2014-03-17

楼門にプロペラ!『矢田坐久志玉比古神社』@大和郡山市

楼門にプロペラ!『矢田坐久志玉比古神社』@大和郡山市

矢田丘陵にある『矢田坐久志玉比古神社』へお詣りしてきました。天磐船で空を駆けたニギハヤヒを祀り、航空の神さまとして篤く信仰されています。境内の楼門には、中島飛行機製の「陸軍九一戦闘機」の木製プロペラが掲げられてるのも珍しいですね。それほど広くはありませんが、とても見どころの多いお社でした。


物部氏の祖先神ニギハヤヒを祀る古社

大和郡山市の矢田丘陵に位置する古社『矢田坐久志玉比古神社』(やたにいますくしたまひこじんじゃ)。アジサイの名所として知られる『矢田寺』(紹介記事)や『奈良県立民俗博物館』の近くにあります。

延喜式内大社で、創建年代は不詳ですが、6世紀前半には畿内随一の名社として栄えていたと伝わっています。古くは「矢落大明神」または「矢田の大宮」と呼ばれました。

御祭神は、物部氏の祖先神であり、天磐船で空を駆けたとされる謎多き神「櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやひのみこと)」(Wikipedia)と、その妻・御炊屋姫命。このため今でも「航空祖神(航空の神)」として、空の旅の安全祈願をする参拝者が多いそうです。


矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-01

大和郡山市矢田町に鎮座する『矢田坐久志玉比古神社』(やたにいますくしたまひこじんじゃ)。長い名前ですが、ここの「くしたまひこ」は御祭神のニギハヤヒを指します。矢田小学校などの近く、とてものどかな一角にあります

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-02
お社に向かって左手から見たところ。100mはあろうかという長い勧請縄が張ってありました。こんなに長いものを観るのは初めてです。調べてみたところ、毎年1月8日に催される例祭「綱掛祭」の際に掲げられるのだとか(ブログ「奈良の探訪」さんの記事が詳しいです)

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-03
矢田坐久志玉比古神社のご由緒。延喜式内大社であること、矢落大明神・矢田の大宮と称したこと、物部氏の祖先神であること、航空祖神と崇められていることなどが書いてあります。9月20日には「航空祭」が、2月1日には「筒粥占」も催されます


ニギハヤヒの射た矢が落ちた「二之矢塚」

順番は前後しますが、楼門奥の境内地にある「二之矢塚」の説明から。

ニ之矢塚は、小さな岩に注連縄を巻いてあります。伝承によると、天孫降臨に先立ってニギハヤヒが天磐船に乗って降臨した際、上空から3本の矢を射て、その2本目が落ちた場所だとされています。この一帯が「矢田」と呼ばれる由来ですね。

ちなみに、一之矢が落ちたのが神社の南側500mほど(私有地だとか)、三之矢が落ちたのが北へ500mほどの場所にあり、ともに石碑が建っているようです(ブログ「奈良通信」さんの記事に詳しいです)。

天磐船自体は、大阪府交野市の『磐船神社』のご神体として祀られていますので、ニギハヤヒ関連を合わせて周ってみるといいかもしれませんね。


矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-12

矢田坐久志玉比古神社の境内にある「ニ之矢塚」伝承地。中央に注連縄が巻かれた岩があります。ここに天羽々矢が落ちたことから聖地として崇められ、「矢落(やおち)神社」と呼ばれるようになりました

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-13
ニ之矢塚の対角にあった岩。注連縄が張られていましたが、何も説明がありませんでした。何かいわれのあるものでしょうか

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-08
矢田坐久志玉比古神社の斗帳。ご神紋は「矢尻付き違い矢」というものだとか。ニ之矢にちなんだものでしょう

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-16
ご神紋は絵馬にもデザインされていました。航空安全を願うパイロットや航空会社の方たちの奉納も見られました


楼門に「航空祖神」の書と木製プロペラ

矢田坐久志玉比古神社の楼門には、「航空祖神」の扁額とともに、中島飛行機(Wikipedia)製の「陸軍九一戦闘機」の木製プロペラが掲げられている、とても珍しいものです。

この楼門がいつの時代の建築かは分かりませんでしたが、見事な社寺建築でした。鳥を模した蟇股や、雲を模したデザインも多く取り入れられ、航空の神さまのお社らしさが感じられました。


矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-04

矢田坐久志玉比古神社の「楼門(神門)」。2階建ての門を楼門と呼びますが、2階部分にプロペラが飾ってあるのが目を引きます

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-05
「航空祖神」の文字と、木製のプロペラ。中島飛行機製の「陸軍九一戦闘機」のものだとか。おそらく戦後にここに納められたものでしょう。どういった経緯かは分かりませんが、珍しいですね

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-06
楼門と狛犬(吽形)

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-07
狛犬(阿形)。吽形は小さな角がある狛犬、阿形は獅子とする「浪速型狛犬」というタイプなのだそうです

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-09
軒先を見たところ。とても美しい社寺建築です。丸瓦にも神紋の矢がデザインされています


本殿と八幡神社社殿は重要文化財です

楼門の先には「拝殿」があり、その奥の小高い場所に「本殿」(重文)があります。本殿は、檜皮葺きの一間社春日造で、室町時代のもの。さらに、末社の八幡神社の社殿(鎌倉時代)も重要文化財に指定されています。

残念ながら、ちょうどこの日は屋根の葺き替え作業中で、本殿の辺りは作業用シートに覆われていました。普段から間近で拝見できるものでもないようですが、ちょっと残念ですね。

なお、本殿の画像は大和郡山市ホームページに掲載されていますので、こちらをご覧ください。


矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-11

矢田坐久志玉比古神社の「拝殿」。この奥には「本殿」「八幡神社社殿」という、重要文化財に指定された2つの建築物があるはずですが、拝見できませんでした

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-15
拝殿前の神馬の像。ここにも矢の神紋が

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-18
おみくじを結ぶために、茶筅を逆さまにしたようなものが置いてあります。奈良ではあまり見かけないタイプかもしれません

矢田坐久志玉比古神社@大和郡山市-20
矢田坐久志玉比古神社でいただいた御朱印です。夕方遅目の時間だったため、神職の方がご不在ということで、日付などが入っていないそのままでいただいてきました。このままで十分に端正ですね!



大きな地図で見る


■矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)

住所: 奈良県大和郡山市矢田町965
電話: 0743-52-7313
主祭神: 櫛玉饒速日命、御炊屋姫命
創建: 不明(6世紀前半より前)
拝観料: 境内無料
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「郡山駅」から、小泉駅東口、または矢田寺前行きバス「横山口」下車、徒歩5分


■参考にさせていただきました

玄松子の記憶:矢田坐久志玉比古神社
神奈備にようこそ!:矢田坐久志玉比古神社
奈良通信 矢田坐久志玉比古神社と三本の矢


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