2015-05-10

見どころたっぷり!大充実の『高野山開創1200年記念大法会』

見どころたっぷり!大充実の『高野山開創1200年記念大法会』

弘法大師空海ゆかりの高野山で『高野山開創1200年記念大法会』(2015年4月2日~5月21日)が執り行われています。金堂の御本尊が初めて御開帳となったり、金剛峯寺「持仏間」の御本尊にお会いできたり、霊宝館では豪華すぎる展示内容だったり。日曜日のこの日は大混雑でしたが、高野山の素晴らしさをじっくりと味わえました!


空海が密教道場を開いて1200年目です

和歌山県高野町に位置する聖地「高野山」。2015年は、弘法大師空海(Wikipedia)が密教の道場を開いてから1200年の節目を迎え、『高野山開創1200年記念大法会』(2015年4月2日~5月21日)が執り行われています。

その内容については、南海電鉄さんの「高野山開創1200年特設サイト」に見やすくまとまっています。

●壇上伽藍 金堂 御本尊特別開帳
●金剛峯寺 持仏間御本尊開帳
●高野山霊宝館 特別公開
●プロジェクションマッピング「高野山1200年の光」(5月12日~17日)
●重要文化財「徳川家霊台」内部特別公開(2015年5月9日~17日、10月31日~11月8日)
●国宝「不動堂」内部特別公開(2015年8月28日~30日)など

これらの特別公開は、基本的に「2015年5月21日(木)まで」となります。

この日は、団体バスが百台以上も押し寄せる、期間中最大の混雑日となったそうですが、義父義母とともに大賑わいの高野山を参詣してきました。簡単にその様子をご紹介しておきます。


慈尊院の秘仏・弥勒仏坐像も特別御開帳

まずは、高野山の玄関口に当たる、和歌山県九度山町の世界遺産寺院『慈尊院』(Wikipedia)へ。

慈尊院・弥勒堂では、21年に1度の開扉とされている秘仏「木造弥勒仏坐像」(国宝)が、高野山開創1200年を記念して特別に御開帳されています(2015年4月2日~5月21日)!

全国には、国宝指定されている仏像・神像彫刻は「128件」あるそうですが(参考サイト「国宝仏像完全リスト | 念彼観音力 ―タイガースカフェの仏像・巡礼ブログ―」)、その貴重な1躯です。お詣りできて良かったです!


高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-01

九度山町の『慈尊院』。宇陀市・室生寺と同様、ここも「女人高野」と呼ばれるお寺で、乳房型の絵馬などが奉納されています。この日は時間の関係で立ち寄れませんでしたが、かつらぎ町『丹生都比売神社』と合わせてお詣りするといいでしょう

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-02
この日の慈尊院は、団体バスがどんどん入ってきて、ものすごい賑わいでした!境内には美しい多宝塔などもあります。紅白の幕と行列が見える先に、重文「弥勒堂」があり、そこに国宝「木造弥勒仏坐像」が安置されています

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-03
左手に見えるのが弥勒堂です。お堂の奥にいらっしゃる仏さまを、お堂の前から遠目に拝見するタイプでした。平安初期の作で、像高は91cm。ゆったりと量感のある雄大なお姿で、もっと大きく見えました。ずっと完全秘仏として伝わっていただけに、光背や台座もきれいです。よくこんな仏さまが何の被害も受けずに遺っていたものだと感心してしまいました

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-04
慈尊院の境内の奥には『丹生官省符神社』があります。その先から、高野山へ続く「町石道」(約21km)が始まります。いつか歩いてお詣りしてみたいですね


■慈尊院

HP: 参考サイト:九度山町ホームページ
住所: 和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832

※御開帳期間は「2015年4月2日~5月21日」です


壇上伽藍の金堂の御本尊は高村光雲作!

