2009-11-08

その数1600体以上!千体石仏のお寺『九品寺』@御所市

その数1600体以上!千体石仏のお寺『九品寺』@御所市

奈良県御所市にある『九品寺(くほんじ)』へ行ってきました。山麓線沿いにある小さなお寺なんですが、1,600体~1,700体というものすごい数の「千体石仏」があるお寺として知られています。どれも素朴でシンプルな石仏ばかりですが、なかなか迫力がある光景が見られました!


御本尊「阿弥陀如来坐像」は重文です!

奈良県御所市にある『九品寺』(山号:戒那山(かいなさん))は、聖武天皇の詔により、奈良時代の僧「行基」が開基したお寺とされていますが、創建年などははっきりとしていません。1558年には、浄土宗に改宗しています。

九品寺は、境内や裏山に「千体石仏(または千体地蔵尊)」があるお寺として知られています。この石仏は、南北朝時代にこの地を支配していた御所城主「楢原氏」が北朝側と戦った際に、地元の方たちが奉納したものが始まりで、現在では1,600体~1,700体もの石仏があるのだそうです。

観光寺院ではないため、境内は決して広くありませんが、本堂にいらっしゃる御本尊は、平安後期作の「阿弥陀如来坐像」で、何と重要文化財に登録されているのだそうです!そのお姿はよく見えませんでしたが、こんなそれほど大きくないお寺にも、そんな古い仏さまがいらっしゃるというのが驚きですね!


九品寺@葛城市-01

奈良県御所市の県道30号線(通称:山麓線)沿いに建つ『九品寺』。観光寺院ではない小さなお寺ですが、本堂奥にある「千体石仏(または千体地蔵尊)」が有名です

九品寺@葛城市-03
山門脇には、西国三十三所の御本尊を模した石仏が並んでいます。この仏さまを拝んで周ると、手軽に巡礼者と同じ功徳が得られるというものですね。お花が咲く庭園も含めて「十徳園」と呼ばれるお庭になっています

九品寺@葛城市-25
九品寺の山門をくぐってすぐにいらっしゃるお地蔵さん。「千体石仏」が有名なお寺ですから、いたるところにお地蔵さんがいらっしゃいます

九品寺@葛城市-05
九品寺の本堂です。それほど古いものではない思いますが、質実剛健ですね

九品寺@葛城市-06
本堂前の様子。御本尊は平安時代作の木造仏「阿弥陀如来坐像(重文)」です。扉ごしに少しだけ姿が見えましたが、薄暗すぎてほとんど分かりませんでした。こんなそれほど大きくないお寺にも、普通に重要文化財クラスの仏さまがいらっしゃるんですから、奈良はすごいですね!

九品寺@葛城市-07
本堂から見た境内。寺務所、石塔、鐘楼と並んでいます

九品寺@葛城市-08
本堂から見て右手には、形の整った燈籠と「地蔵堂」が。地蔵堂の扉は完全にしまっていて、内部を拝見することはできませんでした


裏山の道沿いにも石仏が並びます

九品寺の本堂脇の小道を抜けて裏山へ進むと、道沿いにズラリと石仏が並びます。どれもとても素朴な作りで、表情まではよくわかりませんが、ちゃんと全部違った形になっているんですよね。これだけの石仏があると圧巻です。

また、裏山を上ると(それほど長い距離ではありません)、本堂の屋根瓦がちょうど目線の高さに来たり、見下ろす高さに来たりします。改めて目の前で瓦屋根を眺めると、シンメトリーが美しく感じられますので、ぜひじっくりと眺めてみてください。天気が良ければ、遠目に畝傍山なども見えます。


九品寺@葛城市-09

本堂右手の細い道を通った裏山に「千体地蔵尊」がいらっしゃいます。それほど長い上りではありませんので、お気軽にどうぞ

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九品寺の千体仏へ向かう途中では、本堂の屋根が目線の高さで見られます。落ち葉が乗っているのが残念ですが、とても美しい光景です!

九品寺@葛城市-11
本堂の大屋根を真正面から見たところ。シンメトリーが美しいですね

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裏山の細い道沿いには、素朴な石仏がズラリと並んでいます。どれも相当にシンプルなため、表情までは分かりませんが、どれも少しずつ違うデザインになっているようです

九品寺@葛城市-13
道沿いにはずっと石仏が並びます


赤い前掛けのお地蔵さん「千体石仏」

九品寺の裏山を進むと、赤い前掛けをかけたお地蔵さんが並ぶコーナーが見えてきます。一般的には「九品寺の千体石仏」といえば、この一角を指すことが多いようですね。

なかなか迫力のある眺めなんですが、残念ながらお邪魔した時間帯がちょっと遅めだったため、あまり写真写りが良くなかったのが残念です。この一角はうっそうとした木々に囲まれていますし、九品寺は西側に山があるため日没も早いんですよね。写真を撮りたい方は、ぜひお天気のいい早めの時間帯に行ってみてください。

また、そのお地蔵さんたちの脇にある石段を上ってみると、黒っぽくなった緑色の前掛けのお地蔵さんたちの一群もいらっしゃいます。なかなか珍しい色合いですので、こちらもお忘れなく!


九品寺@葛城市-14

九品寺「千体石仏」の中心部分。赤い前掛けをしたお地蔵さんがズラリと並びます!このお地蔵さんを含めて、九品寺には1,600体~1,700体の石仏があるのだとか!ものすごい数ですね

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手前に座っているのもお地蔵さんなら、上に凛々しく立っているのもお地蔵さん。バリエーションは豊富です

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お地蔵さんの前の苔むした燈籠。上にフクロウが止まっているのがいい味を出してます!フクロウ付きの燈籠は、意外と珍しいかもしれませんね

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さらに奥へ進むと、また別のお地蔵さんの一群が。こちらは前掛けが黒っぽい緑色のため、どことなくダーク。ちょっとだけ邪悪な雰囲気まで感じてしまいました・・・


色んなパターンの石仏が見られました

ここからは、この日、九品寺で撮影した石仏コレクションです。少し異様な表情のお地蔵さんなどもいらっしゃって面白いですね。


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■九品寺(くほんじ)

HP: 御所市ホームページより
住所: 奈良県御所市楢原1188
電話: 0745-62-3001
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀如来坐像(重要文化財)
創建: 不詳
開基: 行基(伝)
拝観料: 境内自由
拝観時間: 境内自由
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄御所線「近鉄御所駅」より、奈良交通バス葛城ロープウェイ前行き「くじら口」下車、徒歩25分






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