩面のすべてが公開されるのは、8年ぶり。また、門外不出とされていたこの菩薩面28面すべてが博物館に出品されるのは、今回が初めてとなります。

鎌倉時代から現代に至る約800年間、人々の願いと、心からの祈りの声を、練供養会式の来迎橋の上で聞き届けてくださった、菩薩の面を再び鑑賞できる絶好の機会となります。


菩薩面は、鎌倉~江戸時代に作られたもの。ガラスケース内にずらりと並べられていて、それぞれの表情をじっくりと見比べることができます。お練りが催されている時にはなかなか気づきませんが、厳しい表情のもの、優しく微笑んでいるようなものなど、それぞれ個性があるんですよね。どれも神々しくて、静かにじっくりと向き合えました。

展示室自体はそれほど大きなスペースではありませんが、平安初期の「墨書男性人物落書き板」や、鎌倉時代の「當麻曼荼羅」、その他にお練りの際に背中につける金色の光背、當麻寺の古い境内図なども展示されていています。全体的にとても興味深い内容でした。


當麻寺菩薩面@葛城市歴史博物館-04

當麻曼荼羅完成1250年を記念した特別陳列「當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール」のポスター。メインに登場しているのは、最も古い鎌倉時代の観音菩薩面です。展示室では、27面がずらりと並んでいました。(伝)普賢菩薩面だけが独立したガラスケースで単独展示されていて、正面からはもちろん、横からも細部まで見られるように工夫されています。28面の菩薩面は2004年まで実際に使用されていたとのこと。ところどころ擦れて、金箔が落ちかかっていたりするのが、迫力を感じさせます

當麻寺菩薩面@葛城市歴史博物館-05
別パターンの縦長パネル


2013年春、奈良博で『特別展 當麻寺』も開催!

なお、「當麻曼荼羅完成1250年記念」として、奈良国立博物館において特別展 當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-』という企画展が行われます(2013年4月6日~6月2日)。

ここで展示されていた菩薩面はもちろん、當麻寺のご本尊でありながら滅多に実物を拝見できない「當麻曼荼羅(国宝)」や、四天王像のうちの「持国天立像(重文)」、そして巨大な「梵鐘(国宝)」も出陳されるようです。こちらも期待したいと思います!


<追記> 葛城市歴史博物館の学芸員さんから教えていただきましたが、「奈良国立博物館様の春の特別展でも、面の出品が予定されておられますが、28面全ての出品は当館のみとなります。」とのことです。お見逃しなく!


博物館系のチラシあれこれ-08

2013年4月から奈良博で開催される特別展『當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-』のチラシ。この会期中の5月14日には、當麻寺で練供養会式が行われます



大きな地図で見る


■葛城市歴史博物館

HP: http://www.city.katsuragi.nara.jp/index.cfm/13,0,31,html
住所: 奈良県葛城市忍海250-1
電話: 0745-64-1414
休館日: 毎週火曜日、第2・4水曜日、年末・年始
営業時間: 9:00 - 17:00
入館料: 大人 200円、大学・高校生 100円、中学・小学生 50円
駐車場: 無料
アクセス: 近鉄御所線「忍海駅」から徒歩2分ほど

※特別陳列展「当麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール」は、2012年12月22日~2013年1月20日まで


■参考にさせていただきました

大和路アーカイブ [葛城市歴史博物館]
葛城市歴史博物館 - Wikipedia
当麻寺の菩薩面、建保3年に制作 奈良・葛城市歴史博物館 - MSN産経ニュース


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