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-06
九度山町から高野山へ移動したところ、この日は特に大規模な法要が行われていたということで、高野山の町中は大変な混雑ぶりでした。伽藍金堂では、辯天宗の方たちによる「開創記念慶讃法要」が行われ、この混雑!オーケストラや合唱隊も入っての大規模なものだったそうです

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-07
ひとまず金堂の拝観は諦めて、他へ移動することに。広大な壇上伽藍も、この日ばかりは大変な賑わいでした

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-08
運慶作・八大童子像などが祀られていたとされる「不動堂」(国宝)。いつもは拝観などできませんが、「2015年8月28日~30日」の4日間のみ御開扉され、須弥壇や現存最古の襖などが拝見できるとか!仏さまがご不在の状態だと思いますが、これは貴重な機会ですので、楽しみにしておきます

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-09
高野山参道の新緑と真っ赤なモミジ

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-10
後から壇上伽藍に戻ってきて、ゆっくりと拝見しました。この「壇上伽藍中門」はこの春、172年ぶりに再建されたばかり。その背後の壇上伽藍・金堂は、1926年の火災で全焼し、1934年に再建されたもの。この時に安置されたご本尊の「阿閦如来(兼薬師如来)像」は、今回が初めての公開となります!その作者は、著名な彫刻家・高村光雲氏!貴重なお姿を拝見できました


金峯山寺・持仏間の弘法大師坐像も特別公開

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-11
高野山真言宗の総本山『金剛峯寺』にもお詣りしました。ここの大広間(持仏間)に安置されている御本尊・弘法大師坐像が、16年ぶりに御開帳されています!行列に並んで廊下から遠目に拝見し、ご縁を結ばせていただきました。ここには、金剛峯寺の歴代座主の位牌も安置されているとか

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-12
2,340平方メートルもある、石庭としては日本最大の規模を誇る「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」。四国産の青い花崗岩140個で龍の姿を表しています。混雑していて忙しなかったので、また改めてゆっくりとお庭を拝見しに来たいと思います


弘法大師が眠る「奥之院」にもお詣り

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-17
高野山の巡回バスを利用して『高野山 奥之院』へ。今なお弘法大師空海が眠っていると伝わる、聖地の中の聖地です(過去記事「日本仏教の聖地中の聖地!高野山『奥の院』@和歌山」)。この「御廟橋」の先は撮影禁止。静かにお詣りしましょう

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-13
奥之院では、企業が建てたユニークな慰霊碑が数多く観られます。これは「公益社団法人 日本しろあり対策協会」さんのもの。「しろあり やすらかに ねむれ」のシンプルな慰霊の言葉が刻まれています

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-14
こちらはヤクルトさんのもの。おなじみのあの形の石碑が目立ちます。高野山は、あらゆる宗教・宗派・人種に開かれていますので、他の宗教のものや他の国の方のお墓なども珍しくありません

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-16
有名な武将たちのお墓も多数観られます。これは「豊臣家墓所」。織田信長や伊達政宗などのお墓もあります


超豪華ラインナップの「霊宝館」は必見!

高野山 霊宝館』では、高野山開創1200年に合わせて、貴重な宝物が一堂に会する「高野山三大秘宝と快慶作孔雀明王像」展を開催しています(2015年4月2日~5月21日)。

●弘法大師が唐から投げて高野山に飛来した「飛行三鈷杵」(重文)
●弘法大師の真跡「聾瞽指帰」(国宝)
●弘法大師が唐から請来した「諸尊仏龕」(国宝)
●快慶作「孔雀明王像」(重文)、運慶作「八大童子像」(国宝)なども

2015年春の、大阪・あべのハルカス美術館『高野山開創1200年記念 高野山の名宝』(紹介記事)でも拝見していますが、その時以上の感動ですね。貴重な仏像がガラスに遮られることなく、至近距離からまじまじと拝見できるのですから、本当に迫力があります!

同時に、今回が初公開となる懸仏・神鏡・華鬘・太刀などが並んだ「初公開!高野山の御神宝」展も開催されていました(2015年3月21日~7月5日)。

高野山霊宝館はいつきても圧倒されますが、今回の展示は仏像から絵画、工芸品まで、本当に豪華です!必見ですよ!

高野山開創1200年記念大法会@和歌山県高野町-19
高野山霊宝館の「高野山三大秘宝と快慶作孔雀明王像」展の案内。貴重な国宝と重文ばかり!この他の仏像も素晴らしいですし、高野明神の図像なども豊富で観ていて飽きません。高野山開創1200年記念の間は、閉館時間を延長していますので、たっぷりと楽しめますよ!



■高野山 開創1200年記念大法会

HP: http://www.koyasan.or.jp/k1200/(※音が出ます)
Facebook: https://www.facebook.com/koyasan1200

期間: 2015年4月2日~5月21日


■参考にさせていただきました

高野山開創1200年記念大法会│南海高野ほっと・ねっと
高野山開創1200年特設サイト


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