2010-04-11

神さびた日本最古の神社『大神神社(三輪神社)』@桜井市

神さびた日本最古の神社『大神神社(三輪神社)』@桜井市

最近のパワースポットブームで参拝者が増えているという、桜井市の日本最古の神社『大神神社』へ行ってきました。古社独特の張り詰めた空気が感じられ、特別な場所であることが実感できる神社です。


御神体は三輪山。神話にも登場する神社です

奈良県桜井市にある『大神神社(おおみわじんじゃ)』。別名を「三輪神社」といいます。神話にも登場、大和朝廷の設立から存在し、「日本最古の神社」と呼ばれる歴史ある神社です。

神社の中で最も重要な「本殿」を持たず、背後の三輪山そのものを御神体とする、日本古来の神道の形式を残しており、拝殿奥にある3つの鳥居を組み合わせたような「三ツ鳥居(重文)」という特異な形式の鳥居も有名です(実際には見えません。他の神社の画像はこちら「三ツ鳥居」)。


張り詰めた空気が感じられる神域です

この日は夕方近い時間帯にお参りしましたが、たくさんの参拝客の方の姿が見え、以前よりも明らかに賑わっているような印象でした。私も三輪山に来るのは久しぶりでしたが、人の姿が増えたとはいえ、京都などと比べればまだのんびりとしたものです。

しかし、「二ノ鳥居」をくぐると、神さびた神社らしい、凛と張り詰めた空気が感じられます。これを「パワースポット」と呼ぶかどうかは別として、やはり神域であることは十分に感じられました。伊勢神宮や出雲大社などと同様に、自然と背筋が伸びる感じが心地いいですね。


大神神社@桜井市-01

大神神社の「二ノ鳥居」前。天気のいい土曜日の16時くらいの様子です。大神神社には何度か来ていますが、想像以上の人の多さでした。やはりパワースポットブームで参拝者が増えているんでしょう

大神神社@桜井市-02
パワースポットブームでどれだけの騒ぎになっているかと少し心配していたのですが、鳥居をくぐるたびにちゃんと礼をしている方もたくさんいらっしゃいました。若い方も増えているようですし、いい傾向なのかもしれませんね

大神神社@桜井市-03
大神神社の縁起を記した案内板。主祭神は大物主大神で、標高467mの三輪山におわすとされています。三輪山の山麓には崇神天皇から推古天皇まで、十三代の皇居遺跡があり、当時の日本の中心地であったことが伺えます

大神神社@桜井市-04
大神神社の参道。鬱蒼と木々が繁り、神さびた雰囲気が感じられます

大神神社@桜井市-06
大神神社の拝殿前の石段。画像では長く見えますが、それほどの距離ではありません。車椅子の方も通れる別ルートもありました

大神神社@桜井市-07
大神神社の手水舎。ちょっとした神社の拝殿並みの豪華建築です。遅めの時間ですが、まだまだ参拝客の方がたくさんいらっしゃいました


重厚な拝殿と、独特の形状の鳥居も

大神神社や、摂社の「狭井神社」では、鳥居の形が独特なものがあります。

日本一の大きさを誇る「大鳥居」や二ノ鳥居は、見慣れた鳥居の形をしていますが、拝殿前のものは、左右の2本の柱の間を大注連縄がわたしてあるものとなっています。他の神社ではあまり見られない独特の形状です。

また、拝殿の奥、御神体の三輪山との間には、大小の3つの鳥居を横に並べてつなげたような「三ツ鳥居(重文)」も立っています。これは残念ながら見えませんが、摂社の「檜原神社(ひばらじんじゃ)」で三ツ鳥居が見られるそうです。日本で最も古い神社だけに、鳥居だけ見ても珍しいものが残されているようです。

また、大神神社の「拝殿(重文)」は、1664年に徳川家綱によって造営されたもの。屋根部分の正面に作られた「大向拝(だいこうはい)」が見事で、とても重厚な雰囲気が感じられます。

