2014-10-19

国宝「三重塔」とコスモスが美しい『法起寺』@斑鳩町

国宝「三重塔」とコスモスが美しい『法起寺』@斑鳩町

現存最古の三重塔(国宝)で知られる、斑鳩町の世界遺産寺院『法起寺』。小規模な境内ですが、美しい塔はずっと観ていても飽きることはありません。収蔵庫には大きな「十一面観音立像」(重文)もいらっしゃいます。また、秋は周囲にコスモスが栽培され、「三重塔+コスモス」の美しい光景も観られました!のどかで懐かしい気分が味わえました。


法隆寺から近い、聖徳太子ゆかりのお寺

世界遺産「法隆寺地域の仏教建造物」に登録されている、斑鳩町の『法起寺(ほうきじ、ほっきじ)』(Wikipedia)。法隆寺の子院で、708年に建立された現存最古の美しい「三重塔(国宝)」は、法隆寺・法輪寺の塔とともに「斑鳩三塔」と呼ばれ、古くからその美しさを讃えられてきました。

法隆寺からほど近い岡本地区に位置していますが、ここは聖徳太子が法華経を講じた「岡本宮」跡と言われています。聖徳太子の遺言により、山背大兄王が宮を寺に改めたのが法起寺の始まりと伝えられ、聖徳太子建立七大寺の一つに数えられることもあります。

法起寺は今ではとても小規模な寺院になっていますが、法隆寺・中宮寺・法輪寺と、斑鳩エリアのお寺めぐりをする方の参拝が絶えません。

また、岡本地区の方たちが、周辺の休耕田にコスモス(秋桜)の種をまいているため、秋になると一面のコスモスと三重塔という風景が見られ、特に多くの観光客が訪れます。


私たちは、毎年のようにコスモス+三重塔の風景を観に来ていますが、久しぶりに境内へ入ってお詣りしてきました。


三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-01

斑鳩町の世界遺産寺院法起寺(ほうきじ)』。とてものどかな土地で、門前がすぐ空き地だったり、で野菜の無人販売があったりします。駐車場は、法輪寺前の無料駐車場(徒歩10分ほど)を利用しましょう

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-03
境内図。三重塔に収蔵庫などがありますが、それほど規模は大きくありません。「写真・スケッチはご遠慮下さい」とあったため、写真について確認してみたところ、「収蔵庫の仏さま以外は撮影していただいて結構です」とのことでした

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-04
法起寺のご本尊「木造十一面観音菩薩立像」(重文)は、和風の「収蔵庫」におわします。10世紀後半頃の作で、像高350cmと堂々たるお姿です!

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-05
ご本尊のほか、平安時代の不動明王像、江戸時代の阿弥陀如来像・釈迦如来像・愛染明王像・達磨大師像など、9躯の仏さまが安置されています。ただし、収蔵庫の中には入れず、扉の外から眺めるタイプなので、あまりよく見えないのが残念です

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-06
三重塔(国宝)と、その隣に建つ講堂。講堂は、観音堂とも呼ばれ、本堂だった建物です。収蔵庫に移られた十一面観音像も、以前はこちらで祀られていました

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-15
三重塔の正面に建つ「聖天堂」。内部は拝見できませんが、歓喜天さまを祀るお堂で、その背後に、江戸時代の阿弥陀如来像・大日如来像、平安時代の地蔵菩薩像がいらっしゃるようです。斑鳩に歓喜天像というとちょっと意外な感じもしますが、いわれがあるんでしょうね

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-16
庫裏の裏手はやや荒れ気味。ちょっと驚きます(笑)


現存最古の国宝「三重塔」は古式で優雅!

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-07
法起寺の「三重塔」(国宝)。高さ23.9m、706年(慶雲3年)に建立された、現存最古の三重塔です。中世にはかなり荒廃していましたが、1678年、真政圓忍と弟子たちが修復。1972年に大規模な解体修理も行われています。その様式は「古式をよく残している」とされています

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-11
連続する垂木が美しいですね。垂木の真ん中ほど、横方向の「丸桁」で支えている形は、法隆寺五重塔などと共通する古式なもの。他の塔と比べると違いが分かります

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-10
法起寺三重塔の心柱。八角のようです。法隆寺・五重塔などより古い時代のものは、心礎が地中深く埋められていますが、法起寺三重塔は基壇の上にあるとか。時代が下るにつれて、心柱は地面から離れていく傾向にあります

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-13
一層目と二層目は「三間」(柱の間が3つ)ですが、三層目は「ニ間」になった珍しいもの。江戸の修理の際に、ここも三間に改造されていましたが、昭和の修理の際に現在の姿に戻されたとか。二重と三重に見える「高欄」(手すり)も、この時に復元されたそうです

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-09

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-12

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-14

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-08


水面に映る「逆さ三重塔」も観られます

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-17
境内の池の畔に「三重塔 旧心礎」があります。その役目を終え、解体修理の際に新しいものに替えられたのでしょう。この塔が建った8世紀初めからずっと支え続けてきたんですから、すごいですよね!

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-18
旧心礎の位置から、水面に映る三重塔が見られます。蓮の葉が繁茂している時期はそれほどよく見えませんが、冬にはもっとはっきりと見られるでしょう

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-19
位置を変えて撮影した、水面に映る法起寺三重塔


東側にコスモス栽培地が広がっています

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-20
法起寺三重塔とコスモスの花。斑鳩の秋の風物詩となりました。見頃は10月中旬ごろ。今年は台風も多く、すでに倒れかけていたりしましたが、たくさんの観光客の方が楽しんでいました

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-21
『お願い』と題した注意書き。「この栽培地は「斑鳩の里」法起寺周辺にふさわしい景観づくりとして、花の栽培をしています。このため、次のような迷惑行為(車両の乗り入れ、写真撮影等で無断で栽培地、周辺の田んぼに入り花を折るなど)を禁止します」とあります

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-24
周辺の田んぼでは、ちょうど稲刈りが終わった直後でした。稲束が立ててあったり、野焼きの煙が上がっていたり。世界遺産にも登録された、日本最古の三重塔のすぐ隣が、田んぼや畑なんですから、のどかでいいですよね(笑)

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-25
野焼きの煙と三重塔。煙たいんですが、どこか懐かしい匂いでもあります

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-26
地元のボランティアの方にお話を伺ったところ、秋の夕方ごろ、コスモス畑ごしに三重塔の近くに夕日が落ちるアングルもあって、カメラマンの方たちに人気なのだとか。また、休耕田にコスモスの種をまくため、土地の所有者さんの都合によって、毎年少しずつコスモスの場所が変わったりするそうです

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-27

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-28

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-29

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-30

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-22

三重塔とコスモス『法起寺』@斑鳩町-23



■法起寺(岡本寺・池尻寺)

HP: http://www.horyuji.or.jp/hokiji.htm
住所: 奈良県生駒郡斑鳩町大字岡本1873番地
電話: 0745-75-5559
宗派: 聖徳宗
本尊: 十一面観音
創建: 638年
開基: 山背大兄王
拝観料: 300円
拝観時間: 8:30-17:00(11月4日~2月21日の間は16:30閉門)
駐車場: なし
アクセス: JR大和路線「法隆寺」駅より、奈良交通バス「法起寺」下車すぐ


■参考にさせていただきました

法起寺 - Wikipedia


■関連する記事






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