サッカーファンにご利益が?『八咫烏神社』@宇陀市
「サッカーワールドカップ 2010南アフリカ大会」の開幕直前ということで、宇陀市にある『八咫烏神社』へお参りに行ってきました。日本サッカー協会のシンボル「ヤタガラス」を祀り、サッカーボールを頭に乗せた八咫烏の石像がある神社としても知られています。
「八咫烏」に化身した神を祀っています
宇陀市にある榛原区にある『八咫烏神社(やたがらすじんじゃ)』。榛原駅から3.5kmほどの位置にある、のどかで小さなお社です。
御祭神は「武角身命(または建角身命。たけつぬみのみこと)」で、神武天皇の東遷の際に、熊野の山中で停滞していた一行を大和へと道案内した「八咫烏」に化身したと伝えられています。このため、古くから軍神として崇められ、南北朝時代には後醍醐天皇の篤い信仰を受けたそうです。
武角身命(建角身命)を祭神とする八咫烏神社は、『続日本紀』に慶運2年(705年)9月、八咫烏の社を大倭国宇太郡に置いて祭らせたことがみえ、これが当社の創祀となっています。江戸時代(文政年間・1818~1830)には、これまで石神殿であったものが春日造りの社殿となりました。その後、期限二千六百年を記念して社域を拡張・整備し、現在に至っています。『古事記』『日本書紀』によると、神武天皇が熊野から大和へ入ろうとしたときに道案内し、重要な役割をつとめたのが八咫烏(武角身命の化身)です。八咫烏は、中国の陽鳥としての考え方が影響しているようです。
八咫烏伝承は、もともと宇陀の在地氏族に伝承されていたと思われますが、8世紀以降、山城の賀茂県主が有力となってからは、賀茂氏が祖とする武角身命が八咫烏となったようです。
八咫烏神社の案内看板より
宇陀市榛原区にある『八咫烏神社』。サッカー日本代表のシンボルともなっている、三本足の鳥「ヤタガラス」と縁のある神社です。サッカーボールとヤタガラスの像も奉納されています
鳥居をくぐって振り返ったところ。細い道ですが、この道の先に駐車場があります。周りは民家と田んぼののどかなところです
駐車場付近からの眺め。右手に見える建物が社務所ですが、この日は無人で、「御用の方は隣の●●へお声がけください」というような表示がありました
八咫烏神社の由緒を記した案内看板です。『続日本紀』にその名を記された古社であること、御祭神の「武角身命(建角身命)」が化身した姿が八咫烏であることなどが説明されています
八咫烏神社の境内です。正面の拝所の裏手に短い石段があり、本殿が祀られています。あとは手水舎があるくらいで、小さくて素朴な神社です
脇から見た本殿。現在は春日造ですが、江戸時代まで石の神殿だったとか
サッカーボールとヤタガラス像があります
また、このヤタガラスという霊鳥は、サッカー日本代表のシンボルともなっていることでも知られています。八咫烏神社の境内には、まだ比較的新しい「頭上にサッカーボールを乗せたヤタガラスの石像」があるのです。
(参考サイト「八咫烏 - Wikipedia」)
実際に見てみると、とても霊鳥とは思えないようなコミカルな表情をしているため、ちょっと拍子抜けしてしまいますが、ちゃんと足は3本ありますし、ヤタガラスであることは間違いありません!しっかりとサッカー日本代表のワールドカップでの活躍を祈願してきました。
奉納されているお酒も、北岡本店さんの「やたがらす」ですし、ヤタガラスがモチーフになったお守り(@500円)も販売されていますので、サッカーファンの方はぜひお参りしてみてください!
境内にポツリと置かれた、サッカーボールとヤタガラスの石像。頭上にサッカーボールを乗せて、コミカルな表情をしていますが、霊鳥ですからちゃんと3本足になっています!
別アングルから。せめてもう一体あって、狛犬のような配置になっていたらかっこいいんですけどね。ワールドカップ前ということで、サッカー日本代表の健闘をお祈りしておきました!
拝所に奉納してあるお酒も、もちろん「やたがらす」。吉野町の「北岡本店」さんが造っているお酒です。日の丸をあしらったデザインがいいですね
八咫烏神社のお守りです。しっかりと三本足の姿も描かれていますし、「八咫烏」の文字も入っていますので、サッカーファンの方は購入しておくとご利益があるかも!
■八咫烏神社
HP: http://www.yatagarasujinja.net/
住所: 奈良県宇陀市榛原区高塚42
電話: 0745-82-2046
主祭神: 建角身命(たけつぬみのみこと)
創建: 705年
拝観料: 境内自由
駐車場: 無料
アクセス: 榛原駅から約3.5km
※記事の日付は「2010年6月5日」になっていますが、実際にお参りしたのは「2010年6月9日」です