2010-02-07

夫婦和合の奇祭「おんだ祭」『飛鳥坐神社』@明日香村

夫婦和合の奇祭「おんだ祭」『飛鳥坐神社』@明日香村

あからさまな夫婦和合を模した儀式が行われることで有名な「おんだ祭」を見るために、『飛鳥坐神社』へ行ってきました。奇祭と呼ばれるに相応しい内容で、境内には陰陽石から、性器をかたどったお土産物まで、とにかく驚きの連続でした。


折口信夫氏ゆかりの神社です

奈良県高市郡明日香村にある『飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)』は、創建時期などには不明点が多いものの、「日本書紀」の時代からその存在がほぼ確認できるほどの歴史を持った神社です。衰退期を挟みながらも、江戸時代には高取藩主となった植村家政より、城の鬼門に当たる土地にあったことから篤く信仰されました。

また、民俗学・国学者であり、「死者の書」の著述で知られる折口信夫氏は、飛鳥坐神社の宮司の家に養子に入ったこともあり、そのことを終生誇りに思っていたそうです。

飛鳥坐神社は、今ではそれほどの大きな規模ではありませんが、奇祭「おんだ祭」を行うことで、全国的に名前が知られています。このおんだ祭とは、正式には「御田植神事」といい、露骨なまでに「夫婦和合」を表した儀式があることで有名です。パンフレットによると、三河の「てんてこ祭」、尾張の「田県祭」、大和江包の「網かけ祭」とともに、西日本における【四大性神事】とされているのだとか。

普段は静かな一帯ですが、この日ばかりは屋台なども営業していて、たくさんの観光客で賑わっていました。おんだ祭が始まるのは14時から(約1時間ほど)ですが、私たちが到着した13時半には、もうすでに鈴なりの人だかりになっていましたので、少なくとも13時ごろには陣取っておいた方が良さそうでした。


飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-01

明日香村の飛鳥寺の近くにある『飛鳥坐神社』。毎年2月の第1日曜日に行われる「おんだ祭」の日には、参道に屋台が立ち並びます。鳥居をくぐってすぐの石段も、写真愛好家の方たちが陣取っていて、ものすごい混雑ぶりでした

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-02
おんだ祭りは14時スタートですが、その30分前にもなると、おんだ祭の舞台となる「神楽殿」と「西良殿」前はこの人混み!ベストポジションは拝殿前(画像の向かって左手のやや小高いところ)ですが、少なくとも1時間前には陣取っておいた方がいいようです


御田植神事と夫婦和合の儀式の二部構成

飛鳥坐神社のおんだ祭とは、二部構成になっていて、前半が五穀豊穣を祈願する「御田植神事」、後半が夫婦和合の場面を演じる「夫婦円満」の儀式となっています。



毎年2月の第1日曜日午後2時より、当社の例祭「おんだ祭」が斎行されます。
お祭りに先立ち、午前11時頃より、地元青年団が扮する天狗・翁・牛らが厄除け神事として、ササラ(竹の先を細かく裂いた棒)を持ち、参拝者のお尻を叩きながら、境内を暴れ周ります。

<第壱部>
第壱部では、五穀豊穣を願い、御田植神事が執り行われます。天狗、翁、牛が、昔ながらの道具を使い、田植えをします。途中、牛が怠けた素振りをしたり、笑いを誘います。

<第弐部>
天狗、お多福が仲睦まじく肩を寄せ合い登場します。御神前において昔ながらの形式で結婚式を執り行い、その後、夫婦和合の儀式が面白おかしく演じられます。ここで使用される、幻の紙と呼ばれる「福の紙」は参拝者に撒かれます。数少ないこの紙を手に入れられた方はよほどの幸運者で、その方の家は益々繁栄すると言い伝えられています。
飛鳥坐神社ホームページより


露骨なまでに夫婦の営みを再現したり、股間を拭く仕草をした紙が観衆に投げ込まれたりと、とにかく異色。みうらじゅんさんが「とんまな祭り=とんまつり」として紹介しているように、本当にインパクトの強いお祭りでした!


飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-03

14時になると、おんだ祭の第一部「御田植神事」の主役たち、牛男・天狗・翁が入場してきます

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-04
宮司さんが捧げ物を並べているところ。神楽殿の奥手には、少し前まで大暴れしていた天狗さんたちがお行儀よく椅子に座っているのが面白いですね(笑)

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-05
おんだ祭の第一部「御田植神事」は、畦切りや牛で田を鋤く動作などを行います。その後、宮司さんが種籾をまく「種まき」を行い、松の小枝を苗に見立てて植える仕草「植つけ」へと続き・・・

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-06
植えたばかりの松の小枝を、観衆たちに投げ入れます。この松は、各自の田んぼの水口に突き刺しておくと虫が寄り付かない、とされているのだとか

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-07
第一部が終わると、幕間にお神楽の舞の奉納があります。所作の一つ一つが優雅でした

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-08
おんだ祭の第二部は、「夫婦円満」の儀式です。登場人物は、天狗・お多福・翁。婚礼の際に山盛りのご飯を盛った「鼻つきめし」を奉納したあと、天狗はリンガ型の竹筒を手に、観衆に見栄を切ります。この竹筒でお酒をつぐ仕草もするのですが、これは「汁かけ」と呼ばれるそうです

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-09
これから、いよいよ天狗とお多福による夫婦和合の儀式が行われるのですが、その前に、何故か先が割れたササラの青竹で、天狗がお多福のお尻を引っ叩くという、何とも不思議な流れになります!この夫婦和合の儀式は第二ラウンドまでありますが、その時は立場を入れ替えて、お多福が天狗を叩きます(笑)

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-10
ここで翁が登場して、ござを敷いて寝床を整えます

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-11
夫婦和合の儀式。もうにそのまんまですね(笑)。翁が前に立って一応その様子を目隠しするような仕草を見せています。この儀式は「種つけ」といいます

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-12
もうちょっと拡大するとこんな感じです。お子さんたちもいっぱい見に来ていますが、意味が分かるんでしょうか(笑)

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-13
最終的には、翁は天狗の腰を掴んでアシスト役にまわります!

