「奈良一番桜」のしだれ桜『氷室神社』
桜シーズンも始まったということで、奈良市内で一番早く開花する「しだれ桜」があるという『氷室神社』へ向かってみました。ちょうどほぼ満開のタイミングで、とてもキレイな桜を見させてたいただきました!
氷室神社が「奈良一番桜」です!
この氷室神社とは、奈良国立博物館の道路を挟んで真向かいと、一等地にある神社です。しかし、鹿がいるワケでもありませんので、道一本を挟んだだけで人通りもガクッと減り、普段はあまり見向きもされない存在だといえるかもしれません。
しかし、そんな氷室神社に一躍スポットライトが当たるのが、このしだれ桜の開花の時期です!奈良のどこよりも早く桜が咲く「奈良一番桜」ということで、本当に沢山の参拝客やカメラマンが押し寄せ、ひっそりとした神社の境内はかなりの混雑ぶりを見せるのです。
私もこの時期に来るのは初めてでしたが、門の脇にドンッと大きなしだれ桜が満開になっている姿は、さすがに見事ですね。しだれ桜はほぼこれ一本ですから、桜の木の連なりのような迫力はありませんが、神社の建物を覆うように垂れ下がる桜の姿は、本当に美しいと思いました。
やっぱり日本人の心の琴線に触れる光景なんでしょうね(笑)
奈良で最も早く桜が開花する「奈良一番桜」のしだれ桜がある『氷室神社』。奈良国立博物館(新館)の道路を挟んで真向かいにあります。普段はなかなか目立ちませんが、桜の開花時期は大賑わいとなります!
右手にしだれ桜、左手に木蓮。鳥居から門まで30mほどしかない小さな神社ですが、カメラを持った観光客が多数押し寄せていました
このしだれ桜、樹齢などの説明は一切ありませんが、かなり立派なものでした。でも、神社と桜って組み合わせ、意外と珍しいような気がするのは気のせいでしょうか?
最初は曇り空でしたが、次第に晴れてきて、青とピンクのコントラストが映えるようになりました
「製氷業界」の神様を祀っています
しだれ桜が主役でご紹介していますが、この氷室神社は、その名前の通り「氷室(ひむろ。氷の貯蔵庫)」があったことに由来する、ちょっと面白い神社なのです。
平城遷都の頃から、吉城川の上流に氷池を作り、厳寒期に張った氷を氷室に貯蔵して、ずっと平城京に奉納していたのだそうです。その後、ずっと途絶えていたこの風習を、1961年に大阪の氷業界などに呼びかけて復興。毎年5月1日の「献氷祭」として伝わっています。この際には、海の幸代表のタイ・川の幸代表のコイを凍結した、高さ1mほどもある氷柱が奉納されるのだとか。
こんな由来もあり、「製氷業界の守り神」をお祀りする神社として、その業界の方々からは熱心に信仰されているのだそうです。祭神ももちろんそちら関係で、
・大鷦鷯命(おおささぎのみこと=仁徳天皇)-献氷の典礼を聞かせ給いし大神なり
・闘鶏稲置大山主命(つげのいなぎおおやまぬしのみこと)-是冷の応用を教え、氷室を創始し、貯氷の術を育み給いし大神なり
・額田大仲彦命(ぬかたのおおなかつひこのみこと)-貯氷の術を奏上し給いし大神なり
仁徳天皇はともかく、こんなに氷関係の神様がいらっしゃるなんて、今まで全然知りませんでした!奥が深いですね(笑)
氷室神社の「渡廊」と「拝殿」。この奥の本殿は森に隠されて見えません。こじんまりとした神社です
「株式会社タイムドメイン」というところの音響システムを使用しているそうで、雅楽の音がものすごくリアルに聞こえてきていました!自宅に欲しいくらいですが、そのお値段は31.5万円・・・
氷室神社の木蓮(モクレン)。おみくじを結び付けられちゃってますね~
敷地内にある「鏡池」。普段は止まっていますが、定期的に噴水をあげているようです
■氷室神社
HP: http://www.himurojinja.jp/
住所: 奈良県奈良市春日野町1-4
電話: 0742-23-7297
祭神: 大鷦鷯命、闘鶏稲置大山主命、額田大仲彦命
開門時間: 6:00-18:00(11月~3月 6:30-17:30)
拝観料: 無料
駐車場: 1時間500円(上限2,000円)(※桜の季節のみ30分500円に)
アクセス: 近鉄「奈良駅」から徒歩15分