2008-07-17

穏やかに心落ち着く神社『談山神社』@多武峰

談山神社@多武峰

桜井市多武峰(とうのみね)にある『談山神社』。ほぼ毎年、紅葉の季節に行っているのですが、7月末まで秘仏「如意輪観音像」が特別公開されている「観音講まつり」開催中とのことですので、初めて夏の談山神社へ行ってみることにしました。

かなり気温が高い夏日の一日でしたが、多武峰の高みに立つ神社はとっても涼しくて、本殿や緑の木々を眺めながらのんびりと過ごせました!


「大化の改新」の談合が行われた地

まず、簡単に談山神社の縁起から。

舒明・皇極二代の天皇の世、蘇我蝦夷と入鹿親子の勢力は極まって、国の政治をほしいままにしていました。この時、中臣鎌子(後の藤原鎌足公)は強い志を抱いて、国家の正しいあり方を考えていました。たまたま飛鳥の法興寺(今の飛鳥寺)で蹴鞠会(けまりえ)があったとき、聡明な皇太子として知られていた中大兄皇子(後の天智天皇)にまみえることができ、西暦645年の5月、二人は多武峰(とうのみね)の山中に登って、「大化改新」の談合を行いました。

後にこの山を「談い山」「談所ヶ森」と呼び、談山神社の社号の起こりとなりました。ここに鎌足公は真の日本国を発想し、日本国が世界に誇る国家となるため、一生涯を国政に尽くしました。

天智天皇8年(669)10月、鎌足公の病が重いことを知った天智天皇は、みずから病床を見舞い、大織冠(たいしょくかん)を授けて内大臣に任じ、藤原の姓を賜りました。藤原の姓はここに始まります。鎌足公の没後、長男の定慧和尚は、留学中の唐より帰国、父の由縁深い多武峰に墓を移し、十三重塔を建立した。大宝元年(701)には神殿が創建され、御神像をお祭りして今日に至ります。
「談山神社公式サイト」より引用

あの大化の改新の舞台となり、その直後に創建されていたというのですから、驚くほどの歴史の長さです。

ちなみに、その昔は神社ではなく「多武峰寺」という寺院であり、奈良で強大な勢力を誇っていた興福寺とは何度も激しいバトルを繰り返してきたという、やや荒っぽい武勇伝も残されています。

談山神社-01
奈良県桜井市の多武峰(とうのみね)にある『談山神社』。中大兄皇子と中臣鎌子(後の天智天皇と藤原鎌足)が大化の改新の相談をした場所とされており、祭神は「藤原鎌足」という珍しい神社です

談山神社-02
鳥居をくぐる前に現れる「石燈籠」。何気なく立っていますが、南北朝の動乱期の1331年に、かの後醍醐天皇から寄進されたと伝えられている由緒正しきものです!


とにかく涼しい!快適で気分爽快!

そんな談山神社も、今はすっかり静かな神社となっています。奈良県でも有数の「紅葉の名所」として知られているため、秋口にはかなりの観光客でごった返しますが、この日のような7月の平日には、他の参拝客はほとんど見かけないほど、とてものんびりした雰囲気でした。

この時期の談山神社、何が素晴しいって、とにかく涼しい!「本殿」と向かい合って立っている舞台造の「拝殿」は、広々とした広間になっているのですが、他に人がいなければ、ここでのんびりと眼下の新緑を眺めたり、美しい本殿の建物を見学したりできるのです。

感覚としては、京都のお寺に行って、和室からお庭を眺めているような感じでしょうか。しかも、京都ほど騒がしくもなく、暑くもなく、本当に気持ちいいのんびりとした時間が過ごせたのです。

座敷にドッカリと座り込んで、吹き抜けていく風を感じながら、究極の和のような建築物をじっくりと観察できるなんて、これ以上の幸せはありませんね。今は「シーズンオフ」のような感じもしますが、そんな時期こそ狙い目なのかもしれません。今の季節、避暑を兼ねてぜひ行ってみてください。かなり気分がいいですよ!

