お子様連れに特にオススメ『なら奈良館』!
早朝から奈良公園周辺をウロウロしたあと、前から一度行ってみたいと思っていた、近鉄奈良駅の駅ビル内にある『なら奈良館』へ立ち寄ってみました。
「私たちのような大人が行って楽しめるのだろうか?」と思っていたのですが、これが意外と面白かったですね。わざわざ遠いところから奈良へ観光に来た方ならともかく、お子さん連れの方や、地元の方こそ行ってみてもいい施設なのかもしれません。
※ 2011/07/11 追記
追記が遅れましたが、なら奈良館は、奈良市の事業仕分けで不要と判断されてしまったため、2011年3月31日で閉館となりました。10年間で入場者数は約32万人だったそうです。残念ですね!
近鉄奈良駅ビルの一等地にあります
近鉄奈良駅の駅ビルの2フロアを使用している『なら奈良館』。古都・奈良の魅力をパネルやジオラマなどを使用して分かりやすく見せる、体験型博物館のような施設です。
こんな施設が、駅ビルの中という一等地にあるのがすごいですよね。きっと家賃もかなり高いだろうし、どこが運営しているんだろうか・・・と、下世話なことを思っていたのですが、あるサイトで「なら奈良館はこれまで(社)奈良市観光協会が運営してきましたが 平成17年4月1日より(NPO法人)なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀(すざく)によって運営されています。」との記述がありました。
ボランティアガイドの会が運営しているくらいですから、修学旅行などの団体さんには天平衣装のボランティアガイドがつきますし、私たちのような個人客も(普通の衣装の)ガイドさんをお願いすることもできます。
この日はガイドはお断りしましたが、こういった施設のガイドさんは、さすがにコツを掴んでますし、分かりやすく説明してくださる方が多いので、ぜひ利用してみてください。「30分くらいで」といった希望を伝えておけば、それに合わせてくれます。
近鉄奈良駅ビルの4階・5階フロアにある『なら奈良館』。「世界遺産『古都奈良の文化財』をわかりやすくご紹介」というキャッチフレーズのとおり、奈良市内の様々な文化財が紹介されています。無料ガイドもお願いできます
入館してすぐのところにある「屏風様パネル展示」。写真と分かりやすい説明文で奈良の文化財を説明しています。ビデオ解説のコーナーもありました
入館受付は4階ですが、順路は5階から。奈良の文化財を案内する施設にしては、建物が妙にクールで現代的ですね。そのミスマッチもなかなか面白かったです
なら奈良館の窓からの眺め。近鉄奈良駅の駅ビルですから、最高の立地ですね。山焼きが終わったばかりの若草山も見えます
「天平グルメ -平城京貴族の宴会料理」のコーナー。美味しそうに見えるかどうかは疑問ですが、なかなか豪勢です。現代の学校給食との比較もありました
オススメ1-大仏殿の柱の穴の実物大模型
私たちは、さすがに普段から奈良の文化財を熱心に見て周っている人間ですので、パネル展示の部分などにはそれほど興味がありません。
今回の<お目当てその1>は、まずは東大寺大仏殿の柱の穴の実物大模型です!いわゆる「大仏さんの鼻の穴と同じサイズ」と言われる柱の穴ですね。
私は今まで何度も大仏殿には行っていますが、あの柱の穴を通ったことがなかったんですよ。万が一、途中でつかえたりしたら恥ずかしいですし、いつ行っても修学旅行生が沢山いたりするので、なかなかチャレンジする勇気がなくて・・・。
中学生時代に修学旅行生として奈良に来た時にも、あの穴をくぐった記憶がありませんので、ひょうっとしたら人生初チャレンジだったかもしれません。
今の私は「身長165cm、体重65kg」程度の、ガッチリ体型の中年男ですが、意外とあっさりと通り抜けることができました!コツは、肩を斜めにすることと、片腕を前に片腕を後ろに伸ばすこと。この2点ですね。
本物で試して抜けなくなってしまう前に、ここでウォーミングアップしておくのもいいかもしれませんね(笑)
東大寺大仏殿の柱の模型。かの有名な「大仏さんの鼻の穴と同じサイズ」と言われている穴ですね。ちなみに、穴の大きさは30cm×37cm、柱の直径120cmだそうです。この柱は大仏殿の鬼門の位置に当たるため、厄除けを兼ねて穴が開いているのだとか!