なお、大神神社には本殿はなく、三輪山を御神体としています。ここにおわず神様「大物主(おおものぬし)大神」は、古くから「蛇神」として崇められています。拝殿や「巳の神杉」、その他の末社の前には、好物とされる卵とお酒が供えてありますので、参拝の際には準備しておくといいかもしれません。


大神神社@桜井市-08

大神神社の拝殿前。鳥居が独特で、2本の柱(標柱)の大注連縄がわたしてあります。堂々とした拝殿とともに、最も大神神社らしい光景ですね

大神神社@桜井市-09
大神神社の拝殿を別角度から。拝殿裏手には、これも独特な形状の「三ツ鳥居」があり、その背後には御神体「三輪山」がそびえています

大神神社@桜井市-10
大神神社の拝殿は、1664年、江戸幕府の4代将軍家綱の造営。国の重要文化財に指定されています。庇のようになっている部分は「大向拝(だいこうはい)」。唐破風造の重厚な雰囲気が感じられます

大神神社@桜井市-12
三輪山にいらっしゃる大物主大神は「蛇神」とされおり、水神・雷神の性質を持つのだとか。蛇神さまのためにたくさんの「卵」がお供えされていました。大神神社参拝の際にはあらかじめ用意しておくといいかもしれませんね

大神神社@桜井市-13
拝殿前に立つ「巳の神杉(みのかみすぎ)」。江戸時代には「雨降杉」と呼ばれ、里の人々が雨乞いのためにお詣りをしたのだそうです

大神神社@桜井市-14
「巳の神杉」の根元には「巳さん(みさん)」が棲んでいるとされ、ここにも卵とお酒がお供えされています。ただし、看板には「神杉に卵を投げないで下さい」の文字が。止めましょう!

大神神社@桜井市-15
崇神天皇が酒造りを命じ、三輪山の神々に奉納したという伝承があるため、三輪山の神様は「お酒の神・醸造の神」として信仰されています。全国各地の酒造業者が集まった「酒栄講」から、樽酒が奉納されています

大神神社@桜井市-16
拝殿の北側には、1997年に建てられた「祈祷殿」が。左右に儀式殿・参集殿が並んでいます

大神神社@桜井市-17
祈祷殿の前に建つ「宝物収蔵庫」。古代 祭祀関係の出土品など、多数の貴重な文化財が展示されています。開館日は、土日祝日と毎月1日とお正月5日間のみ。この日はすでに閉館となっていましたが、いつか拝見したいと思っています


夕暮れの境内を歩くのも雰囲気があります

この日は遅い時間にお参りして、夕日を見たりと長居してしまったため、帰りには日が落ちて、もう薄暗くなっていました。灯篭に灯が入るくらいの時間帯の神社も、とても雰囲気があっていいものですので、ぜひ朝や夕方にも行ってみてください。また空気が違って感じられます!


大神神社@桜井市-18

この日は、大神神社の敷地内にある「大美和の杜」の展望台(柿山展望台)から夕日を見ていたため、帰る頃には灯篭に灯りが。夕暮れの大神神社もとてもいい雰囲気です

大神神社@桜井市-19
日が暮れて人気の無くなった大神神社

大神神社@桜井市-20
夕闇に建つ「大鳥居」。高さ32.2m、柱間23mの日本一大きな鳥居です。昭和天皇ご親拝記念と、御在位60年を祝して建立され、1986年に竣功しました。とにかく巨大で、この地域にシンボルになっています



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■大神神社(三輪神社)

HP: http://www.oomiwa.or.jp/index.html
住所: 奈良県桜井市三輪1422
電話: 0744-42-6633
主祭神: 大物主大神、大己貴神、少彦名神
創建: 不明(神話にも登場する日本最古の神社)
開門時間: 境内自由
拝観料: 境内無料
駐車場: 無料駐車場あり(お正月は500円)
アクセス: JR「三輪駅」から徒歩5分

※延喜式内社・二十二社・官幣大社など


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