2011-06-27

水の神社「丹生川上神社」3社めぐり『中社』@東吉野村

水の神社「丹生川上神社」3社めぐり『中社』@東吉野村

吉野の山中にある水の神社『丹生川上神社』には、上社・中社・下社の3つがあります。本来のものは中社ですが、今回は3社を順番にお詣りしてきました。丹生川上神社が3社もある理由と、ルートについてもご紹介しておきます。


東吉野村に中社、川上村に上社、下市町に下社

吉野にある『丹生川上神社(にうかわかみじんじゃ)』は、東吉野村の「中社」、川上村の「上社」、下市町の「下社」があります。この上中下は、位置関係や上下関係を示すものではありません。

中社のホームページに、この関係性についての説明がありますので、引用しておきます。



今を去る事千三百年余り前、第四十代天武天皇白鳳四年(675年)「人聲の聞こえざる深山吉野の丹生川上に我が宮柱を立てて敬祀らば天下のために甘雨を降らし霖雨(長雨の事)を止めむ」との御神教により創祀せられ、雨師の明神、水神宗社として朝廷の崇敬は殊の外篤く「延喜式」(927年)には名神大社に列せられ、又平安時代中期以降は、祈雨の神として「二十二社」の一つに数えられました。

(中略)

しかし、都が京都に遷り戦国時代以降はそのような祈願も中断され、丹生川上雨師神社もいつしか蟻通神社と称され、ついには丹生川上神社の所在地さえ不明となってしまいました。明治維新となり、丹生川上神社は何処かという研究調査が行われ、明治四年丹生村(下市町)、続いて明治二十九年川上村の神社が、夫々有力視され官幣大社丹生川上神社下社、上社とされました。

蟻通神社こそが丹生川上神社だと大正十一年、当村出身の森口奈良吉翁の精緻な研究調査により丹生川上神社中社として官幣大社に列格され、ここに従来の二社は三社になったが、官幣大社丹生川上神社としては一社であります。そこでこの神社の社務所を当社に移して、下社、上社を統括して祭務を行ってきましたが、戦後神社制度の変遷により今日では三社別々の神社となったが、当社は「丹生川上神社」と登記されています。


手短にまとめると、以下のようになります。

白鳳時代からの歴史を誇る丹生川上神社は、古くから水を司る祈雨祈願の神社として信仰を集めてきました。しかし、戦国時代に廃絶し、所在地すら不明に。明治維新以降、その場所が研究され、1871年に現在の下市町の神社が、1896年には川上村の神社がそれと比定され、それぞれ下社・上社となりました。

しかし、その後の研究により、1922年、東吉野村の「蟻通神社」こそが丹生川上神社だと判明。「中社」と称し、3社を合わせて「官幣大社丹生川上神社」として社務所が置かれていました。1952年に3社はそれぞれ独立し、別の神社となっています。


3社の位置関係をマップで見てみると

丹生川上神社の3社の位置関係をマップにまとめてみました。東側(向かって右手側)から中社・上社・下社となります。


より大きな地図で 丹生川上神社 3社 を表示

●丹生川上神社 中社
奈良県吉野郡東吉野村小968(0746-42-0032)

●丹生川上神社 下社
奈良県吉野郡下市町大字長谷1-1(0747-58-0823)

●丹生川上神社 上社
奈良県吉野郡川上村大字迫869-1(0746-52-0733)

いずれもかなりの山中ですから、3社をまわろうと思うと簡単ではありません。しかし、決して不可能なルートではありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。ちなみに、マップを使って標準的なルートを調べてみたところ、以下のように表示されました。

●中社(東吉野村)から上社(川上村)までは、約22.4km・所要時間45分
●上社(川上村)から下社(下市町)までは、約33.6km・所要時間1時間


高見川のほとりに鎮座する水神宗社

東吉野村の『丹生川上神社 中社』は、3社の中で最も東側に位置します。かなり山深い場所になるため、車の通りも少なく、のどかな鳥の鳴き声と、すぐ前を流れる高見川の水音が響く、とても静かな場所にあります。

御祭神の「罔象女神」(みづはのめのかみ。弥都波能売神とも)は、古事記の神産みの中で、火の神カグツチを生み、陰部を火傷してしまったイザナミの尿から生まれたとされる女神です。なかなか変わった出生の秘密をお持ちの神様ですが、日本では古くから重要な水神として祀られてきました。


『丹生川上神社 中社』@東吉野村-01

東吉野村に鎮座する『丹生川上神社 中社』。水の神「罔象女神(みづはのめのかみ)」を祀り、式内社・官幣大社、二十二社の1つでもあり、古くから水を司る神社として重視されてきました。歴史ある吉野の地だけに、周囲には「神武天皇聖蹟の碑」「吉野離宮碑」などもあります

