2012-04-27

『伊射奈岐神社』と『大和天神山古墳』@天理市柳本町

『伊射奈岐神社』と『大和天神山古墳』@天理市柳本町

天理市柳本町の古社『伊射奈岐神社』へお詣りしてきました。169号線沿いで崇神天皇陵の近くにあり、境内には『大和天神山古墳』があります。空気が清々しく、気持ちのいいお社でした。


国生み神話の「伊邪那岐命」を祀る古社

大和平野の東部にあたる、天理市柳本町に鎮座する『伊射奈岐神社(いざなぎのみこと)』。国生み神話の主人公である伊邪那岐命を祀る古社です。

社伝では崇神天皇の御代の創建とされていますが、天文年間に社記が焼失してしまったため定かではないそうです。第60代醍醐天皇の時代には、延喜式神名帳に列せられ「官幣に預かり給う」と記載されています。1641年、二代目柳本藩主・織田長種がこの地へ移し、本殿を造営しました。明治時代には、柳本藩社、後に柳本村社となり、柳本町内に祀られていたお社が合祀されました。

また、説明看板には「崇神天皇の御代の崇祭は、伊勢神宮と殆ど同時期に創建された最も古い神社であり、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国征伐の出陣に際し、弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)を后に迎えて間もない命は我が身を按じ、当神社で戦勝祈願をして伊勢へ出立したことも、当初から大和朝廷の崇敬が厚かったことを物語っています。」とありました。ものすごいスケールですね!

交通量の多い国道沿いですが、境内はとても静かで清々しい雰囲気が保たれていました。山の辺の道からもすぐ近くになりますので、散策途中に立ち寄ってみるのもいいですね。


伊射奈岐神社@天理市-01

天理市柳本町にある「伊射奈岐神社」。国生み神話の主人公である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)を祀っています。また、以前は天満宮と名乗っていたようで、菅原道真公も祀られています。国道169号線沿いに鳥居が見えますが、社殿は反対の西側を向いています

伊射奈岐神社@天理市-02
169号線に面した鳥居。道路を挟んで目の前に「崇神天皇陵(行燈山古墳)」が、境内には「大和天神山古墳」があるという、古代の大和の中心部に鎮座しています

伊射奈岐神社@天理市-03
伊射奈岐神社の御由緒を書いた看板。社伝では崇神天皇の時代の創建と伝わっており、東国征伐へ向かう日本武尊(やまとたけるのみこと)が戦勝祈願をしたと伝わっているとか

伊射奈岐神社@天理市-04
伊射奈岐神社の境内。抜けが良い、とても清々しい場所でした。柳本町に祀られていたお社が合祀されていて、境内には小さな祠などもいくつか見られます。また、柳本のお神輿を収めておく小屋などもありました

伊射奈岐神社@天理市-11

伊射奈岐神社@天理市-12

伊射奈岐神社@天理市-05
伊射奈岐神社の本殿。向かって左手に見えるのが天満宮です

伊射奈岐神社@天理市-06
春日造りの本殿

伊射奈岐神社@天理市-07
菅原道真公をお守りする牛たち

伊射奈岐神社@天理市-08

伊射奈岐神社@天理市-09
本殿に向かって右奥にはお稲荷さんも祀られていました

伊射奈岐神社@天理市-10

伊射奈岐神社@天理市-13


真っ二つになった『大和天神山古墳』も

また、伊射奈岐神社の境内地は、県指定の史跡『大和天神山古墳』があります。

●古墳時代前期(3~4世紀)の最古レベルの前方後円墳
●墳丘の東半分が国道169号線建設時に削られてしまったが、残った部分は比較的よく形状を留めている
●墳丘は全長103m、後円部径56m、後円部高さ9m、前方部幅47m、前方部高さ7m
●周濠は不明。葺石は認められたが埴輪は存在せず。
●1960年に竪穴式石室が調査され、石室内部にコウヤマキ製の割竹形木棺が確認された
●副葬品は、銅鏡23面が木棺中央の41kgの朱を取り囲むように配置。鏡には三角縁神獣鏡は含まれない
●副葬品は、2002年に国の重要文化財に指定された

間近にある行燈山古墳(崇神天皇陵)などに次ぐ、初期ヤマト政権の有力な構成員が埋葬されているのではないかと考えられています。国道建設の際に大きく削られてしまったのは残念ですが、


伊射奈岐神社@天理市-16

伊射奈岐神社の境内地にある、県指定の史跡『大和天神山古墳』。こんもりとした岡に見えますが、ちょうど道路側の半分が削られてしまっています

伊射奈岐神社@天理市-15
県史跡『大和天神山古墳』の説明。図を見ると分かりますが、南北に走る国道169号線によって、古墳の東側の半分が削られています。ここまで真っ二つの姿も珍しいかもしれませんね

伊射奈岐神社@天理市-14
国道169号線を挟んで、目の前に「崇神天皇陵(行燈山古墳)」があります。山の辺の道からもすぐ近くです



大きな地図で見る


■伊射奈岐神社

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県天理市柳本町1899
電話: 不明
主祭神: 伊邪那岐神、菅原道真
創建: 不明(社伝では崇神天皇の御代とも)
開門時間: 
拝観料: 境内自由
駐車場: あり(境内西側の手水舎脇に数台分)
アクセス: JR桜井線「柳本駅」から徒歩約10分


■参考にさせていただきました!

玄松子の記憶 伊射奈岐神社
伊射奈岐神社 (天理市) - Wikipedia
大和天神山古墳 - Wikipedia






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