伝快慶作の阿弥陀三尊像を祀る『洞泉寺』@大和郡山市
大和郡山市にある『洞泉寺』へお参りさせていただきました。こちらは誰もが知っているようなお寺さんではありませんが、御本尊は快慶作と伝わる「阿弥陀三尊像(重文)」がいらっしゃいます。拝観には事前予約が必要ですが、またいつか伺いたい素晴らしいお寺でした。
豊臣秀長建立の大和郡山の名刹
大和郡山市にある『洞泉寺(とうせんじ)』は、1585年、豊臣秀長が建立したお寺です。
洞泉寺の周辺「洞泉寺町」は、かつての花街で、木造3階建ての旧遊郭の建物が残されています。城下町らしく一方通行が多かったり、道が極端に細かったりするため、車で行くのはやや苦労するかもしれませんが、近鉄郡山駅から徒歩10分ほどの距離にありますので、街を散策しながら歩くのもいいかもしれませんね。
なお、拝観には事前予約が必要となりますので、必ず電話で連絡をしてからお邪魔するようにしてください。
大和郡山市の洞泉寺町にある浄土宗の寺院『洞泉寺』。拝観には事前予約が必要ですが、御本尊は快慶作と伝わる「木造阿弥陀如来及両脇侍立像(重文)」です!
鉄製の門をくぐると、すぐに小さな中門が見えます。この日のお天気は、小雨交じりで残念でしたが、萩の花が清楚でした
洞泉寺の境内の様子。周囲はマンションなどに囲まれていますが、広々としています。向かって右手の建物から入ります
阿弥陀三尊像に「五劫思惟阿弥陀像」も!
洞泉寺の御本尊は、鎌倉時代の大仏師・快慶の作と伝わる「木造阿弥陀如来及両脇侍立像(重文)」です。真新しい本堂の真新しい御厨子の中に、阿弥陀如来立像と、脇侍の観音菩薩・勢至菩薩像とともに、とても美しい仏さまでした(大和郡山市のホームページに画像があります)。
寄木造りで、衣文も切金の細工も見事。中尊がシンプルでオーソドックスな阿弥陀像であるのに対して、両脇侍の衣の表現など細かな彫刻ぶりが目立ち、とてもバランスのいい三尊像でした。寺伝どおり快慶の作かどうかは分かりませんが、お会いするだけの価値のある美しい仏さまでした。
また洞泉寺には、この他に珍しい「五劫思惟阿弥陀如来像」(いわゆるアフロ阿弥陀さま)もいらっしゃいました。奈良県内には、東大寺阿弥陀堂・五劫院・十輪院などにいらっしゃいますが、まさかこんなところでお会いできるとは思っていませんでしたので驚きました。
また、後から知った情報ですが、洞泉寺さんでは場合によっては、仏さまの撮影をお許しいただけることもあるのだとか。タイミングなどもあると思いますので、常に撮影可ということでも無いと思われますので、お参りの際に丁寧にお聞きしてみるといいかもしれませんね。
●参考サイト
マニアック奈良11 洞泉寺にて快慶仏にお会いする - マムの素 * 青カバ・ウィリアムはかく語る - 楽天ブログ(Blog)
洞泉寺の「本堂」。まだ真新しく、お堂の内部も美しいものでした。この本堂には、快慶作と伝わる御本尊「木造阿弥陀如来及両脇侍立像(重文)」、五劫思惟阿弥陀如来像(アフロ阿弥陀さま)などがいらっしゃいます。また、隣接する「源九郎稲荷神社」のご神体像も祀られているそうです(秘仏です)
お隣り『源九郎稲荷神社』にもお参りを
洞泉寺には、小さなお堂が二つあり、その一つは「光明皇后勅願 垢かき湯船地蔵尊」とある、長い歴史のある石仏でした。また、隣接している『源九郎稲荷神社』も、洞泉寺の創建から縁の深い神社となりますので、合わせてお参りしておくといいでしょう。
●参考サイト
源九郎稲荷神社(奈良県大和郡山市) あらいのじかん~神社と朱印、ときどき猫と自転車~/ウェブリブログ
洞泉寺の境内には、小さなお堂が2つあります。その一つが、「源九郎天 仮本殿」と描かれたこのお堂です。現在は立派な本堂が完成してそちらに移されていますので、内部にはどなたもいらっしゃらないのかも?
この小さなお堂は「光明皇后勅願 垢かき湯船地蔵尊」の額がありました。よく見えませんでしたが、ふっくらとした石仏「垢かき地蔵」さんがいらっしゃるようです。光明皇后のお名前が出てくるのがすごいですね
洞泉寺と隣接する『源九郎稲荷神社』。洞泉寺とは創建当時から縁のある神社ですので、ぜひ合わせてお参りしておきましょう
洞泉寺でいただいたご朱印です。「無料寿光」とあります。他のお寺では御朱印代として300円をお収めすることが多いのですが、こちらは500円でしたのでご注意ください
■洞泉寺
HP: 参考サイト(るるぶ.com)
住所: 奈良県大和郡山市洞泉寺町15-1
電話: 0743-52-2893
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀如来(重要文化財)
創建: 1585年
開基: 豊臣秀長
拝観料: 境内自由(本堂 300円)
拝観時間: 10:00 - 16:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄橿原線「近鉄郡山駅」から徒歩10分
※本堂の拝観は事前予約が必要です
※ご朱印代として500円を収めさせていただきました