2009-09-28

亀に乗った千手観音様のお寺『総持寺』@大阪府茨木市

総持寺@大阪府茨木市

西国三十三所の秘仏ご開帳巡りのため、大阪府茨木市にある第22番札所『総持寺(そうじじ)』へ行ってきました。

市街地の真ん中にあり、それほど大きなお寺ではありませんが、秘仏の千手観音像は火事にあっても焼け残った「亀に乗った観音様」と、とても面白いものでした!


「亀の恩返し」伝説が残るお寺です

『総持寺』は、山号は「補陀洛山(ふだらくさん)」といいます。

創建は「藤原山蔭」という、藤原北家出身の平安時代の役人で、そのエピソードは「亀の恩返し」として「今昔物語集」にも収められているほど有名です。

藤原山陰の父・高房は、太宰府への任地へ赴く途中、淀川で大亀が漁師に捕まっているのを見て、それを買取って逃がしてやりました。その夜、息子の山陰が川に落ちてしまい、その無事を観音様に祈ったところ、山陰を背中に乗せた大亀が現れたのだそうです。それを感謝した高房は、観音像の造立を決意しました。

それからすぐに高房は亡くなってしまいましたが、息子の山陰が遺志を継ぎ、仏師を探すため、長谷寺へ籠もり祈願。ある朝、観音様のお告げで童子姿の仏師に仏像の作成を依頼すると、「仏様を彫刻する千日の間は誰もこの仏舎に入らぬ事。また、山蔭卿自身で私の食事を作ること」を申し付けられました。

そして千日目の朝、童子(長谷観音の化身)は空に飛び立っていきました。驚いて中に入ってみると、亀の背に千手観音像が立っており、その前には千日間の食事をお供えしてあったそうです。

この亀に乗った観音様は、1571年に織田信長の軍勢の兵火のため堂宇が焼け落ちてしまった際にも、猛火の中で立ち続けていたことから、「火伏せ観音」とも呼ばれ、防火・厄除け観音として信仰を集めるようになりました。

また、この「千日料理」のエピソードから、藤原山陰は「包丁道の祖」と崇められるようになりました。毎年4月18日には「山蔭流包丁式」が行われ、料理技術の上達を願う料理人や一般の参拝客で賑わうのだそうです。


ベッドタウンの真ん中にあります

阪急電車京都線「総持寺駅」から徒歩5分の位置にあります。ベッドタウンとして成長している大阪府茨木市の中にあるため、周囲を民家や工場などに囲まれています。

隣接して専用駐車場があるのですが、そこも自動ゲート式になっていますし、境内に入るとガチャポンの機械に入ったおみくじがあったりして、「今風の街中にあるお寺」という印象です。


総持寺@大阪府茨木市-01

西国三十三所巡礼の第22番札所となる『総持寺(そうじじ)』。阪急電車京都線「総持寺駅」からも近く、ベッドタウンとして栄える大阪府茨木市にあります

総持寺@大阪府茨木市-02
総持寺の手水舎。境内ではなく、山門の前にありました。近づくと水が出てくるハイテクタイプです

総持寺@大阪府茨木市-03
総持寺の仁王像「阿形(あぎょう)像」。下半身がドッシリとしていて、力強さを感じます

総持寺@大阪府茨木市-04
総持寺の仁王像「吽形(うんぎょう)像」。かなりデフォルメされた表現で、時代的にはそれほど古いものではないでしょう

総持寺@大阪府茨木市-05
仁王門の裏側には、ガチャポン式のおみくじがありました。とっても合理的ですが、ありがたみに欠けるような気もしますね(笑)


総持寺の本堂はシンプルで重厚

総持寺の本堂は、1571年に織田信長の軍勢の兵火に合ってしまった後、1603年に再建されたものです。本堂の造りは、とにかくシンプル。外観からは華美な装飾などはほとんど見られません。瓦葺きの重厚な印象のあるお堂でした。


総持寺@大阪府茨木市-06

総持寺の「本堂」。1571年に織田信長の軍勢に焼かれてしまったため、1603年に再建されたものです。屋根瓦が重厚な印象です

総持寺@大阪府茨木市-07
総持寺の本堂前。この日は、ご本尊の千手観音像の特別御開帳だったため、ご縁を結ぶ紐が伸びてきています

総持寺@大阪府茨木市-08
本堂の造りは、かなり簡素なタイプです。装飾などはそれほど面白いものではありませんでした


亀に乗った「千手千眼観世音菩薩」!

総持寺のご本尊は像高75.4cm、亀に乗った「千手千眼観世音菩薩」です。秘仏となっていますが、毎年4月15日-21日のみ開扉されています。

この日は「西国結縁御開帳 本尊御開扉」ということで、本堂の外からご本尊と結縁を結べるだけではなく、普段の開扉では入れない内陣にまで立ち入りが許されており、ご本尊を数十センチの距離で拝見することができました!

