2013-11-05

3基の前方後円墳!石室に入れます『珠城山古墳群』@桜井市

3基の前方後円墳!石室に入れます『珠城山古墳群』@桜井市

桜井市穴師にある国指定史跡『珠城山古墳群』(たまきやまこふんぐん)。古道「山の辺の道」のルート上にあり、景行天皇陵や箸墓古墳からも近くにあります。6世紀ごろの前方後円墳3基からなり、1号墳は横穴式石室にも入れます!自然石を乱積みした石室はなかなか見事ですから、興味のある方はぜひその技術の高さに驚いてみてください!


箸墓古墳と景行天皇陵の間にある古墳群

桜井市穴師にある国指定史跡『珠城山古墳群』は、古墳時代後期(6世紀)の前方後円墳3基からなる古墳群です。

古道「山の辺の道」のルート上にあり、「景行天皇陵(渋谷向山古墳)」Wikipedia)から徒歩約10分、卑弥呼の墓かと言われる「箸墓古墳」(Wikipedia)から15分ほどの位置にあります。崇神天皇60年の創建と伝わる古社「大兵主神社(だいひょうずじんじゃ)」と、その摂社であり日本の国技・相撲発祥の地である「相撲神社」(紹介記事)からも近くにあります。

古代の巨大古墳が点在するエリアにありますが、箸墓古墳や渋谷向山古墳が3~4世紀に築かれているのに比べて、珠城山古墳群は6世紀の築造と、かなりあとの時代のものです。規模も小さめですが、珠城山1号墳は「横穴式石室にも入れる」(しかも衣服を汚さずに入れます)など、立ち寄ってみて楽しい古墳なのです。


珠城山古墳群@桜井市-01

桜井市穴師の『珠城山古墳群』。民家の向こうに見える丘の部分に、3基の前方後円墳が築かれていました。3号墳は土砂採取のためほぼ消滅しています。多くのハイカーが歩く「山の辺の道」近くにあります。駐車場などはありませんので、お車の方はお気をつけください

珠城山古墳群@桜井市-13
そのすぐ近くには「垂仁天皇纒向珠城宮跡」の碑が立っていました。第11代・垂仁天皇の皇居があったとされる場所で、古代の日本の中心地でした。今では民家と工事現場に囲まれています

珠城山古墳群@桜井市-14
邪馬台国の女王・卑弥呼が眠るとも伝わる、美しい「箸墓古墳」(倭迹迹日百襲媛命大市墓)もすぐ近くにあります


古墳時代後期の前方後円墳3基(1基は消滅)

現地にはこのような説明がありました。

国指定史跡 珠城山古墳群

珠城山古墳群は古墳時代後期(6世紀)に築造された前方後円墳3基からなる古墳群で、発掘が行われた1・3号墳からは、環頭大刀や金銅装馬具などの豪華な副葬品が出土しています。2→1→3号墳の順に築かれたと考えられ、この地域を支配していた豪族が代々築いたものだだと思われます。1950年頃から行われた度重なる土砂採集により、3号墳の大部分は失われましたが、その他の部分は保存され、1978年2月に国の史跡に指定されました。その後、墳丘調査が行われ、2・3号墳間から円筒埴輪列や盾持人物埴輪が出土するなど多くの成果がありました。現在1号墳の墳丘や横穴式石室、2号墳の墳丘が見学できるようになっています。

現地の説明より


古くから日本の中心地であったこの地域を支配していた豪族の墓と考えられています。巻向古墳群の中でも比較的規模の大きな墳丘であり、玻璃製小玉・琥珀製棗玉・馬具・太刀・甲冑・須恵器など、豪華な副葬品も多数見つかっていることから、さぞ力のあった一族だったのでしょう。


珠城山古墳群@桜井市-02

向かって右から1号墳・2号墳・3号墳と、3基の前方後円墳が並んでいました(3号墳はほぼ失われています)。それぞれ墳墓の上を歩けるだけではなく、1号墳は横穴式石室の中にも入れるように整備されています

珠城山古墳群@桜井市-03
それぞれの古墳のサイズが書いてありました。「1号墳-全長約50m×後円部径約24m、2号墳-全長約90m×後円部径約45m、3号墳-全長約50m×後円部径約24m」


自然石を乱積みした見事な石室に入れます!

道路から見上げると、墳丘の頂上部分に石室が開口しているのが見えます。鳥居のあるつづら折りの道を上がっていくと、すぐに珠城山古墳1号墳の石室が見えます。

規模はそれほど大きくありませんが、赤身を帯びた大小さまざまなサイズの自然の花崗岩を積み重ねた様は、なかなかの迫力です。大きな石のまわりの隙間を、小さな石で一生懸命に埋めてあったりして、かなりラフに見えますが、何世紀も崩れずに遺っているんですから大した技術ですね。

1号墳の頂上には稲荷神社があり、隣の2号墳の墳丘の頂上にも行けるようになっています(何もありませんが)。ここからたくさんの豪華な副葬品が見つかっているそうですから、ぜひ想像を広げてみてください!


珠城山古墳群@桜井市-04

珠城山古墳1号墳を、道路から見たところ。つづら折りの道を登り、赤い鳥居を越えて行くと石室が見えます。山頂近くの土色の部分に開口しているのが見えます

珠城山古墳群@桜井市-05
珠城山古墳1号墳の横穴式石室の入口部分。大きな古墳のように、羨道・玄室といった区切りはなく、すぐに玄室になります。簡単にいえば「ワンルーム」のようなイメージですね。石室への入りやすさは抜群でしょう

珠城山古墳群@桜井市-06
石室の内部。玄室のサイズは、長さ約3.4m×幅約1.65m×高さ約2m。赤身を帯びた花崗岩の自然石を乱積みにした、片袖式石室と呼ばれる形です。ここの中央には凝灰岩製の組合式石棺が据えられており、その中から人骨も見つかったのだそうです

珠城山古墳群@桜井市-07
天井石はそれなりに大きめ、という程度。石室を組むには小さな石を用いて、ずっと崩れないようにしてあるんですから、すごい技術力ですね

珠城山古墳群@桜井市-08
別アングルで

珠城山古墳群@桜井市-09
大きめの石の廻りに、小さな石を詰め込んだ様がすごいです!今にも崩れそうでヒヤヒヤします

珠城山古墳群@桜井市-10
珠城山古墳1号墳のてっぺん、ちょうど石室の上の部分には小さな稲荷神社があります。手を合わせておきましょう

珠城山古墳群@桜井市-11
珠城山古墳2号墳の方面へは、別のルートからも上がれます

珠城山古墳群@桜井市-12
2号墳の頂上部分。すでに遺体はありませんが、人のお墓の上に立つのですから不思議な気分ですね



大きな地図で見る


■珠城山古墳群

所在: 奈良県桜井市穴師1067
アクセス: JR万葉まほろば線(桜井線)「巻向駅」より徒歩10分ほど


■参考にさせていただきました

珠城山古墳群 - 奈良の名所・古跡
桜井市の珠城山古墳とは!そのⅡ - 近畿地方の古墳巡り!


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