2010-03-08

50年に一度の秘仏御開帳!『紀三井寺』@和歌山市

50年に一度の秘仏御開帳!『紀三井寺』@和歌山市

西国三十三所の秘仏ご開帳巡りのため、和歌山県和歌山市にある『紀三井寺』へお邪魔してきました。50年に一度しか御開帳されない秘仏御本尊にもお会いしてきました!


紀州徳川家ゆかりの和歌山の古刹

和歌山県和歌山にある『紀三井寺』は、770年、唐僧の「為光上人」によって開基されました。

為光上人が唐から来日した後、日本の諸国を巡って仏法を広めていたところ、現在地に近い名草山から光が発せられていることに気付き、山頂で金色の千手観音を感得しました。さらに、自ら十一面観音像を一刀三札のもとに刻み、お堂に安置したことが紀三井寺の起こりとされています。

正式には「紀三井山金剛宝寺護国院」という寺名ですが、名草山には「清浄水・楊柳水・吉祥水(日本名水百選に選ばれています)」という三つの霊泉ががあることから「紀三井山」という山号になったといわれています。

歴代天皇の御幸が行われたり、後白河法皇の勅願所と定められます。江戸時代には、紀州徳川家の庇護を受けるなど興隆を極めました。今でも西国三十三所観音霊場の第二番札所として、数多くの参拝者を集めています。


231段の凛々しい石段「結縁坂」

和歌山市内にある『紀三井寺』。いつもは静かなお寺ですが、この日は、秘仏の御本尊・十一面観音像と千手観音像の御開帳日だったため、たくさんの参拝客の姿が見えました。

鮮やかな朱塗りの「楼門(重文)」をくぐると、231段の急な石段「結縁坂(けちえんざか)」が現れます。それほど長い距離ではありませんが、とにかく急角度ですので、石段の途中にある塔頭や、紀三井寺の呼び名の由来にもなった三つの湧き水(三井水)の一つ「清浄水」などを見ながらゆっくりと上りましょう。


紀三井寺@和歌山-01

和歌山市内にある、西国三十三所観音霊場の第二番札所『紀三井寺』。この日は、秘仏の御本尊の十一面観音像と千手観音像の御開帳日のため、たくさんの参拝客の方の姿が見えました。鮮やかな朱塗りの「楼門(重文)」は1509年の建立です

紀三井寺@和歌山-02
紀三井寺の拝観料は、参拝券200円、仏殿大観音像拝観200円。どちらも見られる合同券が300円となっています(この日は200円で両方の拝観可能でした)。ちなみに、御本尊の特別御開帳の参拝料金は別途1,000円でした

紀三井寺@和歌山-03
紀三井寺「楼門」の阿形像。近くで見ると寄木のパーツのつなぎ目が目立ちます

紀三井寺@和歌山-05
楼門をくぐると、すぐに231段の急な石段「結縁坂(けちえんざか)」が。江戸時代の豪商・紀ノ国屋文左衛門の結婚と出世のきっかけとなったという伝説があります。隣の凛々しい石垣といい、とても力強い印象です。本道には車椅子の方の姿も見えましたので、どこかに迂回路があるのかもしれません

紀三井寺@和歌山-06
紀三井寺の「結縁坂」の途中には、いくつかの塔頭があります。一気に上るにはややしんどい石段ですので、ゆっくりと順番にお参りしていきましょう

紀三井寺@和歌山-07
石段の途中にある「清浄水」。紀三井寺は三つの湧き水「三井水」が湧いていることから名づけられました。清浄水の周りには、松尾芭蕉の句碑と、地元紀州の俳人の方の句碑が取り囲むように建てられています


像高11mの「大千手十一面観世音菩薩像」!

石段の向かって右手に建つ、真新しく巨大な建物が「新仏殿」です。御本尊は、木造・寄木の立像仏としては日本最大という「大千手十一面観世音菩薩像」。仏師・松本明慶氏の作で、2008年5月に落慶法要が営まれました。

総漆金箔張仕上げとのことですので、とにかく眩いばかりの金色!そして、驚くばかりの大きさでした!像高は11mを超え、長谷寺の十一面観音さまよりも大きいというところからも、その大きさを想像できるかもしれません。

また、この新仏殿は、1階・2階部分は納骨壇となっていますが、3階部分はテラスのようになっており、紀三井寺の境内はもちろん、和歌浦湾まで見晴らせる絶景ポイントになっています。大きな丸窓からは、御本尊の顔が目の前に見えますのでお楽しみに!


紀三井寺@和歌山-08

石段の途中から見上げた「新仏殿」。木造・寄木の立像仏としては日本最大という巨大な「大千手十一面観世音菩薩像」がいらっしゃいます。有名な仏師・松本明慶氏の作で、2008年5月に落慶法要が営まれました

紀三井寺@和歌山-09
紀三井寺「新仏殿」を正面から見たところ。多数の納骨壇を備えた、3階まである巨大な建物です。金箔がまばゆい御本尊は像高11m強もあり、ほぼこの建物の天井いっぱいまでの高さがあります!