談山神社-03
談山神社の本殿部分。手前に見えるのが「楼門(重文)」、向かって右手が舞台造になっている「拝殿(重文)」です

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拝殿の吊り灯籠がとにかく見事です。これまで紅葉の季節にしか来たことがなかったのですが、緑が鮮やかな夏に来てみても、かなりの爽快感!

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向かって左手が「本殿(重文)」。拝殿と渡り廊下に囲まれて中庭風になっています

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藤原鎌足公をお祀りする「本殿」。春日造の豪華な建物で、現在の建物は1850年に建て替えられたもの。また、何と「日光東照宮」造営の時にはこれをお手本としたのだとか!じっくり見ると確かに豪華絢爛ですね

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吊り灯籠と楼門。少しだけにわか雨が降ってきていたのですが、朱色と鈍い金属のコントラストがとても美しく見られました

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石灯籠と本殿

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拝殿の内部はこれだけの広さ。紅葉の時期にはここが人だらけになるのですが、この日は自分たち以外の参拝者の姿もなし。のんびりと楽しめました

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やや高くなっている舞台造の方向からは涼しい風が吹きぬけ、ものすごく快適でした!まるで季節のいい時に京都の庭園を眺めているような、とてもまったりとした雰囲気がいいんですよね

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拝殿の軒先に並ぶ吊り灯籠たち

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故事に倣って、今でも蹴鞠が盛んです。申し込んでおけば「けまり体験」が出来るそうです

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舞台造の拝殿を見上げた図。それほど高さがあるものではありませんが、かなりの迫力と様式美が感じられます

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本殿脇に建つ、校倉造りの「西宝庫」。1619年造営で、同じ形状の「東宝庫」もあります

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談山神社の手水舎。水道口は鶴をかたどったものか?


主祭神「藤原鎌足像」を拝む

本殿よりも先に見えてくるのは「神廟拝所(重文)」です。ここには主祭神の「藤原鎌足像」や、特別公開中の秘仏「如意輪観音像」、そして「伝運慶作」とされる狛犬などが祀られています。

秘仏の如意輪観音さまは、足の甲のところに傷があり、このことから足・腰の病を治癒してくれる仏様として信仰を集めているのだとか。ガラスケースの中に入った像高「48.2cm」という像で、目を閉じてやや厳しい表情をしています。如意輪観音さんは、どちらかというとふくよかでセクシーな印象のものが多いのですが、コチラはそれとは逆のタイプだと言えるでしょう。

関係ない話ですが、以前ここに来たときは写真の一枚も撮影した記憶が無いのですが、今回は「撮影禁止」の文字も見当たりませんでした。本殿の方に行くと「三脚禁止」の表示がありましたので、基本的に写真撮影が許されているのだと思います。カメラを持ち歩くタイプの方には嬉しいですよね。

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談山神社の「神廟拝所(重文)」。主祭神の「藤原鎌足像」が祀ってあります

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談山神社「神廟拝所」の内部。壁画などもかなりの迫力ですが、藤原鎌足公・如意輪観音像・伝運慶作の狛犬などが並ぶ姿は、統一感がイマイチです(笑)

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江戸時代初期の作の「鎌足公御神像」。元は飛鳥にあった藤原寺で祀られていたものを、廃仏毀釈の際にコチラに移されたのだそうです。両脇にいらっしゃるのは「不比等公像」と「勝軍地蔵」です

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この日は秘仏の「如意輪観音」様の特別公開期間(談峯観音会というそうです)でした。足腰の病に霊験あらたか。談山神社は、その昔「多武峰寺」という寺院であったため、その時の名残の仏様です


荒削りな巨大「福禄寿」さん

神廟拝所から、春と秋の「けまり祭り」の舞台となる「けまりの庭」を挟んだ向かい側には、「総社本殿」と「総社拝殿」があります。拝殿の中には『大和七福八宝めぐり』の一つの「開運出世の福宝」の「福禄寿神」像がいらっしゃいます。

