2011-09-26

ハイカラな擬洋風建築『獅子閣』特別公開@宝山寺

ハイカラな擬洋風建築『獅子閣』特別公開@宝山寺

聖天さんを祀る『宝山寺』の境内には、明治時代に建てられた「擬洋風」という、ちょっと風変わりでモダンな建築物「獅子閣(重文)」があります。通常は非公開ですが、10日間だけの特別公開があったので拝見してきました。


お寺の境内に建つ元迎賓館の洋風建築

生駒市にある『宝山寺』の境内は、「獅子閣(重要文化財)」という1884年の「擬洋風」の建築物があります。通常は非公開ですが、2010年の平城遷都1300年祭の際の好評を受けて、2011年も特別公開しています(拝観料金は500円)。

これは、宝山寺の客殿として建てられたもので、外から見ると完全な洋風建築ですが、屋根や内部には和風のテイストが見られる、明治時代に流行したハイカラなスタイルが見られます。



獅子閣(重要文化財)

寺院には珍しい擬洋風建築で明治十七(1884)第十四世乗空和尚のとき、客殿(迎賓館)として竣工した。棟梁は越後の宮大工吉村松太郎氏。外部は洋風、内部一階は六畳ニ間、洋室一間。二階は十畳二間。角柱と丸柱、不思議な取り合わせが調和しているポーチとベランダの高欄は寺院建築によくある装飾。隅柱の柱頭、柱根の豪華な飾り。鋭角の破風と屋根。破風の寳山寺の寺紋竜胆車。アーチ型の窓と色ガラス。内部の螺旋階段。外人技師の洋風建築かと思って見ると、紫檀の床柱があったり、落ち着いた和室もある。さすが日本の心をもった宮大工の作である。


「獅子閣」特別公開@宝山寺-01

生駒市の『宝山寺』の境内に建つ「獅子閣(ししかく)」。1884年の「擬洋風」の建築で、重要文化財に指定されています。遠目に見たらクラシックな洋風建築ですね。足元が見えづらいですが、崖にせり出した舞台造りのようになっています

「獅子閣」特別公開@宝山寺-02
宝山寺の獅子閣は、通常は非公開です。2010年に平城遷都1300年祭が行われて好評だったため、2011年も特別公開が決定しました(2011年は10月1日~10日まで。拝観料金は500円)。看板も昨年のものを再利用していますね

「獅子閣」特別公開@宝山寺-03
宝山寺獅子閣(重文)の門構え。白壁に洋風の窓、テラスなど、どうみても洋風建築です。しかし、瓦屋根や漆喰の壁など、和風建築のテイストも残っています。設計は越後の宮大工・吉村松太郎氏。西洋風の建築物を建てるため、横浜へ修業に行き、技を学んできたのだそうです

「獅子閣」特別公開@宝山寺-04
宝山寺獅子閣の説明。「桁行3間、梁間3間、寄棟造の客殿。明治15年(1882)造立され。外部は洋風、内部は洋風の上に和風を取り入れた木造洋風建築で、らせん階段、柱頭(ちゅうとう)及び柱礎(ちゅうそ)に施した菊の彫刻、1階外扉の色ガラスなど細部にわたる装飾は貴重である」

「獅子閣」特別公開@宝山寺-06
玄関ポーチは、3本の柱で支えられています。1階は角柱を、2階は丸柱を用いています。柱の頭部分には菊をかたどった飾りが。その上に並ぶ丸型は、その当時は珍しかった舶来の洋釘を目立たせるためのもの。天板にもびっしりと細かい細工が施してあり、手の込んだ見事なものでした!

「獅子閣」特別公開@宝山寺-05
ちなみに、獅子閣の前は、こんな和風のお庭です(裏手には茶室もあります)。お寺の境内という和の空間に、突如として洋風建築が現れ、そのギャップがすごいですね


外はほぼ洋風、中はほぼ和風です

獅子閣の1階部分は、洋室一間と、六畳の和室がニ間あります。色付ガラスがはめこまれた外扉と、優雅ならせん階段を見ると、レトロな洋風建築の美しさを感じますね。しかし、1階の2間と2階部分は和室ですから、ゲストを迎える迎賓館とはいえ、当時はやはり畳の上に座るスタイルが落ち着いたのかもしれません。

一方、和室の襖絵は、土佐光孚(みつざね)の筆による、能を題材とした「猩々」など、和テイストあふれるもの。床の間に目をやると、特別な手法を用いて、ピカピカに光り輝く白壁になっていたりと、アンバランスさが面白いですね。


「獅子閣」特別公開@宝山寺-09

「獅子閣」特別公開@宝山寺-10

「獅子閣」特別公開@宝山寺-11

「獅子閣」特別公開@宝山寺-12

「獅子閣」特別公開@宝山寺-13

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「獅子閣」特別公開@宝山寺-15

「獅子閣」特別公開@宝山寺-17

「獅子閣」特別公開@宝山寺-16
獅子閣の裏手は純和風の庭園と茶室。このギャップがすごいですね!


金箔の床の間も。ギャップが魅力です

急な螺旋階段を使って2階へ上がると、金箔を使用した襖に壁、障子戸に格天井と、ますます和のテイストが強まります。外観やテラスに洋風を感じますが、室内にいるとほとんどそれも感じません。

見晴らしのいいテラスから奈良の平地を見下ろすのも気分がいいですね。明治の貴人の気分になれる、とても面白い建物でした。建築に興味のある方はぜひ行ってみてください。


「獅子閣」特別公開@宝山寺-19

「獅子閣」特別公開@宝山寺-20

「獅子閣」特別公開@宝山寺-22

「獅子閣」特別公開@宝山寺-23

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「獅子閣」特別公開@宝山寺-26

「獅子閣」特別公開@宝山寺-07
この日いただいたパンフレットなど。左上のものは、獅子閣拝観記念の栞です。土佐光孚(みつざね)の筆によるもので、能の「猩々」、狂言の「福の神」、能の「邯鄲(かんたん)」を画題としたものです

「獅子閣」特別公開@宝山寺-08
奈良教育大学の学生さんが作成したという、宝山寺獅子閣の分かりやすい見どころの説明。素晴らしいですね!宝山寺のホームページからも拝見できます



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■生駒山 宝山寺

HP: http://www.hozanji.com/
住所:  奈良県生駒市門前町1-1
電話: 0743-73-2006
宗派: 真言律宗
本尊: 不動明王(重要文化財)
創建: 湛海律師
開基: 1678年
拝観料: 境内無料
拝観時間: 境内自由
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄生駒ケーブル線「宝山寺駅」から徒歩10分ほど

※宝山寺は拝観料などは不要ですが、獅子閣の特別公開は「500円」必要です
※システムの都合上、2011年9月26日の記事になっていますが、獅子閣の特別公開は「2011年10月1日~10日まで」でした。


■参考にさせていただきました!

宝山寺 - Wikipedia
生駒市デジタルミュージアム - 宝山寺〔ほうざんじ〕


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