2009-09-07

兵庫御嶽山の静かな山寺『播州清水寺』@兵庫県加東市

西国三十三所の秘仏ご開帳巡りのため、兵庫県加東市にある西国三十三所巡礼の23番札所『播州清水寺(御嶽山)』へ行ってきました。

先に立ち寄った24番札所「中山寺」とは打って変わって、山奥に立つ静かなお寺でしたが、せんとくんの作者としても有名な「薮内佐斗司」先生作の十二神将像があったりと、なかなか楽しめました。


1800年前の創建という伝説を持つお寺

兵庫県加東市の標高552mの御嶽山(みたけさん)に建つ『播州清水寺』。正式名称は「御嶽山 清水寺」と言います。

播州清水寺の開基は、インドからやって来た渡来僧「法道仙人」で、天竺から紫の雲に乗ってこの地へやって来たという伝説が残されているのだとか。しかも、それは今から1800年も前、第十二代景行天皇が治められていた時代のことで、歴史に残る仏教伝来(538年、または552年)よりも遥か前とされています。

その後、627年に推古天皇の勅願により「根本中堂」が建立され、法道仙人が一刀三礼(刀を一度入れるたびに三度の祈りを捧げること)で彫ったご本尊「十一面観音(秘仏)」が安置されるようになりました。

清水寺の名前は、水に乏しかったこの地で、法道仙人が水神に祈ったところ、霊泉「滾浄水(こんじょうすい)」が湧き出したという伝説から取られています。

20世紀に入り、火災や台風により次々と堂宇は失われていったため、現存するのは全て大正から昭和に再建されたものとなります。


周りはゴルフ場だらけの山中です

播州清水寺は、兵庫県加東市の御嶽山中にある山寺です。地図で見ると周りはゴルフ場だらけで、最寄の駅からバスで35分も掛かるという、かなり辺鄙なところに位置しています。

駐車場に車を停めると、まず色鮮やかな「仁王門」が見えてきます。1980年に再建されたもので、ガラス張りになっています。中にいらっしゃる仁王像もガラス越しに拝見することになるので、ちょっと風情に欠ける感もありますね。ちょっと劇画チックな顔立ちの仁王さんでした。


播州清水寺@兵庫-01

西国三十三所巡りの二十三番札所『御嶽山 清水寺』(播州清水寺)。兵庫県加東市のかなり山深いところに建つお寺で、かなりの急坂を上ったところにあります。朱色が鮮やかな「仁王門」は、台風により倒壊していたものが1980年に再建されました

播州清水寺@兵庫-02
播州清水寺の縁起を記した看板。推古・聖武の両天皇の勅願所で、627年に法道仙人によって開かれたとされているそうです。奈良の古刹に匹敵するほどの歴史を持つお寺なのです

播州清水寺@兵庫-04
駐車場から細い参道を歩いていくと、西国三十三所の札所となる「大講堂」へ出ます。まずは手水舎で手を清めてからお参りしましょう


薮内佐斗司先生作の十二神将が!

駐車場から最も近い位置に建っているのが「薬師堂」です。ここに来るまで全く知らなかったのですが、この薬師堂には、せんとくんの作者としてお馴染みの「薮内佐斗司」先生作の十二神将が安置されていました!

もちろん薮内先生の作品ですから、いかにも武将らしい十二神将ではありません。十二支の動物を前面に押し出した特異なキャラクターになっていて、かなり愛らしい・・・というか、お馴染みの薮内ワールドな作品となっています。

他のお寺ではまず見ることが出来ないチャレンジだと思いますので、これだけでも播州清水寺にお参りに来る価値はありますね!


播州清水寺@兵庫-05

手水舎の前に建つ「薬師堂」。せんとくんの作者として一般的にも名前が知られるようになった「薮内佐斗司」先生作の十二神将が安置されているのだとか!これは貴重です!

播州清水寺@兵庫-07
播州清水寺の「薬師堂」の内部。ご本尊はもちろん薬師如来さまですが、壁面に安置された十二神将像は、まさに薮内ワールド全開!

播州清水寺@兵庫-08
薮内先生作の十二神将の一部。それぞれが抱く干支をモチーフにしているため、全く十二神将っぽくありません。ウサギの表情などは、不思議な国のアリスに登場しても違和感が無さそうですね


「大講堂」で十一面観音様にお参りします

播州清水寺の本堂となるのは、少し高い位置に建つ「根本中堂」ですが、西国三十三所の札所となっているのは「大講堂」です。お堂は1913年に再建されたものですが、すでに古色蒼然、堂々としたものでした。

中に入ると、座敷の上で薮内先生がデザインしたお箸や、南無観世音菩薩の文字が印刷されたTシャツ、そしてお寺のネーム入りライターなどが販売されていて、ちょっと俗っぽい印象も。しかし、他では見かけない色んなグッズがありますので、眺めているだけでも楽しめました。

なお、境内や本堂の拝観は無料でした、内陣に入ってご本尊の「十一面観音」さまを間近に拝見するためには300円を支払います。

かつては丈六の巨大な仏様が祀られていたそうですが、残念ながら焼失してしまい、今は大正時代に作られた金色に輝く仏様がいらっしゃいます。せっかくの機会ですから、もちろんすぐ目の前でじっくりと拝見させていただきました。


播州清水寺@兵庫-09

「大講堂」前の燈籠。いいお天気でしたので、これだけでも絵になります

播州清水寺@兵庫-10
播州清水寺の「大講堂」。元は725年に行基が建立しましたが焼失。1913年に再建された、間口が九間ある立派なお堂です。さらに高い位置にある「根本中堂」が本堂とされますが、西国三十三所の札所はこの大講堂になります

