2013-05-14

練供養会式の前に『二十五菩薩御面拝観』@當麻寺護念院

練供養会式の前に『二十五菩薩御面拝観』@當麻寺護念院

葛城市の古刹「當麻寺」で、中将姫の命日である5月14日に行われる『聖衆来迎練供養会式』。その際に使用される菩薩面・装束を管理している塔頭寺院「護念院」では、法話を伺ったり、二十五菩薩の御面を間近に拝見できたり、被らせていただいたりできるのです!練供養は16時スタートですが、その準備が始まる前、14時くらいまで拝見できますので、ぜひ少し早めに来てみてください。

【追記】當麻寺の「練供養会式」は毎年5月14日でしたが、2019年から「毎年4月14日」開催へと変更になります。


この日だけの特別法話と二十五菩薩御面拝観所

奈良県葛城市の古刹「當麻寺(たいまでら。当麻寺とも)」で行われる『聖衆来迎練供養会式(練供養会式、お練り)』。當麻寺のご本尊となっている「當麻曼陀羅(国宝)」を織り上げた中将姫(ちゅうじょうひめ)の命日に合わせ、毎年「5月14日」に行われています。

練供養会式とは、「往生要集」を著した天台宗の僧・恵心僧都源信が比叡山で初めて行ったとされており、源信の生まれ故郷である當麻に伝わりました。1005年、初めて當麻寺で練供養会式が行われて以来、千年以上も続けられています。


當麻寺の練供養会式は、これまでにも何度か拝見していますが、2013年は當麻曼荼羅が完成して1250年記念の年です。国立奈良博物館でも特別展『當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-』が開催中(2013年6月2日まで)ということもあり、例年以上の人出でした。

練供養会式は、日が西に傾いた「16時」から始まります。私たちもこれまではこの時間に間に合うように来ていましたが、當麻寺の塔頭の「護念院(ごねんいん)」(ブログはこちら)では、練供養会式の特別法話があったり、実際に使用される二十五菩薩の御面を間近に拝見できたり、被らせていただいたりできるのです!

護念院は、練供養会式で使用される菩薩面や装束のすべてを管理しており、菩薩に扮した方たちもここから出発します。16時の本番の準備が始まる前、14時くらいまでは拝見できますので、ぜひ少し早めに来てみてください。


二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-00

5月14日の『聖衆来迎練供養会式』当日の「當麻寺(たいまでら)」境内の様子。本堂である「曼荼羅堂」(この日だけは「極楽堂」と呼ばれます)から、その先にある小さなお堂(この日だけ「娑婆堂」と呼ばれます)へと来迎橋がかけられます

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-01
練供養会式で使用される菩薩面や装束を管理している、當麻寺塔頭の「護念院(ごねんいん)」では、この日だけ「二十五菩薩御面拝観」が行われます(拝観料 300円)

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-02
特別法話「當麻寺 練供養会式」や「二十五菩薩御面拝観所」などがあります。練供養に参加する方たちは、ここで装束を身にまとってから出発していきます


練供養の御面をかぶってご縁を結べます!

護念院の本堂に入ると、華やかな五色幕の前に、二十五菩薩の御面がずらりと並んでおり、主役ともいうべき如来像もおわします。それを前にして、まずは練供養会式のビデオを見て、ご住職の法話を拝聴できるのですが、この菩薩面や仏像が、この数時間後には実際に来迎橋を渡っているのかと思うと感動的ですね!

