奈良県南部にある水の神社「丹生川上神社」には、上社・中社・下社の3つがあります。一日でその3社を回ってみました。川上村にある『丹生川上神社（上社）』には初めてお詣りしましたが、社殿も美しい立派なお社でした。

ダム建設で高台へ移転した古社です

吉野にある『丹生川上神社（にうかわかみじんじゃ）』は、東吉野村の「中社」、川上村の「上社」、下市町の「下社」があります。この上中下は、位置関係や上下関係を示すものではありません。詳しくは、『丹生川上神社（中社）』の項目に書きましたので、そちらをご覧ください。

川上村にある上社は、169号線の川上村役場や道の駅の脇の道を入り、つづら折りの道を登ったところにあります。メインの通りから近いのですが、表示が分かりづらくて、今まで何度も通っていながら全く気づきませんでした。

今でこそ高台にありますが、大滝ダムを建設する際に現在地に移築されています。その際の調査では、平安時代の祭祀跡が発見され、非常に古い歴史を持つ神社であることが推測されています。

川上村にある『丹生川上神社 上社』。大滝ダムを見下ろす高台にあり、細いつづら折りの道を登った先に建っています。本殿は1998年に造営された真新しいもの。軒の反りが美しいですね

6月の末だったため、本殿前には「夏越大祓式茅の輪くぐり」がありました（丹生川上神社3社の中でここだけです）。茅の輪に一礼、「みな月の なごしの祓い する人は ちとせの命 のぶといふなり」の和歌を詠み、「蘇民将来」と唱えながら左右左と回るもの。今年一年、災厄を払ってくれるそうです

丹生川上神社 上社の説明。御祭神の「高龗大神（たかおかみのおおかみ）」は、イザナギが火の神カグツチを切った時に生まれた神で、水を司る龍神とされています。古来より祈雨・止雨の神社として、時の天皇により数十回の奉幣祈願がなされてきました

本殿前には馬の彫像が。平安時代の「延喜式」には、朝廷から奉幣をいただいた際に、祈雨の時は黒毛の馬を、止雨の時は白毛の馬を奉っていました。後に生きた馬の代わりに奉納されるようになったのが「絵馬」の発祥なのだそうです

小さい画像ですが、丹生川上神社 上社の絵馬には、白黒2頭の馬が描かれています。後ろに見えるのは、樹齢600年の杉のご神木の切り株。ダム建設により現在地に移転する前に境内に立っていたものなのだそうです

本殿の脇には石が敷き詰められた一角が。これは「元宮（旧御本殿下）から発掘された平安時代祭場跡（復元）」とありました。この本物があった場所も、今はダムの底に沈んでしまったのでしょう

『こたろうとははりゅう』の顔ハメも！

境内からは、以前にお社があった大滝ダムが見下ろせます。ちょっとした展望台のようになっていますが、その前に日本昔ばなしの『こたろうとははりゅう』をモチーフにした顔ハメがありました！神社に設置してあるのも不思議な感じですが、龍神を祀る神社ですから、意外と合うのかもしれませんね。

高台にある境内の隅に、龍に乗ったポーズが撮影できる顔ハメが設置されていました！「龍神総本宮 丹生川上神社上社」とあります。背景の山並みに重ねると、意外とそれっぽく写るかも？

顔ハメの裏側。想像以上にしっかりとした造りで驚きました！説明文によると、「日本昔ばなし『こたろうとははりゅう』より製作いたしました」とのこと。あの有名なオープニングムービーがモチーフになっていたんですね！

丹生川上神社上社の境内から大滝ダム側を眺めたところ。かなりの高台にあることが分かります

本殿をダム側からみたところ

本殿の向かいにある社務所。こちらも真新しいですね

丹生川上神社 上社でいただいたご朱印です。龍の横顔の印がいいですね！

より大きな地図で 丹生川上神社 3社 を表示

■丹生川上神社（上社）

ＨＰ:　参考サイト（Wikipedia）
住所:　奈良県吉野郡川上村大字迫869-1
電話:　0746-52-0733
主祭神:　高龗大神（たかおかみのおおかみ）
創建:　不明
拝観料:　境内自由
駐車場:　無料

■参考にさせていただきました！

丹生川上神社上社
丹生川上神社上社
丹生川上神社 - Wikipedia
丹生川上神社下社 - Wikipedia
淤加美神 - Wikipedia