やはり目を惹くのは、足元にいる「亀」でした。観音像の下から鎌首をもたげているのですが、現実の亀のような穏やかでのんびりした表情ではなく、いかにも古来の、やや禍々しいほどの表情をしています。亀に乗った仏像は他でも見たことがありましたが、それがご本尊になっているのは珍しいでしょう。

また、本堂が兵火にあって焼け落ちた際に、ご本尊も焼けてしまったため、上半身は黒く炭化しているのが分かります。仏像自体はややいかり肩気味で、千手の手がやや低い位置から伸びているため、決して優雅な雰囲気はありませんが、時代の重みを感じさせてくれるような仏様でした。

また、脇侍は「善女龍王(ぜんにょりゅうおう)」と「雨宝童子(うほうどうじ)」も、色彩が鮮やかで、なかなか面白い像でしたので、ぜひ注目してみてください!


総持寺@大阪府茨木市-09

総持寺の本堂の内部。仏様はもちろん撮影禁止ですが、お寺の方に確認したところ、お堂内だけならOKとのことでした。今回の特別御開帳では、内陣にまで入ることができて、秘仏の千手観音さまを間近で拝見することができました!

総持寺@大阪府茨木市-11
本堂前に貼ってあったポスターに、ご本尊が写っていた・・・かと思ったのですが、こちらはご本尊を模したお前立ちです。亀に乗っているのが分かります。実際のご本尊は、火事で焼けた痕が残っています


「ぼけ封じ観音6番札所」だそうです!

総持寺の境内は、本堂の周りを小さなお堂が取り巻く形となっていて、それほど広いものではありません。ものの数分で1周できてしまうでしょう。かなり新しいお堂が多いため、それほど見どころも多いわけではありません。

しかし、本堂の裏手には「ぼけ封じ観音6番札所」となっている「ぼけ封じ観音」さんがいらっしゃったり、四国八十八ヶ所・西国三十三ヶ所のお砂踏みなどもありますので、のんびりと見て周ってください。


総持寺@大阪府茨木市-12

総持寺の境内に入ってすぐ右手には、「庫裏」と「大師堂」が並びます。青々とした芝生と敷石が美しいですね。その奥に見える近代的な建物は、納経所兼売店になっていました

総持寺@大阪府茨木市-14
境内に入って左手を見たところ。すぐお隣には工場らしき建物が見えます。それほど広くありませんので、グルッと周るだけなら数分で終わってしまうくらいでしょう

総持寺@大阪府茨木市-15
本堂の裏手には、高野山真言宗らしい石塔などがありました

総持寺@大阪府茨木市-16
総持寺の境内には、本堂を取り囲むようにして、小さなお堂がいくつか立ち並んでいます。手前に見えるのが「ぼけ封じ観音」がいらっしゃるお堂です。何と「ぼけ封じ観音6番札所」となっているのだとか!色んな巡礼スタイルがあるものですね!

総持寺@大阪府茨木市-17
本堂の隣に建つ「薬師堂」。残念ながら、中にいらっしゃるお薬師さんはよく見えず・・・

総持寺@大阪府茨木市-18
こちらは不動明王さんを祀る「不動堂」です。総持寺の小さなお堂たちは、近年になって建てられたものが多いようで、どれも新しめでした

総持寺@大阪府茨木市-19
総持寺の鐘は、参拝者なら誰でも撞いていいようです。お参りするときと同じで、お辞儀などの手順だけは忘れずに!

総持寺@大阪府茨木市-20
境内には小さな庭園が。池の上には「閻魔堂」があります

総持寺@大阪府茨木市-21
閻魔堂の前にいらっしゃるお地蔵様。のぼりには「南無抜苦与楽地蔵菩薩」とありました。私たちの苦しみを身代わりに引き受けて喜びを与えてくださる「抜苦与楽(ばっくよらく)」のご利益があるようです

総持寺@大阪府茨木市-23
やや大きめの新しいお堂(名前は不明)では、檀家の奥さまたちが集まって大掃除をなさってました。何か大きな法要の準備でしょうか?日本的というか、仏教的というか、とてもいい光景でした!

総持寺-ご朱印
総持寺でいただいたご朱印です。とても美しい書体です



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■総持寺(補陀洛山)

HP: http://www.sojiji.or.jp/
住所: 大阪府茨木市総持寺 1-6-1
電話: 072-622-3209
宗派: 高野山真言宗
本尊: 千手観音
創建: 879年ごろ
開基: 藤原山蔭
拝観料: 境内無料(本堂 200円)
拝観時間: 6:00-17:00(納経受付は8:00から)
駐車場: 有料駐車場が20台分あり(普通車 500円)
アクセス: 阪急電車京都線「総持寺駅」下車、徒歩5分

※西国三十三所の第22番札所
※この日の私たちは、総持寺の駐車場に車を停めさせてもらったのですが(普通車は500円)、帰り際に納経所に立ち寄って、駐車券に判子を押してもらわないと出庫できないシステムとなっていました。納経所と駐車場はすぐ近くにありますが、駐車券を取りに車に戻るのも面倒ですので、必ず駐車券を持って降りましょう。










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