八咫烏と那智の滝を祀る『熊野那智大社』@和歌山
青岸渡寺へ参拝に行ったのですから、もちろん隣接する熊野三山の一つ『熊野那智大社』へもお参りしてきました。
熊野那智大社は「熊野三山」の一つ
『熊野那智大社』は、熊野本宮大社、熊野速玉大社と並ぶ「熊野三山」の一つです。
社伝には「神武天皇が熊野灘から那智の海岸“にしきうら”に御上陸されたとき、那智の山に光が輝くのをみて、この大瀧をさぐり当てられ、神としておまつりになり、その御守護のもとは、八咫烏の導きによって無事大和へお入りになった」と記録されているというほど、古い歴史があるようです。
青岸渡寺のすぐ隣にありますので、その流れで参拝させていただいたのですが、見て周ったのは熊野那智大社のほんの一部に過ぎません。山の中にも社殿が点在しており、那智の滝への信仰や修験道の思想が混在した、自然を崇拝してきた神社らしい作りだといえるでしょう。
また、三本足の鳥「八咫烏(やたがらす)」は、サッカー日本代表のシンボルとして有名になりましたが、そのデザインは、ここ熊野那智大社のものから起こしたのだとか。サッカーファンの方は、しっかりと拝んでおきましょう!
『熊野那智大社』の石段と鳥居。隣接する「青岸渡寺」の参拝客らしき方たちが、多数いらっしゃってました
熊野那智大社の山門。青岸渡寺の本堂のすぐ脇にあるため、別の寺社だと意識している人の方が少ないのかもしれません
熊野那智大社の「拝殿」前。青岸渡寺とは打って変わって、朱塗りの色鮮やかさが目につきます。それにしても、平日の午前中だというのに、かなりの人出ですね
拝殿の内部はこんな感じ。手前にある茶せんをひっくり返したような形のものは、毎年7月14日に行われる「那智の火祭」に使われる松明と同じものでしょうか
本殿の脇にある「八社殿」。サッカー日本代表のシンボルでもある「八咫烏(やたがらす)」の碑が建っています。社殿の多くはほとんど彫刻を用いないなど、やや特殊なもの。19世紀の建立だそうです
八咫烏(やたがらす)の特徴は、三本足であること。熊野三山においては、神聖なものとして、特に信仰されています。サッカーの日本代表のシンボルマークも、実際に熊野那智大社のものからデザインを起こしたのだそうです
拝殿と八社殿の間からは、奥のお庭が少しだけ見えていて、立派なしだれ桜が見えました。それにしてもいいお天気です!
八社殿の隣の「宝物殿」。1970年に作られたもので、日本三大経塚の一つ「那智経塚」からの出土品や、熊野三山の歴史を伝える貴重な所蔵品が展示されているそうです。この日は時間が足りなかったため、入館しませんでした
熊野那智大社の前にある、天然記念物の「那智の樟(くす)」。樹齢約800年の巨木で、根幹部は空洞化しているため、その下をくぐることができます(有料)
「那智の樟」は樹高27メートルの見事な巨木です。ご神木として古くから祀られていたのでしょう
『熊野那智大社』の参道。それなりに石段を歩かなくてはいけないので、心の準備が必要です
■熊野那智大社
HP: http://www.kumanonachitaisha.or.jp/
住所: 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
電話: 0735-55-0321
主祭神: 熊野夫須美大神
創建: 4世紀ごろ(伝)(仁徳天皇の時代だとされます)
拝観料: 境内無料
駐車場: 有料駐車場あり(500円ほど)
アクセス: 紀伊勝浦駅より、那智山行きのバスで「神社お寺前駐車場」まで30分、そこから徒歩15分(駅からタクシーを使うと20分ほど)