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-02
丹生川上神社 中社の縁起の説明。「雨乞の明神・水神宗社として上下の尊崇殊の外篤く、天皇の行幸五十数度、祈雨止雨の奉幣祈願九十数度に及ぶ」「今日では水道電力等水に関はる人々は勿論、水との縁から商売繁盛、酒造安全、又受験等の必勝の神として廣く信仰され、御神水を戴かれる人々も多い」

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-03
丹生川上神社 中社の拝殿脇には大きなのぼりが。水色で描かれた「水神宗社」の文字がいいですね。吉野の深い森に抱かれた、とても静かな場所です

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-04
拝殿前の「祓串(はらいぐし)」。左右左と自分で自分を祓ってからお参りします

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-19
丹生川上神社 中社の拝殿内の様子(今回は拝殿内を撮影し忘れたので、3年前の画像を掲載しておきます)

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-20
拝殿から、短い石段の先が本殿です。本殿の両脇には東殿・西殿があり、東殿の前には重要文化財に指定されいている「石灯籠」があるそうです

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-21
拝殿から本殿を見上げたところ。江戸時代末の建築で、本殿と東殿・西殿、全て流れ造りの桧皮葺なのだそうです

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-05
社務所前には、手作り感あふれるお守りの数々が。水の神を祀るだけあって、素朴なてるてる坊主型お守りは霊験あらたかかも。今回は、こちらも手掘り感のある馬型のお守り「うまく行く守」をいただいてきました

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-08
神社の背後の山「小牟漏岳(おむろがたけ)」に関する説明文が新設されていました。「古事記によると、雄略天皇4年(460)、天皇が小牟漏岳で狩りをされ、御呉床に座られていると、虻が天皇の御腕を喰った。その瞬間、蜻蛉が飛んできて、その虻をくわえて飛び去った。天皇は蜻蛉をほめて御歌を詠み。この地を蜻蛉野(あきつの)と名づけられた」「小牟漏岳に続く山上に、神武天皇が上小野の榛原、下尾のの榛原と名づけて皇祖天皇を祀られた『鳥見霊畤跡』があります。」

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-07
この背後の山が「小牟漏岳」。雄略天皇の腕を喰った虻(あぶ)を、蜻蛉(とんぼ)がくわえて飛び去り、これを褒めた歌を詠んだことから、この地は「蜻蛉野(あきつの)」と呼ばれるようになったそうです。残念ながら山容はほとんど見えませんでした。葉が落ちた季節の方が見やすいかもしれませんね


吉野の川辺の美しさもご覧ください

また、丹生川上神社(中社)からは、すぐ前の高見川の河原に降りることができます。さすがに水の神社だと思わせるほど、とても清らかな水の流れですから、お詣りの際にはぜひ降りてみてください。

また、少し山側の「東吉野キャンプ場」の辺りには、ゆらゆら揺れる吊り橋の先に、しめ縄が張られた「東の滝」があります。それほど大きな滝ではありませんが、神々しい姿が見られますので、こちらもぜひ立ち寄ってみてください。吉野の水の美しさを実感できると思います。


『丹生川上神社 中社』@東吉野村-09

丹生川上神社 中社のすぐ目の前には、美しい「高見川」が流れています。驚くほどの透明度で、私も流れに足をつけてみましたが、本当に気持ちのいい水でした。さすがは水の神社ですね。お詣りの際には、ぜひ川辺に降りてみてください

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-10

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-11

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-12

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-13
丹生川上神社のもう少し上流(徒歩でも行ける距離です)には、真っ赤な吊り橋「ゆめはし」がかかっています。これを渡ると「東吉野キャンプ場」、そして美しい「東の滝」があります。美しい吉野の水辺の風景が広がりますので、ぜひ立ち寄ってみてください

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-14

『丹生川上神社 中社』@東吉野村-15

丹生川上神社 中社-ご朱印
丹生川上神社 中社でいただいたご朱印です。上社と下社のご朱印とは違い「中社」との記載はありません。水神宗社の文字や、旧官幣大社、壺型で祈雨の印など、特徴があって面白いですね



より大きな地図で 丹生川上神社 3社 を表示


■丹生川上神社(中社)

HP: http://www.niukawakami-jinja.jp/
住所: 奈良県吉野郡東吉野村小968
電話: 0746-42-0032
主祭神: 罔象女神(みづはのめのかみ)
創建: 675年(伝)
拝観料: 境内自由
駐車場: 無料
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」から、奈良交通バス「大又行き」で1時間、「蟻通橋」下車すぐ


■参考にさせていただきました!

丹生川上神社 - Wikipedia
丹生川上神社上社 - Wikipedia
丹生川上神社下社 - Wikipedia
ミヅハノメ - Wikipedia










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