2008-01-10

えべっさん、ヨロシク!『今宮戎神社』

今宮戎神社-00

1月10日、関西ではお馴染みの『今宮戎神社(通称:えべっさん)』の「十日戎」に行ってきました。

この「十日戎」という風習は関東地方にはありませんので、それほど全国的な知名度があるワケではありませんが、1月10日を挟んだ3日間で、何と「100万人(!)」もの参拝者を集める一大イベントです!

えびす様に商売繁盛を祈願するという、人間の欲望がハッキリと表れるものすごく分かりやすい行事ですね。他所からやって来た私にとっては、欲望に正直で裏表の無い、非常に「大阪的」なイベントに見えます。

(ちなみに「福男えらび」の猛ダッシュで有名なのが、同じくえべっさんを祀った「西宮神社」。同じ1月10日の朝6時に開催されているそうです)

私もしがない自営業者のハシクレですので、今年の商売繁盛をお祈りするため、昨年に引き続き、今年も参拝してきました。


商売繁盛を願う人たちの行列が!

平日の昼間だというのに、駅から今宮戎神社までは両脇に出店が立ち並び、ものすごい人出でした。時間帯の関係もあって、見るからに水商売風のオネエチャンとか、どこから見てもホストにしか見えないオニイチャンとか、大挙して来てましたね。会社終わりに社員全員で来たりすることも多いそうですので、夜はさらに人で溢れかえるのだとか。

十日戎へ行くと、境内には「商売繁盛で笹もってこ~い♪」という、陽気すぎる音楽が大音量で流されています。まずは無料の「笹」を本殿にいる「福娘(毎年、コンテスト形式で選ばれるんです!)」でもらって、そこに様々な「吉兆(きっちょう)」と呼ばれる飾りをつけていくのです。


そして十日戎を象徴するのが、神社から授与される小宝です。小宝は別に「吉兆」(きっきょう)と呼ばれ、銭叺(ぜにかます)・銭袋・末広・小判・丁銀・烏帽子・臼・小槌・米俵・鯛等の縁起物を束ねたものです。「野の幸」・「山の幸」・「海の幸」を象徴したものです。別の言葉として「山苞」「海苞」「家苞」とも呼ばれています。苞というのは、外からは内部が見えない簡単な容器のことで、もともと山や海や家からの「贈り物」を入れるうつわのことでした。「山苞」は山の神の聖なる贈り物、「海苞」は海の神の聖なる贈り物、「家苞」は里の神の聖なる贈り物となるわけです。これを「市」でそれぞれ交換します。それぞれを「替える」わけです。これが「買う」という言葉になります。この「野の幸」・「山の幸」・「海の幸」を象徴した吉兆は、その中にこもる「御神徳」をいただく信仰を受け伝えたものです。


言葉だけでは想像しにくいかもしれませんが、参拝に来た方はみんな50cmくらいの笹の枝を持ち、本殿の周囲をグルリと取り囲んだ売店のようなところで思い思いの笹飾りを購入して、笹にぶら下げていく、そんなイメージですね。他にも同様のお祭りがあるところもあるのかもしれませんが、境内を埋め尽くした人間たちが、みんな笹を持って歩いている姿は、なかなか見ものです。

それぞれの願望に合わせて「吉兆」を購入していくのですが、その内容は金の俵・大判小判・めでたいの「鯛」・お金をかき集める「熊手」など、さらに今年は古いお札を原料に作ったコイン型の飾りなども登場していて、本当に金運グッズだらけなんですよね(笑)

こんなグッズ類は、どれも1個1,000円以上はしますので、立派な飾りにしようと思ったら5,000~10,000円くらいの出費は覚悟しなくてはいけません。中には相当に重そうな笹を持っている方も見かけますが、こんな人は福娘さんから「笹が大きくしなっていて縁起がいいですね!」と褒められるんだそうです。全員が全員、本当に商魂がたくましいんですね(笑)

私たちは残念ながら、えびす様にそこまで寄進する余裕はありませんので、人の波をかきわけて、いつものお寺巡りの時よりも少しだけ奮発したお賽銭を投げ入れるのが精一杯です。

今宮戎神社-01
今宮戎神社の入り口部分。「十日戎」当日でしたので、平日の昼間からものすごい人でした

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本殿には話題の「吉兆」の献燈が見えますが、これは高麗橋の本吉兆さんのもの。吉兆の社名もこの神社から頂いたとのことで、繋がりが深いんですね

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お賽銭が大量に!大きな袋入りのものなどもあって、圧倒されちゃいますね

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本殿の正面脇で「福笹」をもらう場所。ものすごい人の数で、誰もが先を争うように笹に手を伸ばしています

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笹の陰になってますが・・・コチラが「福娘」さん。さすがにとても可愛らしくて、(私も含めた)沢山のオッサンたちがカメラを向けていました(笑)

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福娘さんとは無関係の売店(?)形式のお店がズラリと並びます。売っているのは熊手や華やかな飾り物など


銅鑼を叩いて念を押します

ここで面白いのは、しっかりと商売繁盛をお祈りした後には、その流れで本殿の裏手に回って、大きな「銅鑼(どら)」を叩くこと。

何でも、えべっさんは耳が悪いので、裏側でドラを叩いて大きな音を出してお願い事の念を押すという意味なのだそうです。神様にお願い事をしておいて、「えべっさんは耳が悪いから・・・」というのも失礼な設定だと思うんですが、もちろん私たちも行列に並んで、後ろから押されながら叩いてきました。


福笹は手にしてませんでしたが、帰り道には縁日でアレコレと買い食いして、それなりに十日戎というイベントを楽しんで来ました。テキ屋さんの食べ物も、最近じゃぁとっても美味しくなってますね。食べませんでしたが「ケバブ(シシカバブー)」や「鮎の塩焼き」の屋台まであるとは驚きでした!

・・・最後に念を押しておきますが、えべっさん、(お賽銭は少なかったけど)今年は商売繁盛、よろしくー!!


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本殿裏にある「銅鑼(どら)」。これを叩いて大きな音を出し、耳の悪いえべっさんに対してお願い事の念を押すのだそうです

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今宮戎神社の周辺では、もうどこを見てもえべっさんだらけ!福福しい顔と、大判小判に米俵が沢山!(画像は2007年のものです)

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えべっさんもこれだけ並ぶと壮観ですね。始めて見た時には驚きましたから。関西ならではの風景なのかもしれませんね(画像は2007年のものです)


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■今宮戎神社

HP: http://www.imamiya-ebisu.net/
住所: 大阪府大阪市浪速区恵美須西1丁目6番10号
電話: 06-6643-0150
主祭神: 天照皇大神、事代主神など
創建: 600年
開門時間: 9:00 - 17:00
拝観料: 無料
駐車場: なし
アクセス: 地下鉄堺筋線「恵美須町駅」より、徒歩5分






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