さらに、この菩薩面は参拝者に被らせていただけて、ご縁を結べるようになっています!合掌しているところへ僧侶の方が顔に被らせてくれるのですが、出来れば目は閉じず、この面がどれだけ視界が狭いものなのかを実感しておくといいですね(私は目をつぶってしまいました)。


二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-03

本堂の向かって左手には、華やかな五色幕の前に、二十五菩薩の御面がずらりと並んでいます!この数時間後にはこれを身につけて来迎が再現されるかと思うと、迫力がありますね!この右端の大型モニターに、當麻寺の聖衆来迎練供養会式の内容を説明した映像が流されています

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-04
ご住職の特別法話「當麻寺 練供養会式」も拝聴できました。手にしていらっしゃるのは、練供養会式の主役ともいうべき仏さま!行きは、観音菩薩さまがこの蓮華座だけを手にしていらっしゃいますが、帰りはこの仏さまの姿になった中将姫を乗せて西方浄土へ向かうのです。蓮華座とはちょっとしたほぞ穴でとめられているようでした

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-05
菩薩面を手に。ご縁を結ぶという意味で、参拝者にこの菩薩面を被らせていただけるのです!

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-09
希望者に順番に菩薩面を被らせていただけますので、合掌しましょう。滅多にない貴重な機会ですね

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-10
肉髻の盛り上がり方がすごいですね!数年前に新調された御面だけに、色合いも鮮やかです

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-11
私も被らせていただきましたが、思わず目も閉じてしまって…。人から聞いた話によると、やはりかなり視界は狭かったようです(動きの激しい観音・勢至菩薩さまの御面だけは、やや視界が広めに作られているとか)

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-12
宝冠まで鮮やかですね!ありがとうございました

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-06
飾られている二十五菩薩御面。2005年に新調されたものなので、とても華やかです。練供養会式の際には、西日が反射して神々しいんですよね

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-07
ご住職が手にしていらっしゃった、この日の主役となる仏さまも、間近で拝見できます。こんなに近くで見られるとは思っていなかったので、感動しました!

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-08
アップで。凛々しい尊像ですね


本物の装束や中将姫像を乗せたお神輿も展示

護念院の本堂内には、菩薩面などの他にも、菩薩さまの衣装や、中将姫像を乗せて来迎橋を渡る神輿なども間近で拝見できます。すべてが実際に法要に使用される本物かと思うと、それだけで感動しますね。

普段はまず目にできるものではありませんので、當麻寺の練供養会式の際には、ぜひ少し早め(14時よりも前)に来て、護念院へお参りしておくといいでしょう。


二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-13

護念院の本堂内では、この他にもこの日だけの展示があります

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-14
これは二十五菩薩の衣装です!しまってあったものをズラリと並べてあるだけなんですが、数時間後にこの衣装を身にまとった方々が来迎橋を練り歩くのかと思うと、不思議な感じがしますね

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-15
メモが挟まっていて、どの方が身に付ける衣装なのかを書き記してあります。こうやってみると、衣装の柄は意外と渋めですね

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-16
練供養会式の先頭を切って、来迎橋を真っ先に渡られる神輿。中将姫の像が安置されています

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-17
護念院から當麻寺本堂(この日は極楽堂)へと橋が渡されています。練供養の列は、護念院からこの橋を渡って、本堂から伸びる来迎橋へと進みます

二十五菩薩御面拝観@當麻寺護念院(葛城市)-19
當麻寺護念院でいただいた御朱印です。中将姫が尼になってからの名前「中将法如尼(ほうにょに)」と書かれています



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■當麻寺(当麻寺)

HP: 中之坊- http://www.taimadera.org/ 、奥院- http://www.taimadera.or.jp/
住所: 奈良県葛城市當麻1263
電話: 中之坊 0745-48-2001、奥院 0745-48-2008
宗派: 高野山真言宗・浄土宗
本尊: 当麻曼荼羅
創建: 7世紀前半ごろ
拝観料: 境内は無料(伽藍:500円、中之坊:500円、西南院:300円、奥院:300円、護念院:300円)
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 有料(「二上山ふるさと公園(無料)」から歩くことも出来ます)
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」下車、徒歩20分

※練供養会式は、雨天の場合は来迎橋ではなく、曼荼羅堂の周囲を行道するそうです


■参考にさせていただきました!

聖衆来迎練供養会式 - Wikipedia


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