2011-09-26

聖天さんがおわす商売繁盛のお寺『宝山寺』@生駒市

聖天さんがおわす商売繁盛のお寺『宝山寺』@生駒市

生駒市にある『宝山寺』へお詣りしてきました。商売の神様を祀る「日本三大聖天」の一つでもあり、平日だというのにたくさんの参拝客がいらっしゃいました。岩山を背負う境内といい、奈良のお寺っぽくないところが面白いですね!


現世利益を願う庶民の信仰を集めたお寺

生駒山にある『宝山寺(ほうざんじ)』(正式には寳山寺)。巨岩などが多く存在する生駒山は、古くから修業の場として開かれており、役行者や弘法大師も修行したとされる「般若窟(はんにゃくつ)」と呼ばれる洞穴が遺されています。江戸時代に入り「湛海律師」が中興開山、大聖無動寺と号したものが、現在の宝山寺となります。ご本尊は湛海律師作の不動明王像。鎮守神として歓喜天像を祀っているところから、「生駒聖天(いこましょうてん)」と呼ばれています。

宝山寺は「商売の神」として知られています。皇室や徳川将軍家、住友家などの祈願もあり、大阪方面からも、現世利益を願う庶民からの篤い信仰を集めてきました。現在でも年間300万人もの参拝客があるとされています。

ご本尊は不動明王ですが、鳥居と狛犬あり、天神さまもあり、ところ狭しと神仏習合の世界が展開されています。境内はそれほど広くはありませんがお堂などの数が多く、全てをご紹介できませんがご容赦ください。


宝山寺@生駒市-01

生駒山に建つ『宝山寺』の美しい参道。生駒ケーブル「宝山寺駅」から、上りの石段を10分ほど上がると、両脇に灯籠が並ぶ光景が見えてきます。大きな鳥居は、以前は生駒山の麓の「鳥居前駅」にあったものが、ここに移築されたそうです。鳥居の脇には無料の駐車場もありますので、足が強くない方はお車でどうぞ

宝山寺@生駒市-02
宝山寺の境内の様子。荒々しい岩山を背に、個性的なお堂が立ち並び、その前には鳥居。混沌としていながら、とても印象的な光景です。奈良のお寺とは思えないような独特の雰囲気ですね

宝山寺@生駒市-03
正面に建つのが、1688年建立で、ほぼ宝山寺の創建当時の雰囲気を伝える「本堂」。重層の護摩堂様式です。通常は内陣への参拝はできません

宝山寺@生駒市-08
本堂前に建つ「天神」。菅原道真公を祀るものですから、縁のある「牛」が奉納されています

宝山寺@生駒市-09
しかし、牛の像が奉納されすぎて、天神さんの周りが牛だらけ!ここだけまるでインドのようです(笑)

宝山寺@生駒市-06
山門をくぐったすぐ左手には、くさもちを販売する「水屋」の建物が。この日は営業してませんでした


巾着・クロスした大根が歓喜天さんの印

本堂に並んで建つのが「聖天堂」(通称:天堂)。棟続きの「拝殿」は、棟や破風の数が多い「八つ棟造り」という様式です。とても豪奢な印象で、寺院建築が好きな私は、見た瞬間から声を上げてしまうほどの見事さでした。高台から見下ろすこともできますので、ぜひ色んな角度から観てみてください。

宝山寺は「日本三大聖天」の一つに挙げられていますが、聖天堂に祀られている歓喜天像は、秘仏となっているためお会いできません。インドの象頭の神ガネーシャがもとになっており、日本には作例が多くない貴重な仏さまです。

また、歓喜天のシンボルである「巾着袋(砂金を入れるとか)」と「クロスした大根(毒や煩悩を消し去る効果)」の図案がそこら中で見られますので、ぜひ注意して見つけてみてください。お守りも手に入りますよ!


宝山寺@生駒市-10

聖天堂の前には鳥居と狛犬。その先にはお線香の煙がもうもうと立ち上っています。神仏習合の極みですね。平日にお参りしていますが、お店を経営している風の方の姿も多く見られました

宝山寺@生駒市-11
聖天堂の前にあったお賽銭箱は、歓喜天さまに付きものの「巾着袋」型でした。歓喜天像が手にする巾着袋は砂金を入れるものとされ、ご利益の象徴的なアイテムです。また、描かれているクロスした大根もシンボルの一つ。歓喜天の供物で、白い色に力があり、体内の毒や煩悩を消し去る効果があるとされています

宝山寺@生駒市-04
本堂に並んで建つ「聖天堂」(通称:天堂)。手前にある棟続きの「拝殿」は、棟や破風の数が多い「八つ棟造り」という様式なのだとか。見事なものですね。拝殿に上がれるようになっていますが、奥のお厨子は閉まっています。聖天堂のご本尊・歓喜天像は秘仏になっていますが、毎月の御縁日の際には、湛海律師作の五大明王像(重文)にお会いできるとか

宝山寺@生駒市-24
宝山寺のお守り売り場。他ではなかなか見られない巾着袋をモチーフにした「歓喜鈴(@1,500円)」や「五福宝袋(@500円)」など、歓喜天を連想させる開運グッズが販売されています


宝山寺の歓喜天像は秘仏です

宝山寺の歓喜天像は、お寺の方に伺ったところ、毎月1日・16日の御縁日がありますが、お姿を拝することができない秘仏とされているそうです(ご本尊の不動明王像も同様に秘仏です)。毎月16日の「歓喜天御縁日」には、聖天堂(通称:天堂)の内陣が参拝できるようになり、湛海律師作の五大明王像(重文)などを拝することができるのだとか。



