2010-09-18

万葉集だけじゃない総合施設『万葉文化館』@明日香村

万葉集だけじゃない総合施設『万葉文化館』@明日香村

現在、「写真展 小川晴暘と奈良 飛鳥園のあゆみ」という企画展が行われている『奈良県立 万葉文化館』へ行ってきました(2010年10月26日まで)。想像以上に素晴らしい内容でしたので、その感想と合わせて、通常展示なども簡単にご紹介しておきます。


「飛鳥光の回廊」中は夕方から無料です

明日香村にある『奈良県立 万葉文化館』とは、「万葉のふるさと・奈良にふさわしい『万葉集』を中心とした古代文化に関する総合文化拠点」として作られた施設です。万葉に関する文化の振興を図る展示(万葉ミュージアム)、万葉集に関する情報の収集提供を行う情報サービス機能(万葉図書・情報室)などが併設されています。

もちろん、普段は有料の施設になりますが、この日は明日香村を挙げてのイベント「飛鳥光の回廊」が行われていたため、夕方以降は観覧料も無料でした!

今回は夜に入館していますが(その分、画像が暗めでスミマセン)、通常は17時半までしか開館していませんので、お気をつけください。


奈良県立万葉文化館@明日香村-01

奈良県明日香村にある『奈良県立 万葉文化館』。古都・奈良にふさわしい「万葉集」を中心とした古代文化に関する施設です。通常は観覧料600円が必要ですが、この日は「飛鳥光の回廊」が行われたため、夕方からは無料で入館させていただけました

奈良県立万葉文化館@明日香村-02
『万葉文化館』の建物。夕暮れ時のためやや分かりづらいですが、2001年9月の開館で、建物もとてもきれいです。前には広い庭も広がっていて、のんびり散策するのにもいいですね

奈良県立万葉文化館@明日香村-03
夕暮れの万葉文化館


駐車場も無料に!図書室なども無料です

万葉文化館に入ると、右手には図書情報室・カフェレストラン・ミュージアムショップがあります。こちらはどなたでも常に無料で利用できますので、万葉文化館の展示物を見ない方でも、図書館だけ、ミュージアムショップだけといった利用も可能です。

また、2010年9月より、万葉文化館前の駐車場が無料となりましたので、ドライブのついでに立ち寄って奈良土産を購入したり、「万葉図書・情報室」で万葉集の関連書籍を読んだり、車でも気軽に使えるようになりました。

万葉文化館のすぐ脇には「酒船石遺跡(Wikipedia当サイト内)もありますので、ぜひ合わせて立ち寄ってみてください。


奈良県立万葉文化館@明日香村-04

万葉文化館の建物に入ったところ。この奥に進むと、企画展示室・一般展示室・特別展示室などがあります。また、右手には、 図書情報室・カフェレストラン・ミュージアムショップがあり、こちらは無料で利用可能。どなたでも万葉集の膨大な資料を閲覧したり、関連グッズを購入したりできます

奈良県立万葉文化館@明日香村-22
無料エリアにあるミュージアムショップ。奈良・万葉集・古代史などの関連書籍や、飛鳥らしさが感じられる洗練されたお土産物が多数販売されています。飛鳥土産を探すのにいいですね

奈良県立万葉文化館@明日香村-23
同じく無料で利用できる「万葉図書・情報室」。万葉集をはじめ、日本古代文化に関する情報や図書資料を集め、現在の蔵書は約1万冊。データベース化された「万葉百科システム」でリファレンスでの調べ物もできます。古代を舞台とした漫画なども置いてありましたので、時間がある時にのんびり読書したいですね


仏像ファン必見の写真展が開催中!