これがなかなか荒削りな巨大木造仏で、見た目も面白いですね。背後に飾られていた掛け軸の絵も個性的でした。

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談山神社の「総社本殿」。かなり塗装が落ちていますが、塗装などもかなり豪華だったことが分かります

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総社本殿の前に建つ「総社拝殿」。手前に広がっている敷地は「けまりの庭」という名前で呼ばれており、今でも蹴鞠の会が催されます

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総社拝殿には、像高3mの大きな福禄寿像があり、「大和七福八宝めぐり」の札所となっています。背後の掛け軸の絵もかなりのインパクト!


世界唯一の木造「十三重塔」も

その上には、世界唯一の木造の「十三重塔(重文)」があります。ストゥーパが変形して塔になっていったこともあって、比較的「十三重石塔」というのはよく見かけますが、これを木造で作るのがすごいですね。本当に日本は木造建築の国なんだということが実感できるようです。

ちなみに、この背後にある「権殿(重文)」は改修作業中だったため、全くその姿も見えず・・・。この他にも、池は水を抜いて大掃除しているし、紫陽花の植え込みを増やす作業などもしていたし、シーズンオフの静かな時期ならではの鬱陶しさもありますので、覚悟の上でどうぞ。

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談山神社のシンボル「十三重塔(重文)」。藤原鎌足の死後、長男・定慧と次男・不比等に よって678年に建立されたもので、現在の塔は1532年の再建。木造十三重塔としては、世界唯一になるのだそうです屋根は檜皮葺きで、神仏混合期の名残を感じされるものです。ちなみに、背後に建つ「権殿(重文)」は改修中でした


ハイキング代わりにもオススメです

山間にたつ談山神社だけに、その敷地はかなり広く、末社・摂社など全てを見て周ろうと思ったら相当な時間がかかります。

敷地の北西側の「登山口」からは、徒歩20分で藤原鎌足公の墓と伝わる古墳「御破裂山」へ行けますし、最も東側には、徒歩5分くらいの距離に「三天稲荷神社」があります。その全てを見る価値があるかどうかは分かりませんが、それなりに歩きやすい靴を履いていくくらいの覚悟は必要でしょう。

ちなみに、私たちはあまりの暑さとにわか雨のため、山頂方面へ向かうのは断念して帰ってきました(笑)

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末社の「比叡神社」。本殿は重要文化財となっています

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比叡神社の前から始まる、その名も「登山口」。徒歩20分で藤原鎌足公の墓と伝わる古墳「御破裂山」へ。徒歩10分で「談い山」へと続きます。丁度いいハイキングコースですが、にわか雨&高温のためまた後日に!

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談山神社の境内案内図。「登山道の先はそれなりにヘビーっぽい」ということだけ伝わってきます

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境内の東側に立つ「東殿」。別名は「恋神社」だそうで、ここへ向かう参道の別名が「恋の道」。恥ずかしいネーミングです

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東殿の奥へさらに進むと「観音堂」が。それほど大きなものではありません。中には観音様が祀られているのだと思いますが、姿を見ることはできず。。。

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境内の一番東端にある「三天稲荷神社」。ここに行くまでには薄暗い山道を5分ほど歩きます。そこまで苦労して見るべきものかどうかは・・・不明です

談山神社-ご朱印
談山神社でいただいたご朱印です。「多武峰(とうのみね)」の文字が右寄せで書いてある、ちょっと変わったタイプですね



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■談山神社

HP: http://www.tanzan.or.jp/index.html
住所: 奈良県桜井市多武峰319
電話: 0744-49-0001
主祭神: 藤原鎌足公
創建: 678年
拝観料: 500円
拝観時間: 8:30 - 16:30
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄・JR「桜井駅」から、奈良交通バス「談山神社」下車(25分ほど)








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