8.3m×6.4mの巨大ジオラマ!『平城宮跡復元模型』@奈良市役所
奈良市役所の1階ロビーに設置されている、巨大な「平城宮跡復元模型」。平城京を「1000分の1」サイズで再現したもので、その大きさは「東西8.3m×南北6.4m」!大きいだけではなく、細部まで丁寧に作りこまれていて、その世界へ引き込まれそうになります。東大寺や大安寺といった大寺院、都の中心だった平城宮、真っ直ぐ伸びる朱雀大路など、奈良時代へタイムスリップできますよ!
「さすが奈良!」と感心する巨大さ
奈良市二条大路南に建つ『奈良市役所』。イトーヨーカドー奈良店のお隣くらいに位置しています。奈良市の中心部からはやや離れますし、奈良市民以外はあまり行く機会もないと思いますが、ここのロビーに巨大な「平城宮跡復元模型」が展示してあるのをご存知でしょうか?
このジオラマは、1977年に奈良市役所がここへ移転した際に制作されたもの。実際の「1000分の1」サイズで作られており、その大きさは「東西8.3m×南北6.4m」という巨大さです!
こんな巨大なものが、市役所の1階ロビーにどーんと展示してあるんですから、誰が見ても「さすが奈良!」と驚かれることでしょう。
奈良市役所の1階ロビーに鎮座するジオラマ「平城宮跡復元模型」。東西8.3m×南北6.4mという巨大さで、端に写っている人と比べると、いかに大きいかわかるでしょう。ちなみに、普段は節電のため灯りを半分に減らして展示されていますが、案内窓口の方にお願いすると全部点灯してもらえます
ガラス越しですが、細かく作りこまれているのがよくわかります。ここには計26の寺院、そして2坪以上の巨大な宅地3戸などをふくむ、約7,300戸(!)もの住宅が再現されているとか!
再現されているエリアを示した図。東は若草山山頂まで、西は現在のあやめ池の東側まで、南は大和郡山市下三橋あたりまで、北は神功皇后陵あたりまでがふくまれます。実際の平城京は「南北4.8km×東西4.3km(※外京を除く)」という大きさですが、それが一望できます!
平城京の人々の生活を想像できます
「平城宮跡復元模型」の最大の見どころは、やはり真っ直ぐに伸びる「朱雀大路」でしょう。手前(南側)の羅城門から、平城京の入り口となる朱雀門まで、幅約90m×長さ約3,700mも伸びていました。このジオラマだとそのスケールがよくわかりますね
ちょっと角度を変えて。向かって左側に見える寺院は薬師寺・唐招提寺です。平城京に住む人々の多くは、当時の中央官庁にあたる平城宮に通勤していました。位が下の者ほど遠い位置に住んでいたため、通勤も大変だったでしょう
羅城門の近くの宅地の様子。下級官僚が住んでいたエリアのため、一つの区画を小さく分割して暮らしています。建物は簡素な掘っ立て小屋、敷地内で畑などを耕していたそうです。想像が膨らみますね!
平城宮の北側からみたところ。垂仁天皇陵、神功皇后陵などの巨大古墳が連なる「佐紀盾列(さきたてなみ)古墳群」(Wikipedia)が手前に見えます。都市と葬送地で色合いがまったく違います。都の中心部と巨大な古墳たちがこの近距離に並んでいるのも奇妙なものですね
ジオラマを南東側から見たところ。平城京の内と外とで大きく様相が違うのが面白いですね
若草山ごしに外京をみたところ。東西2基の七重塔がそびえ立つ東大寺!ジオラマの中でもひときわ目立ちます。寺域すべてを築地塀で取り囲んでいるのですから、工事も大変だったでしょうね(笑)。すぐ近くに興福寺がありますが、この当時はまだそれほど大きくはありません
ややわかりづらいですが、向かって左手の2基の五重塔が建っているのが大安寺で、右手が元興寺です。ちなみに、再現されている寺院は大寺13(東大寺・興福寺・元興寺・大安寺・法華寺・西隆寺・西大寺・薬師寺・唐招提寺・紀寺・菅原寺・新薬師寺・秋篠寺)、小寺13(佐伯院・葛木寺・海龍王寺・伴寺・穂積寺・阿弥陀浄土院・服寺・禅院寺・殖槻寺・姫寺・平松寺・三松寺・法世寺)とあるそうです。探してみてください!
奈良市の観光案内などもあります
巨大ジオラマ「平城宮跡復元模型」の周囲には、奈良市の観光をアピールするさまざまな展示もあります。「南都七大寺」を紹介するパネル展示があったり……
出土した瓦が展示してあったりします
周りをグルグルとまわって見ているだけでまったく飽きませんので、ぜひ観に行ってみてください!
■奈良市役所
HP:
住所: 奈良県奈良市二条大路南1-1-1
電話: 0742-34-1111
駐車場: 無料(原則1時間以内)
アクセス: 近鉄「新大宮駅」から徒歩10分ほど(JR奈良駅からは20分ほど)
■参考にさせていただきました