万葉文化館では、この日から「写真展 小川晴暘と奈良 飛鳥園のあゆみ -小川光三・金井杜道・若松保広-」という企画展示が行われていました(2010年10月26日まで。会期中無休)。


奈良県立万葉文化館@明日香村-06

この日は、企画展示室で「写真展 小川晴暘と奈良 飛鳥園のあゆみ -小川光三・金井杜道・若松保広-」が行われていました。飛鳥園さんとは、88年にわたって奈良の仏像写真を取り続けている会社で、その作品たちを集めて展示しています。仏像本などで見た写真も大判のパネルで見ると、迫力が違います!


実は、この前日に、ブロガーを特別内覧会にご招待という嬉しい企画が催されており、私も喜び勇んで申し込みしていたのですが、当日は仕事の都合で伺うことができず・・・。せっかく写真展の様子を撮影できるチャンスをフイにしてしまっていたのです。

その模様は、参加なさったブロガーの皆さんのレポートからご覧ください。


東西寺 南北堂:記録写真?芸術作品?記録写真芸術家「金井杜道」の真髄
東西寺 南北堂:兵隊さんの母親代わりは「弥勒菩薩像」 小川晴暘写真展での落涙
「写真展 小川晴暘と奈良飛鳥園のあゆみ」 ~万葉文化館~ - 明日香の徒然なるままに - Yahoo!ブログ
SOUL和尚の辻説法 : すばらしい!


残念ながら、私は写真入でご紹介することはできませんが、その内容は素晴らしかったですね。仏像好きな方にはぜひご覧いただきたいと思います。

飛鳥園」とは、今から88年前、朝日新聞社に在籍していた写真家「小川晴暘氏」が、会津八一氏の勧めを受け、仏像などの撮影を行うために創業しました。今回の写真展では、同氏の作品と、三男の小川光三氏、弟子に当たる金井杜道氏・若松保広氏らの写真が、大きなパネル展示されています。

小川晴暘氏は、仏像の撮影が一般的ではなかった時代から活躍されている、文字どおり先駆者であり、第一人者であった方ですから、仏像本などで見たことがある有名なものも多数展示されていました。今では当たり前の技法となった「黒いバックで仏像を撮影する」という手法も、同氏が始めたものなのだそうです。

奈良の有名な仏像を中心として、ため息が出てしまうような迫力のある写真がズラリと並び、(おかしな言い方ですが)仏さまがすぐそこに息づいているかのような存在感が感じられるのです。白黒ならではの静謐さが伝わってきて、本当に圧巻でした。

小川光三氏の時代以降はカラー写真となりますが、新薬師寺・婆娑羅像などは親子2代、ほぼ同じアングルから撮影されたものが展示されていましたし、興福寺・阿修羅像を360度すべての角度から見られるような展示や、奈良の美しい風景写真などもあり、最後まで飽きることなく楽しませていただきました。

仏像がお好きな方は、ぜひ期間中(2010年10月26日まで!)に行ってみてください。


館内に「飛鳥池工房遺跡」の復元展示も

このような企画展だけではなく、万葉文化館には「飛鳥池工房遺跡」の復元展示などもあります。

飛鳥池工房遺跡とは、7世紀後半~8世紀初めに、金・銀・漆・ガラスなどを使った様々な製品が作られていた工房跡の遺跡で、日本最古の銅銭「冨本銭」の鋳造も行われていたのだとか。工房跡の発掘調査時の状態を実物大で復元したスペースがあり、実際の遺構は、4m下に埋め戻されています。

近代的な建築物のすぐ下に貴重な遺構が眠っていると考えるだけで面白いですね。地下1階の「特別展示室」には、出土品の展示などもありました。


奈良県立万葉文化館@明日香村-08

万葉文化館には「飛鳥池工房遺跡」の復元があります。この遺跡は、1991年の発掘調査で見つかった7世紀後半~8世紀初めの工房跡で、金・銀・漆・ガラスなどを使った様々な製品が作られていたことが判明しています。日本最古の銅銭とされる「冨本銭」の鋳造も行われていたのだとか

奈良県立万葉文化館@明日香村-09
別角度から。近代的な建物のすぐ下に遺跡がある光景は、とてもシュールですね。ただし、飛鳥池工房遺跡は、工房跡の発掘調査時の状態を実物大で復元したもの。実際の遺構は、この4m下に埋め戻されて保存されています

