2008-03-07

歴史の重みを感じる『石上神宮』@天理

石上神宮

午後から少しだけ時間が出来たため、これまでも何度も行こうとして後回しにしていた『石上神宮(いそのかみじんぐう)』を参拝してみることにしました。


ニワトリが歩く歴史ある神宮

石上神宮とは、布都御魂剣に宿る神霊「布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)」を主祭神としています。

この近辺には天理教関連の建物が集中していますので、それほど目立つことはありませんが、かなりの歴史を誇る神社です。国宝「七支刀(しちしとう・ななつさやのたち)」を所蔵していることで知られており、何と「4世紀ごろ」の創建だというのですから驚きですね!

飛鳥時代から、当時の有力な豪族で軍事面を司っていた「物部氏(もののべし)」の総氏神として繁栄し、当時は大和朝廷の武器庫としての役割も担っていたのだそうです。このため、百済から贈られたとされる「七支刀」のような重要な武具が残されているのです。

その名前は日本書紀にも登場し、そこに記された神宮は伊勢神宮・石上神宮の2ヶ所のみだったのだとか!戦国時代には、尾張の織田氏から攻められたりと、衰退の一途を辿りましたが、日本でも有数の歴史ある神社なのです。

ちなみに、ここは歴史ある道を散策できるコースとして人気の「山の辺の道」の始点となっていて、数多くのハイカーが立ち寄る場所でもあります。駅からはだいぶ距離がありますのでアクセスは良くないのですが、数多くの方が訪れています。

しかし、何といっても、石上神宮を訪れた方は「ニワトリ」の存在に驚かされることでしょう!境内を数十羽のニワトリが自由に歩き回っていて、人間が近づいたくらいでは逃げたりもしません。話によると20年以上前に誰かが勝手に放したものが住み着いて、今では神社で神の御遣いとして大事にするようになったのだとか。何とも大らかでいい話ですよね(笑)

石上神宮-01
天理市に位置する歴史ある神社『石上神宮(いそのかみじんぐう)』。日本書紀にもその名前が登場するほどの歴史を持ち、現在は山の辺の道の始点となっているため、多くのハイカーが訪れます

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鳥居には、主祭神の「布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)」の文字が。布都御魂剣に宿る神霊なのだそうです

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石上神宮の境内を、堂々と闊歩するニワトリたち。元々は、20年ほど前に誰かが捨てていったものだったそうですが、現在では神の御遣いとして大事に扱われているのだそうです

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石灯籠に囲まれて鎮座していた牛の像。その由来は不明ですが、鼻の部分に撫でられた形跡があります。ちなみに、この奥手から山の辺の道が始まっています

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石上神宮の手水舎。露天式ですが、木の枝から手ぬぐいを吊るすタイプで、風になびく姿がなかなかいい感じでした


有名な七支刀は見られませんが・・・

石上神宮は、現在ではそれほど大きな敷地を持つわけではありませんので、参拝して見て周るのもそれほど時間は掛かりません。メインとなるのは「拝殿(国宝)」で、その裏側に本殿が置かれていますが、ここは禁足地となっており、参拝することはできません。

また七支刀はこの禁足地の中にある「神庫」に収められているそうです。その姿を実際に拝むことはできませんが、これは剣の刀身から両側に鹿の角状に枝がついた、とても珍しい形です。実戦には全く不向きっぽい剣なのですが、これは369年に百済王が倭王に贈った「七支刀」だとする説もあり、古代日朝関係を解明する手がかりとなっているのだそうです。

その姿などが気になる方は、回廊の内部に掛け軸や、お土産物の「七支刀ネクタイピン」などでご覧ください!

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参道から回廊・楼門を見たところ。古い歴史を持つ石上神宮ですが、見て周れる場所はそれほど多くありません

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石上神宮の「楼門(重文)」から、「拝殿(国宝)」を眺めた図。その背後には本殿がありますが、禁足地となっているため見ることはできません

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石上神宮の「本殿(国宝)」。ここは、同じく国宝の「七支刀」が有名ですが、建築物も2つの国宝があるのです

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拝殿前から楼門を見た図。この楼門もかなり歴史のあるもので、朱色の建物の中で渋く目立っていました

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国宝「七支刀(しちしとう・ななつさやのたち)」の掛け軸。本物は拝むことが出来ませんので、これで我慢しておきましょう

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石上神宮のお土産にオススメなのは、この「七支刀」のネクタイピン・ピンブローチでしょうか。携帯マスコットがあったら買ってたかもしれません(笑)

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石灯籠と楼門


2軒の国宝建築物が見られます

そして、拝殿から一段高い土地に、もう一つの国宝建築物「摂社出雲建雄神社拝殿(せっしゃいずもたけおじんじゃはいでん)」があります。これは同じく天理市にあった大寺「内山永久寺」(廃仏毀釈の時期に廃寺に・・・)から移築されたもの。それほど大きくはないのですが、建物の中央部分が少し持ち上がった珍しい形をしています。

今では全盛期からは遠く及ばない規模になっている石上神宮ですが、それでも3件の国宝が存在し、2軒の建築物は間近に見られるのですから、歴史の重みを感じますね。

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1300年ごろの建築物、国宝の「摂社出雲建雄神社拝殿(せっしゃいずもたけおじんじゃはいでん)」。今は廃寺となった内山永久寺から1914年に移築されたもの。かなりの地味系の国宝ですね(笑)

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両脇が板張りで、中央は土間になっています。建物の中央がやや上がっていますが、これは馬道(めどう)というもの。変わった造りですね

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摂社の「出雲建雄神社」は、屋根の葺き替え工事中でした・・・。ちょっと残念

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夕方になって、巫女さんたちも帰宅時間になったようです

石上神宮-ご朱印
石上神宮でいただいたご朱印です。神社でいただくのは初めてだったので、お寺とは別の朱印帳を用意してみました


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■石上神宮(いそのかみじんぐう)

住所: 奈良県天理市布留町384
電話: 0743-62-0900
主祭神: 布都御魂大神
創建: 4世紀ごろ
開門時間: 6:00~17:30
拝観料: 無料
駐車場: 無料駐車場アリ
アクセス: 天理駅から奈良交通バス「石神神宮前」下車すぐ






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