2009-09-20

小さな集落に立つ古式の三重塔『百済寺』@広陵町

『百済寺(三重塔)』@広陵町

広陵町にある『百済寺(くだらじ)』に行ってきました。ここは、鎌倉時代に建てられた「三重塔(重文)」が有名ですが、現在は無住となっており、やや寂しい感じもしてしまいます。のどかな集落の真ん中に、古式の三重塔が立つ姿はなかなか雰囲気のあるものでした。


「百済大寺」の後身と言われてましたが・・・

広陵町の百済集落にある『百済寺(くだらじ)』。鎌倉時代建立の「三重塔(重文)」が残されていますが、現在は無住のお寺になっています。

この百済寺は、以前は「百済大寺」の後身と言われていました。百済大寺とは、聖徳太子が開いた熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)を前身とする日本初の官寺で、後に移転して高市大寺、大官大寺に。そして、平城京に移転した際に「大安寺」となったお寺です。

百済寺は、百済大寺の跡地と考えられていたのですが、現在は桜井市の「吉備池廃寺」がそれに当たるとされています。

・・・ということで、百済寺の創建の歴史などは不明ですが、室町~江戸時代には、妙楽寺(現在の談山神社)の末寺となっていて、七堂伽藍を配した大寺だったとされているそうです。

現在の百済寺は、周りに水田が広がるのどかな地域で、少し離れた場所からでも三重塔の姿が眺められます。あまり有名な塔ではありませんが、しっかりと重要文化財に登録されている鎌倉時代の三重塔ですし、そんなものが普通に建っているのが、さすがに奈良の土地ですね。


百済寺@広陵町-01

北葛城郡広陵町にある『百済寺』。最寄の交差点名も「百済」、住所も広陵町百済。朝鮮半島にあった百済という国は660年には滅亡していますので、それ以前に多数の渡来人が渡ってきたのかもしれません

百済寺@広陵町-02
百済寺の「三重塔(重文)」の姿が見えます。現在の百済寺は無住の寺となっており、隣接する春日若宮神社が管理しています。手元の本には、連絡先として「当麻寺西南院」の名前がありましたので、そちらの関係なのかもしれません


和様の美しい塔「三重塔(重文)」

百済寺の三重塔は、和様の美しい塔でした。現在では、百済寺自体は住むものも居ないお寺になってしまっていて、お隣にある春日若宮神社が管理し、お寺としての業務は「当麻寺西南院」が兼務しているのだそうです。

大きなお寺でしっかりと管理されている三重塔も美しいものですが、こんな管理を放棄されているような、素っ気無い雰囲気の塔もいいものです。少し離れた場所に座って、ゆっくりと眺めていたいですね。


百済寺@広陵町-03

百済寺の案内看板と三重塔。鳥よけのための細いヒモが渡してあるため、やや目障りな感じもしましたが、とても美しい塔でした

百済寺@広陵町-04
百済寺の「三重塔(重文)」。鎌倉中期に作られたものだとされています。西日が当たって凛々しくそびえ立っています

百済寺@広陵町-05
少し離れた位置からの三重塔の眺め


談山神社から移築された「本堂」

百済寺の建物としては、三重塔以外には「本堂」があるだけです。元の親寺だった妙楽寺(現在の談山神社)から移築されたものだったそうです。ただし、もちろんそれほど華やかなものではなく、小さな小さなお堂にしか過ぎません。

一部にビニールシートが貼られたりしていて、見た目はイマイチですね・・・。


百済寺@広陵町-09

百済寺の「本堂」。妙楽寺(現在の談山神社)から移築され「大職冠(たいしょっかん)」と称されたものだそうです。ビニールが張られているため、それほど見栄えの良いものではありませんでした

百済寺@広陵町-10
百済寺の本堂の拡大。色合いのせいもありますが、より簡素に見えます

百済寺@広陵町-11
三重塔の前には、ちょっと変わったフォントの石碑が。「戦没記念碑」と読めるのですが、「戦没慰霊碑」ではないんですね(※この碑は「戦役記念碑」と書いてあるそうです。大五郎さんにコメントで教えていただきました。感謝です!)


ドライブがてら見に行ってください

春日若宮神社の境内には、拝殿・本殿はもちろんですが、小さな摂社が立ち並んでいます。こちらもそれほど見て面白いものではありませんが、せっかくですからお参りしておきましょう。

なお、百済寺は現在は誰も住んでいませんので、拝観料などももちろん不要ですし、ご朱印などはありません。ドライブがてら、気軽にフラッと立ち寄ってみてください。


百済寺@広陵町-06

春日若宮神社の境内。特にそれほど目立つものはありません

百済寺@広陵町-08
春日若宮神社の拝殿ごしに見た本殿



大きな地図で見る


■百済寺

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県北葛城郡広陵町百済1411-2
電話: 0745-48-2202(当麻寺西南院)
宗派: 高野山真言宗
本尊: 十一面観音
創建: 不明
開基: 不明
拝観料: 境内無料
拝観時間: 境内自由
駐車場: 無料
アクセス: 近鉄大阪線「高田駅」から、奈良交通バス平端駅行き「広陵町役場前」下車(15分)、徒歩20分






 【小さな集落に立つ古式の三重塔『百済寺』@広陵町】へのコメント
大五郎  12-04-07 13:43

こんにちは
百済寺について調べていたら、たどり着きました。
ちょっと古風な塔が美しいですね。
本堂は談山神社から移したものとのことですが、正面の蔀戸が寺院ではなく神社っぽい気もします。

石碑は戦没記念碑ではなく、戦役記念碑ですね。おそらく日露戦争のときのものでしょうか。

記事、参考になりました。ありがとうございます。

naka  12-04-09 20:00

>大五郎さん

あの碑には「戦役記念碑」って書いてあったんですね!ありがとうざいます。すぐ追記しておきますね。本堂の建物の移築元は、ソースは忘れましたが、談山神社と拝見しました。あそこもお寺さんとお社の歴史が複雑ですから、色々とあったのかもしれませんね。

コメントありがとうございました。これからもよろしくお願いします!





  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