2014-05-14

弥勒石仏・中将姫伝説・花の御寺『石光寺』@葛城市染野

弥勒石仏・中将姫伝説・花の御寺『石光寺』@葛城市染野

葛城市染野の古刹『石光寺』。日本最古の白凰弥勒石仏が発見され、中将姫が使用した「染の井戸」が伝わり、牡丹と芍薬が有名な関西花の寺二十五霊場の札所で、さらに境内でモデル撮影会やコスプレイベントまで開催してしまうお寺さんです。當麻寺で「練供養会式」が営まれる5月14日は、芍薬の見頃を迎えていました。

【追記】當麻寺の「練供養会式」は毎年5月14日でしたが、2019年から「毎年4月14日」開催へと変更になります。


日本最古の弥勒石仏と中将姫伝説のお寺

葛城市染野にある『石光寺(せっこうじ)』(Wikipedia)。歴史あるお寺だけに、色んな見どころや特徴がありますので、簡単にご紹介しておきます。

●開山は役小角。この地で霊光を放つ大石が見つかったため、天智天皇の勅願により、この石に弥勒如来を刻み、堂宇を建立したと伝わります。1991年の発掘調査で、白鳳期の石造如来坐像(日本最古の白凰弥勒石仏)・瓦・せん仏などが出土し、寺伝を裏付けた

●「中将姫(ちゅうじょうひめ)」(Wikipedia)が使った井戸の伝説で有名。763年、中将姫は蓮の糸を石光寺の庭の井戸に浸したところ五色に染まり、それを使って當麻寺・当麻曼茶羅を一夜のうちに織りあげた。このことから「染寺(そめでら)」と呼ばれている

●「関西花の寺二十五霊場」の第20番札所。牡丹と寒牡丹(420種・2,700株)・芍薬(100種・500株)が多く、明治時代からの品種を守り続けている

●ご住職のTwitterアカウント(@sekkoji)があろのはもちろん、花の季節にモデルさんを招いての撮影会、さらにコスプレイベントを開催したり、その模様をUstreamでライブ中継(!)したり!ホームページも斬新です

そんな石光寺は、『當麻寺』から徒歩10分ほどの距離にあります。毎年5月14日、當麻寺で行われる「練供養会式」(紹介記事)の日には、いずれも中将姫伝説の伝わるお寺だけに、たくさんの方が参拝に押し寄せます。

この時期は、芍薬(シャクヤク)の花も見頃を迎え、とても賑わっていました!


石光寺@葛城市染野-01

葛城市染野の『石光寺』。大きく「日本最古 白鳳弥勒石仏の寺」とあります。普段は静かなお寺ですが、毎年5月14日は、近くの當麻寺で中将姫の来迎を再現した「練供養会式」が営まれるため、石光寺も大混雑になります

石光寺@葛城市染野-02
山門をくぐってすぐ。美しく白砂が盛られています。本堂では御本尊・阿弥陀如来像が、弥勒堂では、弥勒石仏の仏頭、たくさんのせん仏(粘土で作った浮彫状の仏像)、珍しい「船乗観音像」などが拝見できます(弥勒堂の開扉は「4月20日~5月20日」ごろ)

石光寺@葛城市染野-03
石光寺の境内にある「中将姫 染の井戸」。糸を掛けた「糸掛け桜」も。隣には「ツムラ」の碑が立っています。創業者が宇陀の出身で、中将姫から製法を教わったと伝わる薬「中将湯」を販売していたご縁でしょう

石光寺@葛城市染野-04
中将姫像と染の井戸。この井戸に浸して五色に染まった蓮糸を用いて、當麻寺・当麻曼茶羅を織りあげたと伝わっています。覗きこんでみると、とても小さな井戸でした


5月14日ごろは芍薬(しゃくやく)が見頃

石光寺の境内は、「関西花の寺二十五霊場」の札所になっているだけに、本堂裏手までたくさんのお花が植えられています。

春の牡丹と芍薬、冬の寒牡丹が有名で、5月14日の當麻寺「練供養会式」のころは、ちょうど芍薬が見頃を迎えます。同じシャクヤクでも色んな種類が植わっていて、色も形もさまざまです。境内のいたるところで観光客の方から歓声が上がっていました!


石光寺@葛城市染野-05

この時期の石光寺境内では、華やかな芍薬(しゃくやく)が多数開花しています。鐘楼や仏像、歌碑など、お寺ならではの落ち着いた雰囲気の中で咲く大きな花は、和の雰囲気にあふれていていいですね

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この時期だけの中将姫さまの御朱印も

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石光寺でいただける御朱印は、基本的に3種類です。本来の「弥勒如来」、関西花の寺霊場巡拝の「阿弥陀如来」、そして同じ地区にある不思議な建物『傘堂』の御朱印「阿弥陀如来」

石光寺@葛城市染野-20
弥勒堂の開帳期間である「4月20日~5月20日」の間は、特別に中将姫の御朱印「中将法如」がいただけます。寺名も染寺になっていますね

石光寺@葛城市染野-21
この日いただいたご本尊の御朱印。力強く美しいですね!たくさんの観光客で混雑していましたが、丁寧に書いていただけました


「中将姫の墓塔」にもお詣りください

當麻寺の練供養が行われる5月14日は、中将姫の命日とされる日です。石光寺~當麻寺の道の脇に、ひっそりと「中将姫の墓塔」がありますので、練供養を見に来た方はぜひお詣りしておきましょう。

場所は、當麻寺からすぐ近く、和の文具などを販売なさっている「文晃堂」さんの店舗の脇です。道路脇にお地蔵さまを祀る小さなお堂がありますが、この日だけはここも開扉されていました。お墓はその裏手になりますので、お見過ごしなく!

石光寺@葛城市染野-22
文晃堂さんの近くにあるお堂。この裏手に中将姫のお墓があり、小さな案内があります。このお堂も普段は閉まっていますが、5月14日は開扉されるんですね。石仏の地蔵菩薩坐像でした

石光寺@葛城市染野-24
これが「中将姫の墓塔」です。道から少しだけ入った墓地の一角にあります。ぜひお詣りしてください



■石光寺(せっこうじ)

HP: http://sekkouji.or.jp/
住所: 奈良県葛城市染野387
電話: 0745-48-2031
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀如来
創建: 白鳳時代
開基: 役小角(伝)
拝観料: 大人400円、小学生200円
拝観時間: 8:30 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「二上神社口駅」から徒歩約15分

※「関西花の寺二十五霊場」の第20番札所です


■参考にさせていただきました

石光寺 - Wikipedia
第20番 石光寺 - 関西花の寺二十五カ所公式ウェブサイト
中将姫 - Wikipedia


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