2010-03-12

593年創建の奈良市内最古の神社『率川神社』@奈良市

593年創建の奈良市内最古の神社『率川神社』@奈良市

奈良市の伝香寺へお参りにいった後、すぐ近くにある『率川神社(いさがわじんじゃ)』にもお邪魔してきました。奈良市内で最古の神社ということもあり楽しみにしていたのですが、ちょっと残念な雰囲気になっていました。


女性の神を祀っている「子守明神」です

奈良市の「やすらぎの道」沿いに建つ『率川神社(いさがわじんじゃ)』。正式名称は「率川坐大神御子神社」といい、桜井市の大和国一之宮「大神神社」の摂社として、593年に大三輪君白堤によって創建された、奈良市内で最も古い神社です。

神武皇后の「姫蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメ)」を主祭神とする珍しい神社で、姫神さまを祀ることから、古くから女性の神として信仰を集めてきました。また、姫蹈鞴五十鈴姫命を中央に、その脇に父母の神「玉櫛姫命(御母神)」「狹井大神(御父神)」を祀っていることから、「子守明神」とも呼ばれ、安産・育児などの神としても知られています。

毎年6月17日に開催される「三枝祭(さいくさのまつり)」(別名「ゆりまつり」)が行われることでも有名です。701年に制定された「大宝令」にも規定されている歴史ある祭祀で、三輪山の笹百合(古名:さいくさ)の花で白酒・黒酒の酒樽を飾り、巫女たちによる神楽が奉納されます。


率川神社@奈良市-01

奈良市にある『率川神社』。6月17日に開催される「三枝祭(別名「ゆりまつり」)」が有名ですが、この日はほとんど参拝客の姿もなく、静かなものでした

率川神社@奈良市-02
率川神社の縁起を示した案内看板。593年の創祀の奈良市内で最古の神社であることなどが記してあります


3棟並びの本殿前には、チープなテントが

率川神社の本殿は、「姫蹈鞴五十鈴姫命(御子神)」を中央に、その両脇に「玉櫛姫命(御母神)」と「狹井大神(御父神)」を祀る、3棟横並びの形を取り、このことから「子守明神」として信仰を集めてきたそうです。さらに、奈良市内で最も古い神社ということもあり、私も期待してお邪魔したのですが・・・。

拝殿と本殿の間に、気分を削がれる安っぽいテントが建てられているのを見てガッカリしてしまいました。

確かに、こうすれば雨はしのげるかもしれませんが、あまりのチープさに驚くばかりですね。ちょっとした利便性よりも優先させるべきものがあると思うのですが、本当に残念です。


率川神社@奈良市-03

率川神社の境内はそれほど広くありません。手前に見えるのが、まだ新しい拝殿。その奥には、3棟が横に並んだ本殿があります

率川神社@奈良市-04
拝殿前。一般の参拝客はここからお参りします。御祈祷などは本殿前に進んで行われるようです

率川神社@奈良市-05
拝殿の脇から本殿を写したところ。3棟が並んだ美しいであろう本殿も、手前に建てられたテントのせいで台無しです・・・。雨を避けるにしても、もう少しやり方は無かったのでしょうか?

率川神社@奈良市-06
率川神社の本殿を横から見てみたところ。手前から、玉櫛姫命・姫蹈鞴五十鈴姫命・狹井大神と祀られています


奈良市最古の「恵比寿様」もいらっしゃいます

本殿の隣には、こちらの3棟並んだ大神神社の末社が建っています。その中央の「率川阿波神社」には、奈良市で最古のえびす様が祀られているのだとか。ぜひ商売繁盛をお祈りしてください。


率川神社@奈良市-07

本殿に隣接して、大神神社の末社が並んでいます。こちらも3棟が横並びです

率川神社@奈良市-08
向かって右手から、春日社・率川阿波神社・住吉社。率川阿波神社の御祭神は、大物主大神の息子さんの事代主神。いわゆる「恵比寿様」です。こちらも奈良市最古のえびす様なのだそうです

率川神社@奈良市-09
率川神社の境内にあった「蛙石(別名:撫で蛙)」。カエルは多産のため、繁殖力、再生、裕福のシンボルとされ、参拝者はこの蛙石を撫でてご利益を願うのだそうです

率川神社@奈良市-10
率川神社の手水舎。シンプルです

率川神社@奈良市-12
境内には梅の花が咲いていました

率川神社@奈良市-13
同じく梅の花。神社に梅ってよく似合いますよね


すぐ近くに「率川」の暗渠もあります

これは余談になりますが、率川神社のすぐ前(現在のやすらぎの道)は、以前は「率川」という、万葉集にも名前がある川が流れていたのだそうです。現在では埋め立てられて、道路になってしまいましたが(暗渠といいます)、率川神社のすぐ近くにはその痕跡が残されています。

かなり地味なものですが、ブラタモリやタモリ倶楽部がお好きな方は、ぜひ見ておいてください!


率川橋(暗渠)

率川神社や伝香寺のすぐ近くには、万葉集にも登場する「率川(いさがわ)」が流れていました。現在は暗渠(あんきょ)になっていますが、やすらぎの道を挟んですぐの位置に、率川橋の跡が残っていますので、この手のものがお好きな方はチェックしてください!



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■率川神社

HP: http://www.isagawa-jinja.jp/index.html
住所: 奈良県奈良市本子守町18番地
電話: 0742-22-0832
主祭神: 玉櫛姫命(御母神)、姫蹈鞴五十鈴姫命(御子神)、狹井大神(御父神)
創建: 593年
拝観料: 境内無料
駐車場: 近隣の有料駐車場使用
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から徒歩10分






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