播州清水寺@兵庫-11
大講堂の内部。装飾はシンプルですが、ちょっとゴチャゴチャした印象です。拝観料300円を納めると内陣に入ることができて、ご本尊の「十一面千手観音」さんを間近で拝見することができます

播州清水寺@兵庫-12
この大講堂では、線香台と賽銭箱も建物の中に置かれていました。畳をはがして板の上に乗せてあるようですが、ちょっと珍しい光景です

播州清水寺@兵庫-13
大講堂内では、かなり大きめの物販スペースが設けられていました。これは薮内佐斗司先生がデザインしたお箸ですが、意外と大人しいデザインでそれほどのインパクトはありませんでした

播州清水寺@兵庫-14
大きく南無観世音菩薩とプリントが入った「南無観世音Tシャツ(@2,000円)」も販売中!ものすごく着る場所を選びますね(笑)

播州清水寺@兵庫-15
大講堂を横から見たところ。標高552mの御嶽山(みたけやま)に建つお寺ですので、紅葉シーズンなどには見事な眺めになるでしょう


鐘楼の「開運の鐘」も撞いてきました

大講堂の裏手には、大正時代に建てられた「鐘楼」があります。

ここは、しっかりとした鐘楼としては珍しく、参拝客が鐘を撞くことができるタイプです(1回100円)。よく考えてみたら、鐘楼の内部に入るなんて、これが初めての経験だったかもしれません。ここの鐘は、別名「開運の鐘」と呼ばれているそうですので、しっかりと一突きさせていただきました。

ただし、内部は心無い落書きがいっぱいなのが残念・・・。かなり古いものばかりでしたが、何とか修繕できないものなんでしょうか?


播州清水寺@兵庫-18

大講堂の裏手にある「鐘楼」。これは1920年の再建だそうです。一見、どこにでもある鐘楼に見えますが、、、、

播州清水寺@兵庫-19
この鐘は、別名「開運の鐘」と呼ばれているのだそうです。鐘楼に収められた鐘にしては珍しく、参拝客が自分で鐘を撞くことが出来ます(@100円)

播州清水寺@兵庫-20
鐘楼の内部。鐘楼の中に入るだけでもなかなか貴重な経験です。しっかりと開運の鐘も撞かせていただきましたが、とてもいい音が響きました!


「根本中堂」ご本尊は30年に1度開扉の秘仏

境内の最も上には、推古天皇の勅願で建てられた、播州清水寺の本堂に当たる「根本中堂」があります。

ご本尊の十一面観音さまは、開山の法道仙人の作とされ、山火事による焼失も免れてきた仏様ですが、残念ながら30年に一度しか開扉されない秘仏とされています。いつか機会があればぜひお会いしたいですね。


播州清水寺@兵庫-21

播州清水寺の本堂にあたる「根本中堂」。元は、推古天皇の勅願によって建てられた金堂だったそうです。この建物も1913年の火災で焼失しており、1917年に再建されたものです

播州清水寺@兵庫-22
根本中堂の内部の様子。ご本尊の十一面観音さまは開山の法道仙人が一刀三礼(刀を一度入れるたびに三度の祈りを捧げること)で彫ったものだとか。30年に一度しか公開されない秘仏となっています

播州清水寺@兵庫-23
根本中堂から大講堂を見下ろしたところ。かなり標高の高いところにあるお寺ですが、境内ではそれほど高低差はありませんので、歩き疲れたりする心配も無いでしょう


とても静かで落ち着いた山寺でした

この他には、法道仙人が掘り当てた「滾浄水」などがありますが、それほど大きなお堂などはありません。

最も高い位置にある「大塔跡」には、過去に平家との縁も深い、巨大な塔が建っていたそうですが、山火事による焼失と台風による倒壊のため、今では礎石が残るだけの淋しい雰囲気になっています。

境内の全てを見て周っても、それほど時間は掛からないと思います。お寺に到着するまでの道のりは大変ですが、ぜひドライブがてら行ってみてください。


播州清水寺@兵庫-24

清水寺の名前の由来になった「滾浄水(こんじょうすい)」(別名おかげの井戸)。水不足に困っていた際に、法道仙人が祈ったところ、こんこんと水が湧き出てきた・・・との伝説が残されています

播州清水寺@兵庫-25
大講堂の脇にある「地蔵堂」。1982年に再建された小さなお堂です

播州清水寺@兵庫-16
大講堂の脇に建つ「本坊」。根本中堂とともに1917年に再建されたものです。内部の拝観などはできません

播州清水寺@兵庫-17
軒瓦にも「御嶽山 清水寺」の文字が。とってもいいデザインですね。これがプリントしてあるTシャツなら欲しいかも!

播州清水寺@兵庫-26
山中で突然視界が開けますが、これは「大塔跡」でした。平清盛の生母によって1157年に建立されましたが、1907年に焼失。再建後も1965年の台風で倒壊。現在はその礎石だけが残されています

播州清水寺@兵庫-27
基礎の石や、崩れかかった石段がそのまま残されています。この状態で放置してあるのも、ちょっと珍しいですね。心霊スポット扱いされそうなほど不思議な感じでした

播州清水寺-ご朱印
播州清水寺でいただいたご朱印です



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■播州清水寺(御嶽山)

HP: http://kiyomizudera.net/
住所: 兵庫県加東市平木1194
電話: 0795-45-0025
宗派: 天台宗
本尊: 十一面観音(秘仏)
創建: 627年(伝)
開基: 法道仙人(伝)
拝観料: 入山料300円(本堂で支払います)
拝観時間: 8:00-17:00
駐車場: 無料
アクセス: JR宝塚線「相野駅」下車、神姫バスで清水寺行き終点下車(約35分)

※西国三十三所の第23番札所










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