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-14
種つけが終わると、懐中から紙を取り出して股間を拭いたものを、観衆に投げ入れます。これは「ふくの紙」といい、幸運を授かるのだとか。また、この紙を使用すると子宝に恵まれるとされているそうです。紙を投げるので、それほど遠くまでは飛びません。ふくの紙が欲しい方は、早めに前列をキープした方がいいでしょう

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-15
おんだ祭のラストは、白い紙にくるまれたお餅が投げ入れられます。福を求めてこんな盛り上がりでした!それなりに押し合いになりますので、小さなお子さんなどは注意が必要ですね

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-18
おんだ祭の終了後、先が割れたササラの青竹を持った天狗たちが歩きまわります。希望者はもちろん、近くにいる方のお尻を引っ叩いてまわります。おんだ祭が始まる前から彼らは練り歩いていますので、ぜひ叩かれてみてください!

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-19
お多福のスイングの場面。全体的に、御婦人方には優しく、男性には思いっきりフルスイング、というパターンのようです。私も太ももの部分を思いっきり叩かれて、かなり痛い思いをしました(笑)


陰陽石に性器型のお土産物もあります

おんだ祭が終了後、飛鳥坐神社の境内を見て周りました。それほど広い敷地ではありませんが、境内のいたるところに男性器・女性器に見立てられた「陰陽石」が置いてあります。これらは全て人間が彫ったりしたものではなく、自然石だと言うことですから、よくこれだけの数を集めたものだと感心してしまいました。

また、ここのお土産物もなかなか変わっていて、男性器をかたどった鈴や、女性器をかたどった盃など、個性的なグッズが揃っています。お土産にぜひ!


飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-16

飛鳥坐神社の「拝殿」。おんだ祭終了直後のため、ものすごい混雑ぶりです。拝殿と本殿は、2001年に再建された、まだ比較的新しい建物でした

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-17
飛鳥坐神社の拝殿内部。この奥に「本殿」があります。「産霊(むすひ)」の神様が祀られており、縁結びや子宝祈願だけではなく、事業拡張やクリエイターなど、物を生み出すあらゆることに霊験あらたかなのだそうです

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-20
飛鳥坐神社の「奥の社」。天照皇大神と豊受大神、そして「奥の大石」が祀られています

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-21
八坂神社・金毘羅神社と、その間に挟まれた「陰陽石(男根と女陰を表した石)」。飛鳥坐神社には多数の陰陽石があり、それらは全て自然石なのだとか。これだけ陰陽石が集められているところもなかなか珍しいでしょう

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-22
こちらは何か獣風の石。色んなパターンがあります

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-24
これは「むすひの神石」とありました。とにかく陰陽石だらけ!

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-26
鳥居をくぐり石段を上がったところにある陰陽石と「力石」。男性は左手、女性は右手で持ち上げられると願いが叶うとされています。なかなかの重量でしたが、決して不可能な重さでもありませんでした

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-27
飛鳥坐神社のグッズたち。男根をモチーフにした鈴「珍久鈴(@700円)」や、女陰をかたどった「盃(@1,000円)」など、とんでもないデザインのものばかり!お土産にぜひ!

飛鳥坐神社(おんだ祭)@明日香村-28
おんだ祭が終わった後でも、まだまだ大暴れは続いています。小さなお子さんには優しく叩いてました。これは厄除けの神事とのことですので、ぜひ遠慮せずに叩かれてください!

飛鳥坐神社-ご朱印
飛鳥坐神社でいただいたご朱印です。おんだ祭当日でご朱印を書いてくださる方が不在だったため、すでに書いてあった別紙をいただきました(日付が2月7日になっているのはそのためです)



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■飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)

HP: http://www2.ocn.ne.jp/~jinja/
住所: 奈良県高市郡明日香村大字飛鳥字神奈備708
電話: 0744-54-2071
主祭神: 事代主神、高皇産霊神、飛鳥神奈備三日女神、大物主命
創建: 不明
拝観料: 境内無料
駐車場: なし(万葉文化館前の駐車場などが便利。徒歩5分ほどです)
アクセス: 近鉄「橿原神宮前駅」下車、奈良交通バスで豊浦経由岡寺行き「飛鳥大仏前」下車、徒歩3分

※奇祭「おんだ祭り」は、毎年「2月の第1日曜日」に開催されます






 【夫婦和合の奇祭「おんだ祭」『飛鳥坐神社』@明日香村】へのコメント
みゅー  11-02-05 12:05

ひざびさ、休みになりましたので、今年は行ってみようかと思います。

naka  11-02-05 18:34

>みゅーさん

ぜひぜひ!日本全国には変わったお祭りはたくさんあるんでしょうけど、さすがに天下の奇祭だけあって、不思議体験できますからね!寒くて大変ですが、どうぞ温かい格好で挑んでくださいね。そして、思いっきりお尻を叩かれてきてください(笑)





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