中学生以来(生まれて初かも?)の柱の穴くぐりにチャレンジしてみました!体を斜めに傾ければ、意外とすんなりと行けるものです。自信がついたので、次は本物に挑戦してみたいと思います!
オススメ2-大仏さんの実物大の左手!
そして、<お目当てその2>は、大仏さんの左手の実物大模型です!
いつも遠めにしか見られない左手ですが、間近で見てみると、とにかく大きい!大きさが分かりやすいように・・・と思って、旅行ガイド本を乗せてみたのですが、それでも縮尺が分からないほどの大きさですね。手のひらの上に座って記念写真も撮影することができますので、それなりに楽しい体験になると思います。
こんな展示物は、お子さんなどに興味を持たせるには最適でしょうね。子供を普通に大仏殿に連れて行ったとしても、その大きさをリアルに実感できないかもしれませんが、先にこれを見せておけば、より興味がわくと思います。
小中学生は入館料無料ですので(大人は300円)、家族連れで奈良観光に出かける前に、ここに立ち寄っておくのもいいかもしれません。
メイン展示物となる「大仏さんの左手実物大模型」。この上に(靴を脱いで)座って、記念写真を撮ることもできます。それにしても、間近で見てみると、さすがに大きいです!
大きさが分かりにくいので、奈良観光ガイド本を置いてみました。普通の雑誌サイズなんですが、爪一枚よりも小さいですね。ちなみに、手の平が150cm、指の長さは110cmだとか。さすがは大仏さんです!
オススメ3-新薬師寺の十二神将レプリカ
<お目当てその3>は、新薬師寺の十二神将の実物大レプリカです!
もちろん、本物のお堂は雰囲気もいいですし、私たちなどは本物を見に行けば済むことです。でも、これだけ明るいところで見られるわけではありませんし、もちろん写真撮影も禁止ですからね。周りをグルグルと周りながら写真が撮れるというのも、なかなか楽しいものでした。
でも、新薬師寺は個人的にも大好きなお寺ですので、やっぱり本物を見に行った方が圧倒的に楽しいですね。このレプリカだけで満足しないで、ぜひ本物を見に行って欲しいものです(笑)
新薬師寺の十二神将の実物大レプリカ。ご本尊はいらっしゃいませんが、本物と同様に円形に配置されています。一番人気の「伐折羅(ばさら)大将」も、本物にそっくりです
グルリと周囲を見られるのがいいですよね。これを見ていたら、また新薬師寺へ行きたくなりました!
興福寺に所蔵されている「旧山田寺仏頭」のレプリカです。背後に十二神将がいるというのも、なかなかシュールな感じがしますね
博物館として意外と楽しめました
それ以外の展示も、なかなか面白いものがありました。ややマニアックすぎたり、逆に簡単すぎたりと、難易度のバランスが難しいとは思いますが、どれもそれなりに楽しめますよ。
大人が見てどれだけ楽しめるかは分かりませんが(「ちょっと足を伸ばせば本物が見られる!」というのも確かですからね)、お寺や仏像が好きな方であれば、他のどんな博物館よりも楽しめると思います。時間がある時にフラッと立ち寄ってみるといいかもしれませんね。
お寺の組物(トキョウ)の各部位の名称を説明するコーナーも。かなりマニアックですね。他にも、薬師寺の西塔の復元模型など、いくらか一般ウケしそうな展示物もありました
江戸時代の東大寺・二月堂のお水取りを再現したジオラマ。とある人形作家さんの作品だそうで、とにかく細かく作りこんでありました
仏像の種類を説明する展示パネル。よーく見てみると、仏師さんの表情が怖い・・・
石を切り出すシーンでは、ついにこんな表情になってしまいました!味がある絵ですが、どーなんでしょうね(笑)
寄木造で作られた仏像を分解して、その構造を分かりやすく説明した展示物。背後の頭部分はクルクルと回ってます
渋い「邪鬼コーナー」もありました。パネル展示だけでしたが、これこそ実物大レプリカがあって、実際に足で踏めたら面白いんですけどね(笑)
江戸時代のならまちの復元模型。中心には元興寺がありますが、これが全て元興寺の寺内町なんですから驚きですね
■なら奈良館
HP: http://www.narakan.com/
住所: 奈良県奈良市東向中町28 近鉄奈良駅ビル4・5階
電話: 0742-22-7070
定休日: 12月29日-1月3日
営業時間: 9:00-17:00
拝観料: 300円(高校生200円、小中学生は無料)
駐車場: なし
アクセス: 近鉄「奈良駅」駅ビル内