2022-04-14

3年ぶりの来迎橋!2022年『聖衆来迎練供養会式』@當麻寺

3年ぶりの来迎橋!『聖衆来迎練供養会式』@當麻寺(葛城市)

毎年4月14日、中将姫のご命日に當麻寺(葛城市)で営まれる『聖衆来迎練供養会式』。3年ぶりに境内に来迎橋が架けられましたが、菩薩さまの数は本来の二十五から七へ減らすなどしての開催となりました。やや変則的でしたが、感動的な素晴らしい体験をさせていただきました!


千年続く美しく荘厳な宗教儀式

葛城市の古刹・當麻寺(たいまでら)で毎年4月14日に催される『聖衆来迎練供養会式(しょうじゅらいごう ねりくようえしき)』(通称:お練り、練供養会式)。

御本尊である「當麻曼荼羅」を一夜にして織り上げたと伝わる「中将姫(ちゅうじょうひめ)」Wikipediaの命日に行われる、中将姫を二十五菩薩さまたちがお迎えし、極楽往生を遂げるシーンが再現された宗教儀式です。

こうした「練供養」の法要は、『往生要集』を著したことで知られる天台僧・恵心僧都源信(えしんそうず げんしん)が、比叡山で始めたとされています。源信の生まれ故郷である當麻の地にもそれが伝わり、1005年に初めて行われてから、千年以上もずっと続けられています。


そんな歴史ある法要ですが、新型コロナウィルス感染症のため、2020年・2021年と規模を大幅に縮小しての開催となり、参拝することができませんでした。

そして2022年、3年ぶりに境内に来迎橋(らいごうばし)が架けられるなど、従来の形式に少しずつ戻されてきました。菩薩さまの数は本来の二十五から七へ、稚児行列や雅楽演奏などが行われないなど、まだ完全な形ではないものの、少しずつコロナ前に近づいてきています。


聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-01

2022年の當麻寺『聖衆来迎練供養会式』の当日。3年ぶりに120mにも及ぶ「来迎橋」が架けられました。この日は地元の小学校などもお休みになりますが、コロナ禍ということもあって屋台などの出店はなし。お子さんたちは残念だったでしょう。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-02
なお、練供養会式の開催日は、以前は毎年5月14日でしたが、2019年からは本来の季節に近づけるため「4月14日」の開催へと変更されています。このため境内の八重桜の開花時期と重なるようになりました。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-03
法要に先立って、中将姫さまのお像をのせた神輿が登場します。
背後には、當麻寺のシンボルである国宝・三重塔。東塔(奈良時代)・西塔(奈良~平安時代)という古代の双塔が現存する、日本でも唯一のものとなります。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-04
2022年の練供養会式。まずは僧侶の方々が来迎橋を渡られます。
本堂の曼荼羅堂はこの日は「極楽堂」と呼ばれ、来迎橋の先の「娑婆堂」と繋がれます。練供養会式は、現世にいる中将姫さまを極楽へとお連れする様子をわかりやすく表す宗教儀式となっています。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-05
続いて菩薩さまたちが登場。背後に「観音菩薩(すくい仏)」の姿も見えます。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-06
きらびやかな菩薩さま。本来は二十五の菩薩さまが登場しますが、2022年は七へ数を減らしての開催でした。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-07
蓮弁を手にした「観音菩薩(すくい仏)」、両手で拝みながら歩む「勢至菩薩(おがみ仏)」、天蓋を持った「普賢菩薩」と続きます。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-01
観音菩薩(すくい仏)さまの動きをGIF動画で。
このゆっくりとしたスクワットのようなムーブで、約120mの来迎橋を往復するのですから大変です。また、菩薩の面をつけているため視界も限られる中で、高い橋の上を移動するのですから、誰にでもできるものではありません。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-08
腰を深く落とした勢至菩薩(おがみ仏)さま。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-02
勢至菩薩(おがみ仏)さまのGIF動画です。
こちらもゆっくりとした上下動を繰り返します。先行するすくい仏さまと動きをシンクロさせるため、おそらくタイミングの調整などもされているでしょう。こちらも大変です。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-09
菩薩さまたちは、来迎橋の先にある娑婆堂へ、中将姫をお迎えにあがります。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-10
娑婆堂から極楽堂へと戻るすくい仏さま。復路では蓮弁の上に中将姫さまの像をのせ、極楽へとお連れしています。

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-03
こちらもGIF動画で。現地で拝見すると、脚を踏みしめる音なども静かに響き、宗教儀式ならではの神々しさと迫力が感じられます!

聖衆来迎練供養会式@當麻寺(葛城市)-12
菩薩さまたちも極楽堂へと戻られます。
2022年はコロナ禍のため簡略化しての開催となりましたが、来年こそ本来の形へ戻るといいですね。



■當麻寺

HP: 
中之坊 - http://www.taimadera.org/
奥院 - http://www.taimadera.or.jp/
西南院 - http://taimadera-sainain.or.jp/
護念院 - https://taimadera-gonenin.or.jp/

住所: 奈良県葛城市當麻1263
宗派: 高野山真言宗・浄土宗
本尊: 当麻曼荼羅
創建: 7世紀前半ごろ
拝観料: 境内は無料(伽藍:500円、中之坊:500円、西南院:300円、奥院:300円、護念院:300円)
拝観時間: 9:00~17:00
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」から徒歩約20分


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