やや荒れ気味の世界遺産『法起寺』
クリスマス当日、ブラブラと出かける予定にしていたのですが、この日はお天気がイマイチ。そこであまり遠出せず、ご近所の『法起寺』と『法輪寺』を周ることにしました(何度も行ってますので、敢えて法隆寺は外してみました)。
法起寺は「ほっきじ」または「ほうきじ」と読み、とても小さなお寺です。法隆寺を本山とした「聖徳宗」の寺院で、日本最古で最大の「三重塔(国宝)」が有名です。これまでにも数回拝観したことがあったのですが、来るたびに印象が違いますね。今回の正直な感想は「こんなに荒れてたっけ?」でした。
※2014/10/28 追記
法起寺について、新しい記事を書きました。情報も新しくなっていますので、こちらを優先してご覧ください。
国宝「三重塔」が美しい小寺
現在の正面「西門」から入ると、もうすぐに三重塔がそびえているのが見えます。法輪寺もそうですが、このお寺の近くに来ればどこからも三重塔が見えますので、敢えてお金を払って拝観しないという方も多いと思います。商売的にはマイナス要因ですね(笑)
しかし、この日は平日だったにも関わらず、意外と沢山の方が拝観に来ていました。奈良の他のお寺と比べても、規模も小さいし、それほど多くの見所があるワケではありませんので、皆さん満足して帰っているのかと、余計な心配をしてしまいます。
法起寺のシンボル「三重塔」は、706年創建で、質素で力強い雰囲気のある塔です。聖徳太子が建立した七大寺の一つに数えられる法起寺ですが、一時は荒廃し、この三重塔以外はほとんど残っていなかったのだとか。お寺周辺は今でも相当な田舎ですが、その昔は本当に何も無いところにポツンと三重塔だけが建っていたのかもしれません。
近くのため池越しに三重塔を眺めた写真をよく見かけるのですが、この日は残念ながら完全に干上がっていて、その画像は撮影できませんでした。
法隆寺から程近くにある『法起寺』(岡本尼寺)。こじんまりとしたお寺ですが、少し離れたところからも見える「三重塔(国宝)」が有名です
庫裡の裏の建物。傾いてるし、窓の部分が破れてるし・・・。世界文化遺産の中にこんな建物があるのが驚きでした!
法起寺の最大の見どころ「三重塔(国宝)」。三重塔としては、日本で最大・最古のものなのだとか。高さ23.9m、706年創建。
三重塔の向かいにある「聖天堂」。中の仏像たちは収蔵庫に移されてるみたいですし、建物自体も荒れ気味ですし・・・。ちょっと淋しいですね
ご本尊は華やかな「十一面観音」
法起寺のご本尊は「十一面観音菩薩立像」。収蔵庫に納められているのですが、なかなか味のある仏像です。十世紀後半ごろの作ということで、大部分の金箔も残っていて、奈良の仏様にしては少し華美ですね。また、失礼な言い方ですが、阪神タイガースの鳥谷選手に顔が似ています(笑)
・・・実は法起寺でオススメできるようなのはこの2点くらいですね。あとは、世界遺産だというのに、ところどころで荒れた部分が見えるという、そのギャップを楽しんでください!
・拝観受付所のすぐ裏の建物が、壁は傾くわ、窓は破れるわ、なかなかの荒れ放題です
・「南大門越しの三重塔」という構図のシャッターポイントの南大門ですが、そのすぐ脇で壁が途切れて消滅してます
・大して広くない境内の中なのに、無意味にロープが張ってある更地があります
・案内看板はよくよく見たら凝った作りなんですが、古すぎて読めません
せめて寄付の呼びかけでもしてあればやる気が伝わってくるってものなんですが、のんびりしているというか・・・。何と言えばいいんでしょうかね~(笑)
見どころは少ないですが、人もそれほど多いワケじゃありません。お天気のいい日に、休憩所にボケーッと座って三重塔を眺めるなんていうのはいいですね。少なくとも、三重塔だけは見る価値はありますから。
時間とお金を節約したい方は、拝観せずにお寺の周りから眺めるだけにした方がいいかもしれません。
「十一面観音菩薩立像」が鎮座する収蔵庫。他にも小さめの仏像が何体か
外に出て、「南大門」越しに三重塔を眺めたところ。こう見るとなかなかいい感じに見えますね
法起寺のご朱印です。カッコイイですね~
お土産に買ってきた法起寺の絵葉書です。十一面観音と三重塔が数カットずつ。「虚空蔵菩薩」の絵柄もなかなか良かったです
■法起寺(岡本寺・池尻寺)
HP: http://www.horyuji.or.jp/hokiji.htm
住所: 奈良県生駒郡斑鳩町大字岡本1873番地
電話: 0745-75-5559
宗派: 聖徳宗
本尊: 十一面観音
創建: 638年(舒明天皇10年)
開基: 山背大兄王
拝観料: 300円
拝観時間: 8:30 - 17:00(冬の約3ヶ月間は16:30まで)
駐車場: なし
アクセス: JR大和路線「法隆寺」駅より、奈良交通バス「法起寺」下車すぐ