紀三井寺@和歌山-10
新仏殿の内部の階段から、3階のテラス部分に出ることができます。そこから見下ろした紀三井寺の境内の様子。手前から、六角堂・鐘楼・大師堂(写真では見えません)・本堂と続いています

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新仏殿のテラス部分からは、和歌浦湾が一望できます。この日は生憎の曇り空でしたが、晴れた日には気持ちいいでしょうね


本堂は重厚な入母屋造りです

紀三井寺の本堂は1759年建立の、堂々とした入母屋造りの建物です。その裏手には、寺宝をお守りする耐震耐火の収蔵庫「大光明殿」があり、主な仏さまはこちらへ移されています。

この日は50年に一度しか御開帳されない秘仏の御本尊「十一面観世音菩薩立像(重文)」と、秘龕仏(ひがんぶつ)とされる「千手観世音菩薩立像(重文)」とお会いするために、たくさんの参拝客が押し寄せていました。

本堂内陣には、800年前のお薬師さんや、塩の採集場で祀られてきたという「塩薬師観音像」、十一面観音の坐像など、やや珍しい仏さまがいらっしゃいます。


紀三井寺@和歌山-13

紀三井寺の「本堂」前。境内には、関西の桜の開花宣言の基準となる「ソメイヨシノ標本木」もあり、桜の名所として知られています。ちなみに、この日はノンアルコールの甘酒のお接待がありました

紀三井寺@和歌山-14
紀三井寺の「本堂」。1759年の建立で、県指定の重要文化財です。全体の画像はありませんが、入母屋造りの重厚な建物でした。本堂の内陣のさらに奥には、耐震耐火の収蔵庫「大光明殿」があり、御本尊などは全てここにいらっしゃいます


個性的な十一面観音像と千手観音像

収蔵庫「大光明殿」へ入ると、6体の仏さまが横に並んでいます。秘仏の2体は、中央の大きな厨子にお二方で同居されていました。

御本尊の秘仏「十一面観世音菩薩立像」は、開基の為光上人作と伝わるもので、十世紀初期のクスノキの一木造りです。その外見は、パンフレットに「どっしりとした重厚感のある体躯」とありましたが、まさにその通り。像高は160cm近いと思われましたが、お顔が大きめで、ズングリとした雰囲気です。イメージとしては、白鳳時代の小さな金銅仏をそのまま大きくした感じですね。顔立ちはやや男性的で、全身から力強さが感じられました。

そのお隣にいらっしゃる、秘龕仏(ひがんぶつ)「千手観世音菩薩立像」は、同じく為光上人作の自作と伝わるもの。パッと見ると42の脇手のみの千手観音像のように見えますが、小手970本を持つ「真数千手観音像」なのだそうです。これだけでもかなり希少ですし、顔立ちは厳しく、あまり千手観音では見られないタイプでした。

その脇には、十一面観世音菩薩立像・梵天立像・帝釈天立像(全て重文)、そして厨子に入った毘沙門天立像が並びます。まるで聖観音のような美しい帝釈天像など、さすがに歴史ある寺院らしい素晴らしい仏さまがいらっしゃいました!


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紀三井寺のパンフレット類。通常のものと、収蔵庫「大光明殿」の仏像の解説をしたものなどをいただきました。御本尊の特別御開帳は、拝観料1,000円とややお高めでしたが、その代わり次回の来山時に使用できる参拝券付き(200円相当)でした。いいアイディアですね


壁面に大量の杓子が挿された「大雅洞」

また、本堂の地下に当たる「大雅洞」には、壁面いっぱいに「祈願杓子」が奉納してある、ちょっと変わった光景が見られます!なかなか迫力のある光景でしたので、機会があったらぜひ立ち寄ってみてください。


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紀三井寺の本堂では、「祈願杓子」が販売されています。杓子に願い事を書いて奉納する・・・というもので、決して珍しくないかと思ったのですが・・・

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本堂の地下にあたる部分にある「大雅洞」。入り口部分に山のように積まれているのは杓子の山!

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薄暗い「大雅洞」の内部。西国三十三所の仏さまを祀った施設ですが、壁一面が杓子に埋め尽くされているのが驚きです!

紀三井寺@和歌山-19
明るいところで見るとこんな感じ。たくさんの杓子に圧倒されました!ちなみに、西国三十三所関連の資料の展示もありましたので、ぜひ忘れずに立ち寄ってみてください


「日本さくら名所百選」に選ばれています

この他、「鐘楼」「多宝塔」などが重要文化財に指定されています。どちらも鮮やかな朱色に塗られていて、それほど古いものには見えませんが、それぞれ16世紀と15世紀のもの。

また、本堂前には、関西の桜開花の判断基準になるソメイヨシノも立っています。紀三井寺は「日本さくら名所百選」にも選ばれている桜の名所ですので、春に来ると美しいでしょうね。


紀三井寺@和歌山-21

本堂前に並ぶ「鐘楼(重文)」。1588年の建立。紀三井寺の文化財は、鮮やかな朱色に塗り直されているものが多いですね

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本堂よりも一段だけ高いところに建つ「多宝塔(重文)」。1449年の建立で、下層は四角、上層は円形の美しい塔です

紀三井寺@和歌山-15
紀三井寺の本堂前にある「植物季節観測用標本」のソメイヨシノ。関西の桜の開花宣言などの判断基準になる重要な樹です

紀三井寺-ご朱印
紀三井寺でいただいたご朱印です



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■紀三井寺(紀三井山金剛宝寺護国院)

HP: http://www.kimiidera.com/
住所: 和歌山県和歌山市紀三井寺1201
電話: 073-444-1002
宗派: 救世観音宗総本山
本尊: 十一面観音(重要文化財)
創建: 770年(宝亀元年)(伝)
開基: 為光上人(伝)
拝観料: 参拝券 200円、仏殿大観音像拝観 200円(合同券 300円)
拝観時間: 8:00 - 17:00
駐車場: 有料駐車場あり
アクセス: JR紀勢本線「紀三井寺駅」から徒歩10分

※西国三十三ヶ所観音霊場の第二番札所
※桜の名所。関西の桜の開花宣言の基準となる「ソメイヨシノ標本木」がある
※御本尊などの秘仏の御開帳は、今回の特別御開帳を除けば、50年に一度しか行われません。次回は10年後の2020年(紀三井寺の開創1250年)の予定となるそうです






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