2013-07-03

国宝の本殿が美しい水の守り神『宇陀水分神社』@宇陀市

国宝の本殿が美しい水の守り神『宇陀水分神社』@宇陀市

宇陀市菟田野古市場にある『宇陀水分神社』中社へお詣りしました。第10代・崇神天皇の勅命により、水の守り神を祀ったと伝わる古社で、3棟が並ぶ「本殿」は、鎌倉時代の建築で、国宝に指定されている貴重なものです。芳野川沿いに鎮座するお社は、とても静かな時間が流れていました。


大和を守る「大和四水分神」の一つです

宇陀水分神社』(うだみくまりじんじゃ)は、第10代・崇神天皇の勅命によって祀られたと伝わる古社です。大和の東西南北に配された水分神(宇太水分神社、葛木水分神社、吉野水分神社、都祁水分神社)「大和四水分神」の一つとされ、芳野川沿いに鎮座する「水の守り神」として信仰を集めてきました。

宇陀市菟田野古市場にある「中社」と、菟田野上芳野の「上社」、榛原下井足の「下社」の3社があり、いずれかが本来の式内大社でしたが、今は判明していません(以下、宇陀水分神社は中社を指すこととします)。

9世紀末に始まった由緒あるお祭り「お渡り(秋祭り)」(10月第3日曜)は、五穀豊穣・水配りに感謝するお祭りで、惣社水分神社(上社)から神輿で出発した女神「速秋津姫神」が、芳野川に沿って宇太水分神社の男神「速秋津比古神」に、年に一度だけ会える日なのだそうです。

宇陀水分神社の中社は、166号線(榛原街道)沿いに鎮座しており、鳥居のすぐ前を芳野川が流れています。地図で見ると、この辺りは大小の川の流れが集まる場所であり、水を管理するための重要な土地だったのでしょう。周囲はとても静かで、巨大な杉が林立する、いかにも宇陀らしい雰囲気のあるお社でした。


宇陀水分神社(中社)@宇陀市-01

『宇陀水分神社』中社の一の鳥居。この鳥居の前に芳野川が流れており、それと平行して榛原街道が通っています

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-02
境内入り口の二の鳥居

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-03
正面に見えるのは「拝殿」。その周囲に杉の古木が天に向かって伸びています

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-04
拝殿の様子。その背後に見えるのが「本殿」(国宝)です

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-05
拝殿内部


鎌倉時代の「本殿」(国宝)が美しい!

宇陀水分神社の「本殿」は、3棟が並ぶ春日造りです。1320年の墨書が発見された鎌倉時代の建物で、国宝に指定されています。2003年の社殿の塗り替えの際には、わずかに残された色彩をもとに、それを復元。とても鮮やかな色彩が蘇っています。

本殿に向かって右から、それぞれ第一殿「天水分神(あめのみくまりのかみ)」、第二殿「速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)」、第三殿「国水分神(くにのみくまりのかみ)」が祀られています。

さらに、その右隣の摂社「春日神社」には天児屋根命(あめのこやねのみこと)が、「宗像神社」には市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)が祀られています。かつてこの一帯は、興福寺と春日大社の荘園だったため、室町時代に勧請されたそうです。室町時代の建築で、国の重要文化財に指定されており、貴重な建築物の宝庫ですね。

社務所で「特別拝観券(500円)」を申し込めば、本殿などの貴重な建築物を間近で拝見できる「瑞垣内特別拝観」も可能なのだそうですが、この日は社務所にどなたもいらっしゃらず、御朱印もいただけませんでした……。また改めてお詣りに伺いたいと思います!


宇陀水分神社(中社)@宇陀市-07

宇陀水分神社の本殿など。向かって右から、摂社・宗像神社と春日神社(いずれも重文)、三社造りの「本殿」(国宝)と並んでいます

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-08
本殿のアップ。色鮮やかで美しいですね。「一間社隅木入り春日造り」と言い、古い形の水分連結造りなのだとか。

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-09
本殿を別角度から。朱塗り部分には極彩色が施され、壁板にも美しい花鳥風月が描かれているそうです(申し込めば間近で拝見できます)

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-10
本殿前の湧き水は「宇陀水分神社湧水」として、奈良県が指定する「やまとの水」にも選ばれています。この水は、本殿の向かって右側の第一殿の後ろにある御神水井から湧き出しているのだとか。薬狩りのおりに推古天皇が身を清められたと伝えられている、とてもありがたいご神水です

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-06
御祭神などの説明。なお、社務所で「特別拝観券(500円)」をいただけば、瑞垣内の特別拝観も可能なのだそうです!国宝の美しい本殿をご案内していただいて間近で拝見できるのですから、素晴らしいですね。ただし、この日は社務所にどなたもいらっしゃらなかったため、残念ながら申し込みできませんでした……


二股に分かれて伸びる「夫婦杉」なども

境内はそれほど広くはありませんが、夫婦円満のご利益があるとされる「夫婦杉」や、源頼朝が植えたと伝わる「頼朝杉(2代目)」などの木々などもあります。また、水の神の使いとされる、蛙をかたどった手水なども珍しいですから、ぜひご覧ください!


宇陀水分神社(中社)@宇陀市-12

拝殿の背後に見える杉の巨木は、二股に分かれており「夫婦杉」と呼ばれています。根本の部分が夫婦和合を表しており、縁結びや夫婦円満などのご利益があるとされているのだとか

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-13
夫婦杉の足元には、小さな仏さまが微笑んでいらっしゃいました

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-14
二の鳥居の近くに立っている「頼朝杉」。幼少時代の源頼朝が当社を詣でた際に、大将軍になれるかどうかを占うために杉を植えさせたと伝わっているとか。現在の杉はその二代目なのだそうです

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-15
宇陀水分神社の手水舎。檜皮葺の見事なものです

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-16
手水は、水の神さまの使いと考えられている「蛙」をかたどったもの。珍しいですね。さすがは水を司るお社です!

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-17
狛犬・吽形

宇陀水分神社(中社)@宇陀市-18
狛犬・阿形。吽形よりもやや新しいもののようです



大きな地図で見る


■宇陀水分神社(うだみくまりじんじゃ)

HP: http://www1.odn.ne.jp/udanomikumari/
住所: 奈良県宇陀市菟田野古市場244-3
主祭神: 天水分神、速秋津彦神、国水分神
創建: 崇神天皇の御代(伝)
拝観料: 境内無料
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」から、奈良交通「菟田野」行バスで15分、「古市場」バス停下車、徒歩5分


■参考にさせていただきました

宇太水分神社の秋の風物詩、菟田野みくまり祭
宇陀市観光サイト|観光案内|社寺|宇太水分神社(うたみくまりじんじゃ)
宇太水分神社 - Wikipedia
宇太水分神社上宮 - 玄松子の記憶










  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