象頭人身の形像が多いが、人頭人身の形像もある。大聖歡喜雙身毘那夜迦天形像品儀軌(だいしょうかんぎそうしんびなやかてんぎょうぞうひんぎぎ)等に基づいて、男天・女天2体の立像が向き合って抱擁している歓喜仏的なものが通例である。

双身歓喜天像(男天・女天2体の立像が向き合って抱擁している)の場合、形像の特徴としては、頭部が相手の右肩に乗せられている。もしくは、頭部が2体とも同じ方向を向いている姿が多い。

ヒンドゥー教のガネーシャ神と同様に単体多臂像(腕が4本または6本)もあるが、造像例は少ない。

象の頭をした男女の2体が抱き合っている姿に描かれることも多く、愛情や財運をもたらす神として信仰されています。宝山寺の歓喜天像がどのようなお姿なのかは分かりませんが、いつかお会いできる機会が来るといいですね。

なお、湛海律師が生み出した仏像の姿を見る機会としては、奈良市押熊の『常光寺』の特別公開の際に、歓喜天像などの湛海律師作の仏さまが公開されます。そちらへお参りするのもいいでしょう。


険しい「般若窟」には弥勒菩薩像が

宝山寺の本堂の背後に見える岩山は、「般若窟」と呼ばれています。役行者がこの土地を弥勒浄土の内院として修行したことから、中腹には湛海律師が祀った弥勒菩薩像が遠目に見えます。残念ながら般若窟への石段は立入禁止となっていますので、近くで拝することはできませんが、霊山・生駒山の中心部分ですから、しっかりと拝んでおきましょう。


宝山寺@生駒市-12

聖天堂の奥の石段を上がると高台へ出ます。これは「文殊堂」。ここからは次々に小さなお堂や仏像が登場します

宝山寺@生駒市-13
左手のコンクリートの建物が「常楽堂」で、如意輪観音像と毘沙門天・吉祥天を祀ります。正面が「観音堂」。その裏手には「遥拝所」とウスサマ明王などの像があります

宝山寺@生駒市-16
宝山寺の裏手の「般若窟」におわす弥勒菩薩像。遠目にも見えますので、本堂の正面あたりからも観てみてください。役行者がここを弥勒浄土の内院になぞらえて修行したことから、湛海律師がここに弥勒菩薩像を祀ったのだとか

宝山寺@生駒市-14
般若窟の説明。「般若窟は、その昔、役の行者が窟内に梵本の般若経を納められ、その往錫の霊域を訪ね、弘法大師もこの地で修行された霊跡であります。中興開山湛海律師は、役の行者がこの般若窟を、弥勒浄土の内院になぞらえて修行されたことから、本草弥勒菩薩像を初め、役の行者像などを祀られました。また、巖頭には雲上閣を建立して、自ら彫刻された虚空蔵菩薩像を安置され、八千枚不動護摩供に並ぶ苦行である、虚空蔵求聞持法を修しておられます。」

宝山寺@生駒市-15
般若窟への石段は、危険がいっぱいのようで、立入禁止になっています。岩山の様々な場所に小堂が祀られているようですが、近づけないのは残念ですね


奥の院へは10分ほどで到着します

さらに、宝山寺の「奥の院」へと続く石段も見られます。多宝塔・大師堂・開山堂などが次々に現れますし、石段の両脇に石仏が並ぶ姿はとても美しいものでした。奥の院と聞くと、例えば室生寺のような厳しいものを想像しますが、ここは私の足で10分ほどで到着できました。かなり年配の方の姿も見られましたので、お時間があれば参拝しておくといいでしょう。


宝山寺@生駒市-17

宝山寺の「奥の院」へ続く石段。両脇には奉納された石仏がズラリと並んでいます。奥の院への道のりは10分ほどなので、それほど厳しいこともありません

宝山寺@生駒市-18
高台にたつ「多宝塔」。1957年に作られたもので、湛海律師の自作の愛染明王像を祀っています。「仏塔古寺十八尊霊場」の十五番札所にもなっているとか

宝山寺@生駒市-19
奥の院への途中建つ「五社神社」。中興の湛海律師を助けた地神が祀られています

宝山寺@生駒市-20
宝山寺「奥の院」。正面に見える「本堂」と、開山堂・大黒堂などがあります。それほどきつい上りでもありませんので、ぜひお参りしてみてください

宝山寺@生駒市-21
宝山寺・奥の院の「開山堂」。お堂は1769年に建てられたものですが、祀られているのは中興開山の湛海律師が自ら刻んだご自身の60歳頃のお姿です。自ら自分の姿を刻むのも珍しいかもしれませんね。それほど近い距離からは観られませんが、僧像らしい柔和なお方でした

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開山堂の裏手にある「開山廟」。湛海律師の墓所です。石塔が静かに立っていました

宝山寺@生駒市-26
宝山寺の境内を表した巨大ジオラマ。駐車場近くの売店・喫茶などが入った「和光殿」の前にあります。このジオラマが良くできていて、お堂の数の多さと山の険しさが伝わってきますので、参拝前に観ておくといいかもしれません

宝山寺@生駒市-25
宝山寺の斗帳(とちょう)

宝山寺-ご朱印
宝山寺でいただいた御朱印です。「歓喜天」の文字が力強く、全体のデザインもとても美しいですね



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■生駒山 宝山寺

HP: http://www.hozanji.com/
住所:  奈良県生駒市門前町1-1
電話: 0743-73-2006
宗派: 真言律宗
本尊: 不動明王(重要文化財)
創建: 湛海律師
開基: 1678年
拝観料: 境内無料
拝観時間: 境内自由
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄生駒ケーブル線「宝山寺駅」から徒歩10分ほど


■参考にさせていただきました!

宝山寺 - Wikipedia
生駒市デジタルミュージアム - 宝山寺〔ほうざんじ〕


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