奈良県立万葉文化館@明日香村-10
建物から飛鳥池工房遺跡まで、スロープですぐ脇にまで下りられます。復元されたものとはいえ、これほどの大規模な遺跡をこれだけ間近に見られるのも面白いですし、この4m下には、1300年前の人々が働いていた最先端の工房があったのですから、ちょっと不思議な感じがします

奈良県立万葉文化館@明日香村-19
地下1階にある「特別展示室」の様子。飛鳥池工房遺跡についての資料が展示してありました。パネルには飛鳥池工房遺跡の地図などもあり、遺跡からの出土品なども多数展示されていました

奈良県立万葉文化館@明日香村-21
模造でしたが、鋳造時の「冨本銭」の展示もあります。製品になる前の状態のものも複製されていて、古代の貨幣の作り方が分かって面白いですね。飛鳥池工房で作られていたものではありませんが、和同開珎や開元通宝の実物の展示もありました


ちょっとシュールな「一般展示室」

さらに、地下1階の「一般展示室」では、万葉集とその時代を紹介する、ちょっと変わった展示もあります。万華鏡のような一角や、蝋人形を使った展示があったり、映像を使ったシアターがあったりしますので、こちらも合わせてご覧ください。

この日は私たちは時間が足りなかったため、「万葉劇場」などは拝見できませんでしたが、万葉集好きな方はぜひどうぞ。


奈良県立万葉文化館@明日香村-12

地下1階の「一般展示室」に入ったところにある「歌とは何だろう」のコーナー。急に薄暗くなって驚きますが、ここでは映像・パネルなどを使って、万葉歌や童謡などの様々な歌の関連性を紹介しています

奈良県立万葉文化館@明日香村-13
奥へ進むと、古代の民家風の建物の前に、何体もの蝋人形が!中央で輪になっているのは「歌に興じる男女」。奥には物売りのお爺さんが座っています。この一般展示室だけは、他とは全く違った雰囲気ですので、驚かないようにしてください(笑)

奈良県立万葉文化館@明日香村-15
これは「野菜・果物を並べた店」というタイトルでした。708年に発行された貨幣「和同開珎」が市場でも使われていたことを記したパネルがありましたこんな時代から貨幣経済が始まっていたのかと思うと、さすがに奈良の都は進んでいたんですね!

奈良県立万葉文化館@明日香村-16
こんな貴族の建物を模したジオラマも。靴を抜いて上がることもできます

奈良県立万葉文化館@明日香村-18
左手に見える朱塗りの建物は「万葉劇場」です。万葉歌人の歌をもとに、能や雅楽をはじめとした日本の伝統芸能のエッセンスも織り交ぜて紹介しています。内容は、人形と映像による歌劇「額田王」と「柿本人麻呂」、アニメーション「万葉のふるさと」の3本立て。この日は、時間が無かったため、残念ながら拝見できませんでした

奈良県立万葉文化館@明日香村-17
万葉劇場近くにある「さやけしルーム」の中の様子。こちらも体験できませんでしたが、HPによると「自然の変化に鋭敏な万葉びとが見聞きしたであろう星空や自然音を光と音響で体験できる空間です。 万葉びとが感じた四季のうつろいを、音楽や効果音で構成し、草枕のように天を仰ぎ見る光のポエム空間です。」とのことです



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■奈良県立 万葉文化館

HP: http://www.manyo.jp/index.html
住所: 奈良県高市郡明日香村飛鳥10
電話: 0744-54-1850
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替日
開館時間: 10:00 - 17:30
観覧料: 大人 600円、学生 500円、中学生以下 300円
駐車場: 無料(2010年9月から無料になりました)
アクセス: 近鉄橿原線「橿原神宮前駅」から、奈良交通バス飛鳥駅行き「赤かめ」で20分、「万葉文化館西口」下車すぐ










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